長良川鉄道乗車記2(美濃市~北濃)
(前半はこちら)

まずは美濃市駅北濃側ホーム先端で、上り列車が森の中から出てくるところを撮影。

北濃発で、景色の良いところを徐行する「ゆらーり眺めて清流列車2号」なので、旅行者と鉄道ファンが多く乗車しています。

これは話題のヤマト運輸の宅急便混載車だぞ。この車両は「ナガラ300形305号」ですが、これだけは「キハニ305」を名乗ってもらいたいところ。各地のローカル線でキハニが復活すれば面白そうだな。

私が乗る16:06発の下り北濃行が来ました。美濃太田方面ですれ違った時は2両編成でしたが、切り離して単行になったようです。それでは出発、終点北濃までは1時間29分の長丁場です。
美濃市から二つ目の湯の洞温泉口付近から、いよいよ左手に長良川が見えてきます。

前方を見て、指定列車30kmの標識があるところが、景色が良いところのようです。ここは八坂を出たあたりの鉄橋。

この列車は徐行しませんが、こんな景色が展開します。今日は天気が悪く水量も多いようで、清流には見えません。

みなみ子宝温泉に着きます。駅に温泉があるみたいです。待ってる人多数、でも乗らない、美濃太田方面を待っているようです。

大矢で交換するのは、さっき乗った国鉄急行色だ。次の駅から温泉帰りの客で賑わうことになります。

見どころが続きます。ここは大谷を出た辺り。

深戸と相生の間。

相生手前の鉄橋。

相生を出たあたり。
長良川鉄道の車窓は、見下ろす美しい長良川がメインなわけですが、上を見上げれば高い位置に高速道路(東海北陸自動車道)があります。1996年に郡上八幡まで、1997年に白鳥まで、2006年に北陸側まで全通、そして2026年には白鳥から福井まで中部縦貫自動車道というのが全通するそうで、越美線が高速道路で完成します。高速道路すごいです。
郡上八幡に着きます。降りる人多数、美濃太田から乗車した時間は1時間20分、岐阜からだと1時間52分、ずいぶん奥まで入ってきたなと感じます。でも車で高速道路を使ってきたら、すぐ着いちゃうんだろうな。ちなみに岐阜から高速バスだと1時間20分で着きます。郡上八幡を出たら、左に道路があって美濃白鳥方面に向かう車が渋滞しています。それを列車がごぼう抜き。ローカル線で時々ある、ちょっとスッキリする光景です。
自然園前、山田、徳永辺りにも、短尺レール区間があって、聞いていて心地良いレールのジョイント音が楽しめます。郡上大和でまた交換、長良川鉄道は列車本数が多いです。季節が夏でなかったら、子宝温泉に途中下車して温まってくプランが良さそうです。

美濃白鳥に着きます。越美北線九頭竜湖へのバスが出ていた駅です。ここで数名が降り、乗客は私含め2名だけになります。終点まであと2駅。雨が激しくなってきました。そういえば越美北線も最後の2駅分が土砂降りだったんだよな。
最後の2駅は、越美北線では長いトンネルにスピードを出して突っ込み、雰囲気がガラッと変わりましたが、越美南線の方は今までと同じように川沿いを淡々と走ります。長良川が細く浅い川になったぐらいしか変化はなし。

そして17:35、終点の北濃に到着しました。


傘をさして駅の外?からナガラ306を撮影します。風情のある駅だなぁ。それと長良川鉄道の標準色は50系客車っぽくて好きだ。

ターンテーブルも残ってます。

駅前に出るとバスが来ました。九頭竜湖行!?ではなくて、ひるがのスキー場行、県境は超えません。北濃まで来た、もう一人の乗客は、このバスに乗車。

そして駅舎には飲食店が入っている。もっと早く気付くべきでした。帰りの美濃太田行は18:00発、食べる時間あるかな?、とりあえず入ってみよう。店員さんにどのぐらいで出来そうか聞いて、暖かいとろろそばを注文、ちゃんと間に合って、美味しかったです。中央のテーブルで背筋を伸ばして定食物を食べているのは運転手さんでした。

暖かいそばでお腹と、それ以外に心も満たされて、終着駅を後にします。

北濃からの帰りは私一人でした。樽見鉄道では1両しかないクロスシート車に当たりましたが、長良川鉄道では少数派のロングシート車に2回も当たってしまいました。
長い盲腸線の乗りつぶしは、折り返しが大変、北濃18:00→美濃太田20:14、外の景色もそろそろ見えなくなるし、2時間14分は長い。美濃白鳥で何人か乗車し、私一人ではなくなり、ちょっと安心します。

郡上八幡では13分停車します。まずはトイレ、隣に並ぶのは運転手さんだ。長良川鉄道の車両は、基本トイレ無しなので、こうして長めに停車時間を取るのかと、時刻表を見れば、そうでもないぞ。ゆら〜り眺めて清流列車1号なんか、富加3分、関3分、郡上八幡4分、郡上大和4分しかない。観光客で混雑する列車では、ビールは控えた方が良さそうです。

長良川鉄道の駅はどこも素敵です。

反対のホームからも撮っておきます。越美南線が越美線として全通していたなら、こここらキハ85(HC85)の特急おくみのが発着していたかと思う。

跨線橋も独特の構造。
郡上八幡からの乗客数は7名、みなさんスマホ、子供までスマホを覗き込んでます。長時間の乗車も退屈しないはず。心配なのはバッテリーか。美濃太田に近づくにつれて、乗客は減ってゆき、関からは3名になってしまいます。
富加までの短尺レールの音がとても気持ちいい。動画撮っとけば良かった。それにしても長時間のロングシート、背中痛くなってきた。

20:14、やっと美濃太田に戻って来ました。雨が強くなってます。折りたたみ傘を用意してきて良かった。北陸地方は大雨で、路線情報を見ると、JR西日本の越美北線、高山本線、大糸線、小浜線、氷見線、城端線は午後から運休とのこと。そんな中で地鉄は通常運転らしい。
今日の宿泊地は、駅そばの古いビジネスホテル。この日も昨日と同じように、県民割のおかげで岐阜県のホテルはどこも満室で、数日前に出たキャンセルを、なんとか確保できた次第です。
夕食は中華料理屋へ、生ビールと料理2品、その後でベトコンラーメンを注文し、ライスももらって食べたら食べ過ぎた。美味しかったのですが、ベストコンディションには程遠い状態で、20分ほど傘さして、昭和の雰囲気の美濃太田の街を歩き回って腹ごなししてから、ホテルに戻りました。ちなみに美濃太田の駅周辺にはコンビニがない。
* * *
翌日朝、美濃太田駅の長良川鉄道乗り場には、水戸岡デザインの車両が停まってました。

ロングシートの背もたれを高くしたら、景色見えにくくならないかなぁ。窓の上にも意味のないステッカーを貼って視界を狭くしているし。昨日は、この車両にも当たらなくて良かったと思う。
(乗車は2022年8月)
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