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錦川鉄道錦川清流線乗車記

新型コロナの感染拡大が収まらない中で恐縮ですが、11月後半の連休、中国地方に“Go To トラベル”と“広島県誘客促進支援事業”の割引を利用した一泊旅行に出かけてました。今回はいつもの一人で鉄道乗りまくり行程とは違い、同行者ありで宮島観光をメインとした普通の旅行になるのですが、鉄分を30%ぐらい投入させてもらい、錦川鉄道と広島電鉄の一部の乗りつぶしを実現してます。

まずは、JAL派なので滅多に乗ることがない朝早いANA便で岩国空港に到着。この空港、岩国駅まで連絡バスで数分というアクセスの良さで、こっちを広島の主空港とした方が良いのではないかと思うくらいです。

降り立った錦川鉄道の発着する岩国駅0番ホームで、9:53発の錦町行を待つ人は、私たちの他に2人の地元のお年寄りだけ。ネットの噂では、神社で参拝者向けに押印される“御朱印”の鉄道版とも言える“鉄印帳”が大ブームだそうで、主催する第三セクター鉄道の一つである錦川鉄道にも、連休中ですので鉄印帳を手にした旅行者がたくさんいるのではないか、早めに並ばないと錦川を望める右側座席の確保が難しいのではないかと心配していたのですが、拍子抜けするほど人がいません。

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やってきた錦町行は単行でした。事前に申込んでおいた、列車限定で岩国錦川往復が約半額になる“昼得切符”を、乗務員の方から名前を呼ばれて車内で受取ります。これもGo Toの恩恵みたいです。出発間際に旅行者2組と、小学生とお母さん5組ぐらいが乗り込んで、少しは連休中のローカル線らしくなりました。

それでは定刻に出発。最初は8年前に岩徳線で乗った区間なのでだいたい覚えています。渋い駅舎の西岩国を過ぎ、錦川を渡るところで岩国城が見えます。よくあんな高い所に建てたものです。その向こうにある錦帯橋は3連休中日ということで今頃凄い混雑か。川西に到着します。

錦川鉄道錦川清流線の私にとって一番の魅力は、やっぱり川西駅を出て1.9km先にある、名前の通り森の中に存在する森ヶ原信号場で岩徳線と分岐するところでしょう。幸い運転室横に陣取っていた小学生達が川西で降りたので、かぶりつきできます。

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トンネルの手前に信号機があります。右側が青だ。

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抜けたところで森ヶ原信号場が忽然と現れます。

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昔の山陽本線である岩徳線と分岐します。素晴らしい分岐シーンではありませんか。さぁここからが初めて乗る区間です。その後の錦川清流線ですが、1960年開通と旧国鉄線としては新しい路線ですので路盤が立派、風景に似合わず、意外とスピードも出します。

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そろそろ新幹線との乗換えができる清流新岩国駅ですが、なんだ?この右に分岐する怪しいポイントは。新幹線の保線基地に繋がっているみたいです。

新幹線と旧国鉄岩日線である錦川清流線、ただ交差しているだけだと思っていたのですが、新幹線の建設資材を岩日線を利用して運搬していた歴史があったようで、昔は交わっていたのか。

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高架の下に清流新岩国駅が見えてきました。2013年まで御庄駅という、新岩国とはまるで関係ない駅みたいでした。

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この路線に乗りに来る時は、新幹線からここで乗り換えて、そのギャップを楽しんでみようと思っていましたが、そうはなりませんでした。

その後、清流新岩国の次の守内かさ神から錦川に沿って走ります。川に最も近づく区間は徐行してくれます。清流線を名乗るだけあって、川の水はきれいで川底の石までしっかり見えます。河岸の石も白く、天気が晴れだったら、もっとキラキラして美しく見えただろうなぁ。写真は撮り損ねてしまいました。

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交換する北河内駅の手前で席を立ち、運転室横に立ちます。旧国鉄建設線級とまではいきませんが、立派な高架を走ってます。

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交換するのはピンクの車両。

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北河内駅を過ぎると、川の反対側の左側にも徐行運転をする見どころが2か所ありまして、それは滝。ただし、しばらく雨の降っていない11月ですので水量が少なく、岩の上から湧水が染み出ているぐらいにしか見えません。写真は椋野と南桑の間で見れる「かじかの滝」。

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次の見どころは南桑と根笠の間に出来た、清流みはらし駅。清流を見るためだけに造られた、どこの集落にも人家にも繋がらない駅で、この列車は徐行して通過します。

