
鉄道でたどり着いた添田駅、駅舎はホームからかなり離れた位置にあり、これも石炭輸送時代の広い構内の名残りのようです。

中にはSLの模型が置かれ、ギャラリーがあり(昭和の映画の写真?)、隣には地元の物品?も販売され、退屈はしないはず。

ツバメの巣もある。隣にも巣の跡があるので毎年来るのかも。
ところで14:37発の代行バス日田行は、どこから出発するのでしょう。駅前に立っていそうな、バス停のポールがありません。いろいろと見まわしてみて、壁に貼られた乗り場案内を発見!

代行バスは、鉄道ホームの反対側にある駐車場から出発するのでした。しかもずいぶんと隅の方に停車してます。この時点で出発時刻の2分前、これに気付かなければ、次の代行バスは3時間半後、途中で日も暮れてしまい、今回の旅行を台無しにしてしまうところでした。今日は添田駅でも反対方向の列車に乗りそうになったりしました。3度目は本当にやらかしてしまうかも、慎重に行動するようにします。

バスの種類には詳しくないですが、コミュニティーバスのサイズ。鉄道の代行バスが、こんなに小さくて大丈夫なのか。乗客は私のほかに2名で、ぜんぜん大丈夫でした。一番後ろの一段高くなった座席に座ります。それでは出発。

左手の彦山川に架かる柵のない沈下橋、雨が降ったら凄いんだろうな。家族で川遊びする光景も見られます。

添田を出て数分の歓遊舎ひこさん駅。添田駅には人影がありませんでしたが、こちらは駐車場に車、建物中もそこそこ賑わっていそうで、やっぱり地方は車社会なのですね。ちなみここは、代行バスが走るようになって出来た停留所(駅)かと思っていたのですが、2008年に開業している駅。

右手に見える日田彦山線跡、この辺は線路剥がされています。

日田彦山線を代表する駅だったはずの彦山に着きます。写真はログハウス風の彦山駅休憩所、これが駅舎かと思ってましたが違ってまして、この建物の左側に立派なのがあったものの、昨年取壊してしまったとのこと。

彦山駅前の商店。彦山で、2名の乗客のうち一人の地元の高齢の男性が下車、代わりに旅行者と思われる、これまた高齢男性が乗車、乗客3名で進みます。

左手に日田彦山線のアーチ橋が見えます。彦山からはBRT専用道となるので、来年夏以降はこの橋を渡れることになります。

さて、ここからは線路から離れ。ぜんぜん違う方向にバスは進んでゆきます。細い峠道をぐんぐん登って行くのです。

これがこの日の私の位置情報ログです。青線が私の辿った道(バスルート)、赤字が駅の場所で、彦山から筑前岩屋までの間に4.3kmもの釈迦岳トンネルがあるのですが、近くにバスが通れる道がないそうで、小石原庁舎前、宝珠山庁舎前を経由します。その後大行司駅の近くに出ますが、日田彦山線時代の駅の順番を守り、一回筑前岩屋まで北上してから、大行司、宝珠山に停車します。

参考までに、このバスの停車駅と到着時刻。

スマホのログによると標高500m程の峠を越えた先が小石原、鉄道がなく時刻表の地図にない場所なので来て初めて知るのですが、陶芸の街のようで、道路沿いには小石原焼の販売店、写真のような窒元がいくつもあります。
坂を下って宝珠山庁舎前、ここで添田から乗車していた中年女性が下車、車内は私と高齢男性の旅行者2名になります。大回りしていた区間で乗降がないのは勿体無い。小石原なんて、車が無いと簡単には来れないところだったはず。今なら代行バスで簡単に来れますよ、青春18キッパーも大歓迎と、沿線自治体もPRすればいいのに、代行バスが走るのはあと1年です。
宝珠山庁舎前を出ると、日田彦山線の線路際に戻り、すぐに大行司なのですが、一つ飛ばしてしまった駅、筑前岩屋に向かうため、線路沿いを北上し添田方面に進みます。

左手に日田彦山線のコンクリートのアーチ橋が見えてきました。上には工事車両がいます。

走って気持ちが良さそうな築堤。


綺麗なアーチ橋が連続するんだ。いいなぁ、BRTが開業したら早く乗ってみたいなぁ。しかしBRTに乗ってしまうと(鉄道時代でも同じですが)、この綺麗なアーチ橋を見ることが出来ない。代行バス時代に乗りに来て良かったかも。
それと九州でこのタイプの橋は、竹筋コンクリート製ではないかと噂される松浦鉄道の福井川橋梁、廃止された宮原線の橋梁群と似ているのですが、こちらは資材不足が解消したはずの戦後1956年の開通ですので心配ないでしょう。

筑前岩屋に着きました。名水百選に選ばれた「岩屋湧水」が湧いてくるところで、駅前にある水汲み場には、3台ほどの車がポリタンクをたくさん持って汲みに来ていました。来年開通のBRTは、全列車10分程度停車したら良いかと思います。
来た道を戻ります。小石原からの道と合流すると、すぐに大行司です。線路時代の駅は離れたところにあるようで見えません。ちなみにこのバスの宝珠山庁舎前から筑前岩屋を経由して大行司までの所要時間は16分。筑前岩屋を経由しないバスもあって、それだと1分で着きます。
線路が道路をオーバークロスして、右側に線路が見えるようになります。

凄い!大肥川に架かる橋を、巨大なクレーン2台で架け直しています。ここを2022年8月時点でのグーグルアースのストリートビューで見ると、橋がない。

対岸に宝珠山駅が見えます。BRT区間はここで終わります。そしてこの辺りは豪雨の被害が大きかったところなのでしょうか。川岸の護岸のほとんどを作り直したようで、コンクリートが白くて眩しい。

ここからはBRT開通後も一般道走行となる部分で、多数のバス停が新設されています。写真は大鶴駅の駅舎。

そろそろ夜明駅、久大本線の鉄橋下で信号待ち。この橋脚は平成29年九州北部豪雨を耐えたんだな。よく頑張った。

15:58、夜明に到着、降りたのは私一人、もう一人の旅行者は日田まで乗り通すようです。
今回使用した切符は、博多駅自動券売機で買った、紙の760円区間切符。運転手さんに見せて「新飯塚、田川後藤寺、夜明経由の大回りで、久留米高校前まで行きます」と、説明して降りました。3人しか乗らないバスに、これだけ長時間乗って、まともにお金を払わないなんて、ちょっと恥ずかしかった。田川後藤寺か添田で切符を分割しようとも思ったのですが、田川後藤寺は買う時間がなく、添田は無人駅で新たに切符買うのが面倒になりそうで止めました。代行バスの運転手さんも、「はいどうぞ」と気にしていない様子だったので、私のような乗客が沢山いるのかもしれません。
さて、日田彦山線を終点まで乗車したわけですが、代行バスで乗りつぶしをしたことにしていいのかどうか…、もう鉄道で復活することはないので、これで乗りつぶしをしたことにしてしまいます。BRTが開業しましたら、BRT区間の彦山~宝珠山間を、未乗車区間として計上し直し、また乗りに来ようと思います。
(乗車は2022年8月)
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