懐かし写真(1984年) 東海道新幹線開業20周年記念号

今でこそ鉄道ブームですし、最近妙に増えたなと思う、日本人の功績を称え、日本の技術の優秀さを扱うテーマにもぴったりですので、テレビやさまざまな書面で新幹線が取り上げられていますが、30年前の国鉄時代は、新幹線なんてただ速いだけで全くつまらない乗り物という扱いがほとんどだったように記憶しています。
鉄道ファンだって、新幹線を趣味の対象としていた人はほとんどいなかったと思います。私もそうでして、この頃の東海道山陽新幹線は0系しか存在せず面白くなく、新型の0系だって3人席の半数は後ろ向きという、今では考えられないほどの低スペックの車両でぜんぜん魅力がなかったのです。この写真を撮ったのも本当に偶然、私の本来の目的は下の列車の写真を撮りに来ていたようです。

東海道本線を下るEF65PF+サロンエクスプレス東京なのですが、この頃はまだEF58が現役でしたので、東京駅に回送される時点で牽引機がPFと解り、皆さん関心を失ったようで、人気列車が走る時はいつも人一杯の田町駅もガラガラ。この列車が通った後で新幹線20周年記念列車が通ったのですが、撮影していたのは4,5人で、皆さんついでに撮っておくといった感じでした。
この記念列車、写真をよく見れば国鉄側もやる気のなさを感じさせる面もあり、今でしたら最新型の車両(といっても小窓の0系)を使用すると思われますが、大窓の古いやつ、しかも12両編成で食堂車無しのこだま編成。
しかしこの半年後の1985年3月、新幹線も国鉄民営化を数年後に控え劇的な変化を遂げます。20年たって初めてのフルモデルチェンジ車・100系が登場するのです。登場してすぐは、私はまだ学生の身分で乗車する事が出来ませんでしたが、1990年代になって晴れて社会人になり、小遣いにも余裕が出来て趣味の旅行で新幹線にも乗れるようになり、そして食堂車で食事やお酒も楽しめるようになり、100系って素晴らしいじゃないか!特に2階建て食堂車は最高!と、新幹線に対する認識を180度改めるのでありました。