この列車の転換クロスシートの枕部分には、簡単な沿線案内が掲示されていて、これを見ておけば車窓の見所と徐行区間が全て前もってわかるのでありがたい。

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そして屋根のR部に掲示された沿線案内。これもまた素晴らしい出来です。錦川清流線を愛し、沿線の情景や歴史を知り尽くした人による作品で、早く気づけばよかったです。河山には鉱山の積み込み施設があったんだ。

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11:01、終点の錦川に到着します。1時間弱で32.7kmの乗りつぶしが完了、山口県の路線もこれで完了です。

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錦町駅の全景です。一匹でかくて変なのがいるぞ、

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まさかの烏山線キハ40。2017年にレトロ調車両としてイベント用に転属してきました。

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キハ40なら先程岩国駅で岩徳線用タラコ色のをたくさん見たばかりなので、今はあんまり有り難みを感じられないのが正直な感想です。末永い活躍を期待しましょう。

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乗車してきたNT3003は、しばらくお休みのようで車庫へ。

次の岩国行きまで1時間半待ち時間があります。駅舎の2階にレストランがあって、お昼はここでカレーでも食べる予定でいたのですが、なんと営業していません。駅周辺に飲食店はここしか無いようなのですが、幸いにも川を渡った500m程歩いた先にスーパーマーケットがありました。惣菜売り場でお弁当を買って駅に戻り、ホームのベンチで食べます。同行者にとっては、折角の旅行の最初の昼食が、冷たいスーパーの弁当になってしまい申し訳ない。

さて、錦川清流線は、元国鉄岩日線で岩国から山口線の日原までを結ぶ計画だったのが、ここ錦町までしか開通しなかったわけですが、未開通部分の錦町から雙津峡温泉まで6㎞の路盤に、とことこトレインという電気自動車を走らせているので見に行ってみます。

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これがその電気自動車か。車体に“GO TO”と書かれているぞ、こんなところでも“Go To”やっているのか?これは車両の愛称“ガタくん”、“ゴトくん”の“GO TO”でした。 鉄道路線の乗りつぶしをやっているなら、ここもしっかり乗るべきところですが、今の時期、窓のない吹きさらしの車体で片道40分耐えるのは辛そうなので、今回は予定に組み込んでいません。

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岩国からの下り列車が到着します。私の乗った1本前と違って、座席の半分が埋まるぐらい混雑しています。

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信号機みたいに3色並びました。帰りの12:31発岩国行も空いていまして10人ぐらいしか乗っていません。今日は朝早かったので、復路の半分は寝てしまいました。

岩国からは初めて乗る227系で宮島口へ向かいます。いい電車だなぁ。今日の鉄道趣味の活動はこれで終わり。宮島口側にあるホテルに早めにチェックインします。

(乗車は2020年11月)

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関連タグ:旧国鉄の第三セクター路線
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広島電鉄乗車記1(宮島口~本川町)と旧型車撮影

GO TO トラベル広島旅行の2日目は、宮島を観光した後、広島電鉄で広島市中心部へ向かいます。

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広電宮島口14:54発の広島駅行に乗車します。車両は3950形。この路線では、堂々たる風格の吊り掛け旧型車3100形に乗車したかったのですが、時すでに遅し、今は朝のラッシュ時にちょろっと走るだけらしい。それと、この駅も将来はフェリー乗り場寄りに移転される計画とのことで、もっと駅の情景を記録しておけばよかった。

進行方向右側の座席に座ります。ちなみに広島電鉄の右側最前座席は、昼間も運転室仕切りのカーテンを閉めているので、かぶりつきができないのが残念。

それでは出発。ちょろっと走って宮島ボートレース場、そこからは駅間距離が長くて、急加速で軽やかにキュンキュン走ります。乗ったのはVVVF車でしたが、吊りかけ車だったらどんな音が聞けるのか気になります。他、専用軌道の宮島線の印象ですが、昔走っていた路面電車タイプでなく普通の電車(高床車)が使用していた高いホームが今も何駅かで見られる、ずっと平野を走ると思いきやトンネルが存在する、そして混んでいて乗客の入れ替わりが激しい、さすが路面電車王国の広電です。

商工センター入口という、バス停みたいな名前ながら、JR乗換え停留所を過ぎて左手に注目します。ここには車両基地がありまして、魅惑の3100形が2本休んでいるのが見えました。今日は丁度年に一度?の広電まつりの日でして、ビンテージ級電車がイベント貸切電車として走り回っている日です。この3100形もあと1本どこかで走ってないか期待してみます。

