豊肥本線乗車記1(特急あそぼーい!・熊本~宮地)
今回の旅行は青春18きっぷの使えないシーズンという事で、JR九州の面白い特急列車にバンバン乗車してしまうスケジュールを組んだのですが、次は今回の旅行での一番のキワモノ列車かもしれない、その名も特急あそぼーい!です。

朝食をゆっくりとって、今日は遅めの出発で駅へ、まずはSL人吉号を見送って、


入線してきた熊本10:28発の特急あそぼーい!
白と黒の塗り分けはパトカーみたいで、おでこに赤色警光灯を乗せれば、すぐに警視庁の宣伝カーに使えそうです。隣のホームにはA列車で行こう1号も入線。またこの音楽だ、何度も聞くと煩く感じてしまいます。
さあ出発、11月の日曜日で本日は満席との事。指定券は3日前に取ったのですが、普通座席の進行方向右側の窓側が取れて良かったです。車窓も面白くなさそうな水前寺を出たあたりで、ビュッフェに珈琲を買いに行ってみます。昨日と同じようにやはり混んでいます。アジア系外国人の方もいます。皆さんお目当ては記念品で、私も何を迷ったか、長い時間並んで珈琲一杯だけ買って帰るのも、周りから変に思われるかなと、追加でクロちゃんタオルハンカチを3枚も買ってしまった。見どころがたくさんあって車内を探検するのも面白い列車ですが、40過ぎのおっさんがウロウロするのは、あまり相応しくない列車でもありますので、すぐに自席に戻りおとなしく過ごす事にします。
このキハ183系1000番台、オランダ村特急を皮切りに、ゆふいんの森Ⅱ世、シーボルト、ゆふDXと、その都度塗装を替えて、九州内のあちこちの線区で活躍してきた車両ですが、1988年デビューですのでもう25年目です。私はゆふいんの森Ⅱ世時代に別府から小倉まで乗車した事があります(小倉まで乗り入れていた、行き帰りのブルトレは食堂車が営業していたことから1992年春から1993年春までの間のようです)。この時は休日でしたが別府・小倉間というおまけ区間だったからか、ガラガラに空いており、ほとんどの時間、当時はフリースペースで、背ずりの無い丸い回転椅子が置かれていた展望席で過ごしていたような気がします。今では考えられませんが、丸い灰皿も置かれていて煙草も吸え、うろ覚えですが客室乗務員が陶器のカップの珈琲を持ってきてくれたような記憶もあります。いい時代に乗ったのかもしれません。

この年の6月にも来た、阿蘇カルデラの入り口である立野に到着。数分の停車時間があるようなので降りてみます。雨が降って来ました。今回も山々は低い雲で覆われて、神話っぽい雰囲気です。

南阿蘇鉄道のホームにはトロッコ列車が接続待ち。こっちにも乗ってみたかったなぁ。天気は雨ですが、雨の中こそトロッコ列車で(特に立野から1駅区間の)深い森の中の素晴らしい空気を満喫できたのではないかと…。後で調べたらこれに乗車して、終点まで行かないで途中駅で引き返せば、この後乗る九州横断特急4号に乗れたのでありました。もっと良く時刻表を調べておけばよかった。

さあここからが私の初乗車となる区間。まずはスイッチバックです。一番後ろ(熊本方・スイッチバック区間では先頭となる)で線路を眺められれば最高なんですが、この列車では大混雑なんだろうなぁ、もちろんおとなしく自席で過ごします。スイッチバックの高低差は一昨日の肥薩線とは比べ物にならないぐらい大きくてダイナミック(私としては、やっぱこうでなくては…と)。明治時代に建設されたのと、大正時代に建設されたのの、そしてこれが当時の蒸気機関車の性能や、ブレーキの信頼性の違いなんでしょう。ちなみに建設年は15年しか変わりません。

外輪山の中はこんな風景、雲がかかってしまって阿蘇山はよく見えませんが、この山の向こうに南阿蘇鉄道が走っているわけです。阿蘇駅では大半の乗客が下車。阿蘇観光のメインゲートは駅名の通りここのようです(終点宮地じゃなかったんだ…)。私の隣の席には、熊本出発時から持ち主不明の大きなリュックサックが置かれていたのですが、取りに来たのは中国人か台湾人のお洒落な若い女性グループの一人でして、席がバラバラになってしまったので、フリースペースか別の席で過ごしていたようです。日本を楽しんで下さいね、それとたくさん買い物もして日本にたくさんお金を落としていって下さいねと、心の中で呟いてみる。


終点宮地に到着です。
(乗車は2013年11月)
前の記事:三角線(特急A列車で行こう)乗車記
次の記事:豊肥本線乗車記2(九州横断特急・宮地~大分)