宮島線の起点で専用軌道区間が終わりとなる広電西広島に到着します。なんだか複雑な配線の大ターミナル駅です。広島駅側、宮島口側両方に行き止まり線路の乗り場があります。さすがは広電だ。ここ行きの電車のサボは「西広島(己斐)」と表示されるのですが、西広島が専用軌道の宮島線の駅で、己斐が市内線併用軌道の本線の停留所だったのを、2001年に統合してこうなったんだそう。そして見た目がとてもカッコいい駅名、己斐は「こい」と読む。

西広島を出てからは本線となって併用軌道を進み、3つ目の観音町からは細い道路に突っ込んで行きます。細い道路といっても複線ですし、とさでんの朝倉付近程で無いのですが、ここを3連5連の連接車が走る風景となると、すごく面白い絵になるのではないかと思います。狭い道路にある観音町、天満町、小網町の停留所は設備も貧弱、前2つは縁石で少し道路から高くなっただけ、小網町は道路を緑色でペイントしただけ。ここで電車を待つのは、路面電車に乗り慣れない者にとって、ホームの白線の外で電車を待つようで、想像しただけで恐ろしい。

それともう一つ気が付いたのが、この電車、降りるボタンがありません。途中で降りようと思っているのですが、すべての停留所で停車しているようなので、ボタンが無くても大丈夫なんでしょう。さらにこの電車、車両一番前にあるはずの次の停留所は○○、と表示する案内板も無い。なので、しっかり車内放送を聞いているか、聞き逃したらスマホの地図を見るしか今どこを走っているか判らない。さすがは路面電車王国の広電、素人が簡単に乗りこなせるものではないのだ。なんだか外国の路面電車に乗るような緊張感だぞ。

土橋で、広い道路に出て、横川~江波の系統の路線と合流し、1区間走って十日市町ですぐ分かれます。そしてここで広島駅方面から来た、イベント貸切運転中の元ハノーバー市電の238とすれ違います。写真は撮れませんでしたが見れただけラッキーかも。次の本川町で下車します。

せっかく広島に来たので、平和公園と原爆ドームを散策するつもりで、ここで降りたわけですが、今日は路面電車祭りの日ですので、沿線、そして歩道橋の上に、イベント貸切運転中で走り回ってるビンテージ級電車の写真を撮ろうとする人がたくさんいます。

せっかくなので私も、約10m間隔で撮り鉄さんが並ぶ橋の上で、コンデジで撮影してみます。

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最初に来たのは1980年代に登場した軽快電車の701。

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今度は宮島線直通の京急ラッピング車だ。全国で見られる京急ラッピング車ですが、実際に京急空港線に乗って、京急の赤白電車に当たる確率はとても低い。昨日の朝も京成車で羽田空港まで来ました。

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そして古いの来た!602。

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1948年製の西鉄北九州線で走っていた電車です。

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それにしても広い道路で路面電車を撮るのは難しい。車が被ってしまいます。道路の反対側にも、原爆ドームをバックに撮影しようとしている人が沢山いるのですが、ちゃんと撮れたでしょうか。みなさんギャンブラーです。それと一斉にカメラを向けられる乗用車の運転手さんも困惑気味です。

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その後、待っても古いの来ないし、暗くもなってきましたので、広島駅方面に歩いて移動します。

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宮島の大鳥居に続き、原爆ドームも改修工事中だったのか。広島県が旅行者に対して助成金を出してくれたのは、工事中のお詫びなのかもしれません。

紙屋町の交差点まで歩きますが、旧型車とはすれ違いませんでした。この後はお好み村に行く予定でしたが、宮島で焼牡蠣・揚げもみじ・甘酒と、いろいろ買い食いしたので、そんなにお腹が空いていません。市電に乗って時間を潰すことにします。

(乗車は2020年11月)

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関連タグ:広島電鉄路面電車

広島電鉄乗車記2(本通~広島港宇品~広島駅)

GO TO トラベル広島一泊旅行の終盤の夕刻、お好み村での夕食を予定していましたが、そんなにお腹が空いていません。そこで、市電に乗って時間を潰すことにし、広島の中心(だと思う)、本通から広島港まで行ってみます。

本通の停留所は、都心の停留所だけあって広く安全なホームですが、どう並んだらいいのかよく解りません。いろいろな長さの電車が来ますので、適当でいいのでしょう。広島港行電車は低床の3連接車で来ました。後ろドアから乗り、suicaをカードリーダーに当てると、私も同行者もエラーが出てしまいます。しかし後ろからも人が来ますのでそのまま乗車。後ろの車両の連接部の座りにくいクロスシート部に座ります。

改めて乗降口を見るとカードリーダーが二つあり、suicaでエラーが出てしまったのは、降りるとき用のカードリーダーにタッチしてしまったからのようです。乗るの難しいなぁ。車庫のある広電本社前で途中下車しようかと思っていたものの、暗くなってきましたし、suicaエラーの件もあるので終点までの乗り通してしまいます。皆実町六丁目で広島駅からの系統と合流し、だんだん郊外の住宅地の風景になってきて、乗客もどんどん減ってきます。

終点間際の海岸通から先は、上に高速道路があって完全に港湾地区の風景。元宇品口は、停留所名と雰囲気から国鉄宇品線の終点はこの辺りにあったっぽい。(帰って調べたら、国鉄宇品駅は、もっと東よりで広島市電の線路とは交わりません。)

終点の広島港の停留所(というより立派なターミナル)が見えてきました。しかしポイントの手前で停止、停留所の線路が一杯のようで、約3分停車とのこと。なかなか面白い。待つこと数分、向こうから低床の連接車が勢いよく飛び出してきて、こちらもようやく出発、大屋根の下の3面3線の広島港に到着します。

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乗ってきた低床連接車の1000形。たくさん見かけましたので今の主力電車のようです。

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同じ番線の車止め側に元京都市電が押し込まれています。

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高さのある大屋根は、まるでヨーロッパのターミナルなのですが、3線とも奥で照明を消した電車が昼寝してますので、なんとも言えない気怠い雰囲気になってしまいます。

広島港の船の方のターミナルをちょっと覗き、海辺に行って、夕陽を見て、停留所に戻ります。

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5系統の800形で広島駅に向かいます。かつての国鉄宇品線に沿う形の5系統は、一番乗客が多く、輸送力の高い連接車がバンバン走っているものと思っていました。ところが違っていまして、広島港からだと、本通に向かう1,3系統の方が、広島駅に直通する5系統の2倍本数があります。このように、人の流れが単純な一本線や十字線に当てはめられない都市の位置関係が、路面電車が今もこれだけ走る理由の一つかもしれません。

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始発ですのでかぶりつき席に座ります。皆実町六丁目から初めて乗る皆実線ですが、これといった発見は無し。

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的場町の停留所を過ぎ、左にカーブし本線と合流します。ここから先2区間0.5kmは、広島駅南口再整備の計画で、数年後に廃止になる区間です。

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廃止される停留所の猿猴橋町です。正面に見えるのが工事中のJR広島駅。再整備事業で広電は、写真左側に位置する駅前通りを直進してJR広島駅ビルの2階に突っ込む形になります。

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広島駅の停留所が見えてきました。ここで一旦停車。ホームが空かないでここで降ろされてしまうのか。いや、3本ある櫛形ホームの一番右側に入って行きます。

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ちゃんと車止めのところまで進んでくれました。

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一番JR駅よりのホームは角度がついたままで、狭いスペースに無理矢理作った鉄道模型のレイアウトみたいでいいなぁ。ここに入るのは広島港に直行する5系統のみ。

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左側の2線は、紙屋町東を経由する5系統以外の降車専用ホームとのこと。

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紙屋町を経由する5系統以外の電車はどこから乗るのかというと、シーサースクロッシングを渡った左側のホーム。様々な系統、様々なドア数の電車が来るわけで、どう並んだらいいのかよく解りませんが、広島の人はうまく使いこなしているんでしょう。

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路面電車としては日本一の路線延長距離で輸送人員、保有車両数も日本一の広島電鉄、初めて乗りましたが、いろいろと奥が深くて面白いです。旧型車がまだまだ走っているうちに、また来たいと思います。

その後は3連休の最終日ですので、どこも密な状態でして、広島空港へのリムジンバスは乗れるのかというぐらいの長蛇の列で2本目に乗車、お土産屋もフードコートも密、ANA羽田行き最終便も満席でした。

(乗車は2020年11月)

前の記事:広島電鉄乗車記1(宮島口~本川町)と旧型車撮影
関連タグ:広島電鉄路面電車

全線復旧した常磐線に特急ひたちで乗車

12月中旬の平日、休みを取りまして、宮城県の常磐線・仙石線・石巻線の、震災で路線の変更が行われた区間の乗りつぶしに日帰りで行ってきました。

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最初に乗車するのは、上野8時00分発の仙台行き特急ひたち3号で、こうしてみれば面白い顔の電車です。常磐線特急は、651系→E653系→E657系と、だんだん顔が変になっていくと思っているのですが、実際は自分が年を取って新しいデザインに馴染めないだけなのかもしれません。

切符は50%割引となる、えきねっとの「お先にトクだ値スペシャル」。この列車の50%引き切符は、割り当てが少ないのか、1か月前発売時に即売り切れとなるようなので、1か月と1週間前の事前受付で購入しました。そのため海側のA席は指定できたものの、号車と席番の指定ができず、眺望のあまり良くない2席分の大窓の前側席になってしまっています。コロナでどこも空いている電車ですが、この日の乗車率は上野出発時で25%ぐらいでした。

それでは出発、仙台まで4時間31分、今の時代こんな長時間昼行列車に乗るなんて滅多にありません。私の乗りつぶしを始めてからだと、最長が2017年8月の東京→小倉の4時間54分、次が今年7月の東京→新函館北斗の3時間58分、2017年2月の浅草→会津田島の3時間31分と続きます。

その特急ひたちの4時間半が、快適に楽しめるかというと、そうでもなくて、何より車内販売がいわきまでの営業で、お弁当とホットコーヒーが販売されないのが痛いです。お昼は上野駅で買った駅弁で、昼ごろまで暖かい座席上に置いておくのも傷みそうなので、水戸を過ぎた9時過ぎに食べてしまいます。函館行はやぶさでも、同じように小山を過ぎたあたりで食べてました。そして貴重な車内販売は結局一度も利用せず。いわきを過ぎて口にするのは冷え切ったお茶のみというのも空しい。

いわきに到着します。隣のホームに停車中の501系の10連の車内では、2名の乗務員が、スプレーと雑巾を持って手すりやつり革を消毒中で、なんだか頭が下がる思いです。早くこういう時代があったと言えるようになってほしい。

* * *

10:25、いわきを出発。ここからは651系時代の20年以上前、同じ8時発特急ひたちで一度乗った以来になります。その時はひたすら退屈な車窓の、岩沼までの約2時間だった印象です。しかし今回は違いまして、3.11原発事故による避難指示区域、同じく津波の被害による線路移設部分と、しっかり見ておかなくてはならないポイントがたくさんあります。

海の近くを走って広野に到着、2011年10月から2014年6月まで、分断された常磐線の南側(以下、常磐南線としましょう)の終着だった駅です。ここから警戒区域だったエリアに入ります。車内放送では次の普通列車の原ノ町行きは2時間後とのことで、輸送量がガクッと落ちるところでもあります。

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上の写真は2019年に開業したJヴィレッジ駅を過ぎたあたりで見える海。もうこの辺は原発から20㎞圏内の避難指示区域だったところです。それにしてもこんなにも早く常磐線が全線復活するとは思いませんでした。あの時は私が生きているうちは無理かと思ったぐらいです。

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竜田を通過します。小ぎれいな駅です。ここも2014年6月から2017年10月まで常磐南線の終着駅で、この時は原ノ町への連絡バスが発着していたという、非常に重たい歴史を有することになってしまった駅です。しかし今は普通列車しか停車しない駅になってしまっています。

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竜田から先の海側には、人家がほとんどなく、建設重機とダンプカーだけが目立つようになります。地図を見ると、この先に福島第二原子力発電所があるのか。

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富岡に到着。2017年10月から今年2020年3月まで常磐南線の終着駅です。ここの周りも重機だらけで絶賛開発工事中。海岸でも高い堤防を作ってます。震災前は海が見える駅だったようです。

こうして沿線でたくさんの重機を見ていると、人が入ることが出来なくなってしまった土地が、少しずつですが再生しているのを実感します。人間の体だと、まずは血管が再生し、肉や皮膚もどんどん新しく生まれ変わっているのを見るようです。主に血管の役目を果たしているのは道路なんですが。

夜ノ森を通過します。この辺からは帰宅困難区域として今も避難指示が解除されないエリアです。ずっと切通しを走るので周りの風景はよく見えません。

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切通しを抜けると、周囲は灯りのない建物が見えて大野に到着。駅だけが妙に新しいです。ビジネスマンが3人下車。

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ここからは複線だった海側の線路が道路になってダンプが走っています。田んぼで重機が土を漉き取っているみたいですので、今も除染をしているのでしょうか。姿は見えませんが、この先2㎞の地点に福島第一原子力発電所があり、たくさんの人が廃炉のために活躍されています。

双葉駅周辺は崩れ落ちてしまった民家まである灯りのない住宅街。この辺の風景はまだまだ心にずっしり来ます。双葉を出てしばらくして、帰宅困難区域を抜け、浪江に到着。2017年4月から2020年3月まで常磐北線の終着駅です。駅周辺に建物は多く、駐車場に車は停まっているのですが人が一人も歩いていません。

桃内で上りひたち14号と交換します。ぜんぜん人が乗ってません。私の乗車する下りの車内も5人ほどしか乗ってません。コロナが原因なのかもしれませんが、651系時代のように7+4の分割編成にどうしてしなかったのでしょう。

小高を通過。2016年7月から2017年4月まで常磐北線の終着駅です。特急が停車するにふさわしい長いホームの駅ですが、今は普通列車しか停まらない駅。次は磐城太田という駅で、隣の県には常陸太田があるので紛らわしい。

***

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原ノ町に到着します。上野から特急で3時間半も乗りましたが、隣のホームと留置線には、まだ東京で見られるE531系がいまして、遠くに来た感じか全然しません。ここは2011年11月から2016年7月まで常磐北線側の終着駅だったのですが、2016年12月までは相馬より北が繋がっていなかったので、常磐中線とでも呼ぶべき独立した路線の南側終着駅でした。ここに閉じ込められて走っていたのは701系でしたっけ。不謹慎かもしれませんが乗ってみたかったなぁ。車内放送によると次の普通列車は20分後だそうで、列車密度の低い地域はこれで終わりです。

次の鹿島で交換。ここで701系を見れてようやく仙台圏に来たんだなと実感します。常磐中線の中間駅は、鹿島と日立木。これも隣の県に鹿島神宮と日立駅が存在するので紛らわしいな。常磐中線の北端だった相馬に着きます。ここを出ると次の停車駅は終点仙台で、43分無停車になります。乗客は原ノ町と相馬で増え、窓際の半分が埋まるぐらいになっています。

ここから浜吉田までは、津波による甚大な被害を受け、5年半不通で、2016年12月に運転再開した区間です。次の駒ヶ嶺を通過、ここから山側に付け替えられた新線を走るのですが、どこで分岐して、どれが旧線の跡なのか判らないまま、新しくなった新地駅を通過してしまいます。ここが津波の直撃を受けた当時最新のE721系が、紙くずのようになってしまった個所なのか。

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その後は低めの単線高架上を滑るように走ります。見晴らしが良いのですが、みんな流されてしまった跡のようです。遠くに大きな建物が見えますが、地図を見れば小学校(中浜小学校)の遺構とのこと。その手前を旧線は走っていました。

山側に片面ホームの新しい坂元駅を通過。次の近代的な新しい山下駅の周りは震災後に開発された住宅地みたい。原色で貴重なED75 1039の牽くコンテナ列車が流されてしまった個所はこのあたりなのか。

スルスルと高架を降り、結局どれが旧線の跡かわからないまま、震災前と同じ位置にある浜吉田を通過してしまいます。2013年3月から2016年12月まで常磐北線の終点だった駅で、2016年夏に仙台駅で見た701系の行先表示が印象に残っています。

阿武隈川を渡り、左から東北本線、右から製紙工場からの貨物線が近づいてきて岩沼を通過。たくさんのポイントを通過して東北本線に入ります。相馬から先は、特急で乗り通すのではなく、運転室後ろでかぶりつきが出来る普通列車に乗れば良かったかもしれません。

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12:31、仙台駅1番線に到着します。仙台駅にも在来線特急列車が帰ってきました。確か前回651系時代は、一番東側ホームに到着し、その東側の留置線には運用を解かれた食パン715系が停まっていましたので、たぶん1998年の事です。その時は仙台付近地下化前103系時代の仙石線に乗車し、女川まで行ったのですが、今回も同じルートで女川を目指します。

(乗車は2020年12月)

次の記事:仙石線乗車記1(205系マンガッタンライナー)
関連タブ:JR東日本
プロフィール

QJ7000

Author:QJ7000
おじさん鉄道ファンの日本の鉄道の乗車記録です。2012年、ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになり、乗りつぶしをスタート。その時の未乗区間は7,818.4kmでしたが、12年目にしてあと1,002.5kmになりました。すべて乗りつぶすには、今の生活パターンだと、まだ7,8年ぐらいはかかりそうですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事をご覧になりたい方は下のカテゴリーの「年別目次」からどうぞ。

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