函館本線非冷房キハ40(2)砂原線経由で函館へ

下り貨物が通過します。DF200-11が牽引する長いコンテナ列車です。最高の光線状態だったのですが、通過寸前に雲がかかってしまい、写真はちょっと補正してます。それにしてもDD51が北海道から完全に姿を消して4年になるというのも、なんだかまだ実感が湧きません。

貨物の撮影後、跨線橋に上がると素晴らしい景色です。森駅の撮影スポットは跨線橋の上だったんだな。ここなら編成写真に海も北海道駒ヶ岳も入る。気付くのか遅かった。

札幌側の光景です。今回はここで函館方面に戻ってしまいますが、ここから先も車窓の展開も、私が大好きなところでして、長万部までグルリと噴火湾沿いの複線非電化区間を爆走します。先頭車でかぶりつきをしていると、岸辺にいる海鳥が列車に驚いて一斉に飛び立ち、鳥を蹴散らして走っているようなのです。

あの石碑は何だろう。不幸な事故でもあったのかと検索してみれば、1881年に明治天皇がここから上陸した記念の碑なんだそう。宿泊したのは、いかめしの阿部商店が営む旅館だったらしい。

私が七飯から森まで乗車したキハ40の2連はここで編成をばらしてお休み。青空の下、貫通ドアを開け佇む様子は、どこかで見た絵だぞ。そうだ!有名鉄道ブログで見た、ミャンマーで活躍する元JR北海道のキハ40だ。よく見れば2両ともタイプが違ってる。

私が乗車したキハ40 837は、小窓が両側にある初期型の元キハ40 100番台だ。エンジンはオリジナルのはずですが、キハ40の特徴である屋根の水タンクがない。

後ろのキハ40 1800は、小窓が中途半端な位置にある量産後の普通の元キハ40 100番台のエンジン交換車。小窓部分の2人シートが好きだった人、結構多いと思う。

ちなみにキハ40 837の方は、「森~大沼」なんてマニア受けしそうなサボをつけています。経由を書かないで大丈夫なのかなぁ。

気になるのはホームに張られたメッセンジャーワイヤー。

そうだ、これは乗車位置の案内、「北斗〇号〇号車指定席」みたいな板をつけるところだ。今は数字の号車番号しかない。昔は案内板がずらっと並んでいたのかなぁ。

乗車する14:38発渡島砂原経由の函館行が、海鳥を蹴散らして入ってきます。長万部発の単行なので、青春18切符の旅行者で混んでいるかと混んでいるかと思いましたがガラガラで、左右のボックスシートに見所見所で移動可能な状態でした。

さて出発、駒ヶ岳経由の北斗とすれ違います。赤井川から乗車した、駒ヶ岳登山のグループは、これに乗って札幌方面に向かいます。道内の人たちだったのかな?


いかめし食べようか。まだほんのり暖かい。本家で買うのは初めてでして、保温して販売してるとは初めて知りました。頭からかぶりつきます。イカ丸ごとなんて、贅沢な味だなぁ。

渡島砂原に着きます。砂原支線と名がつくくらいですので、この路線の代表駅かと思いきや、乗降客ゼロの無人駅。しかも無人駅になって27年になるんだそう。この砂原支線も、藤城支線と同じように、勾配を緩くしたバイパス線で、1945年に開通しました。現在、藤城支線が下り全貨物列車と僅か3本の下り普通列車が走るのに対し、砂原支線は上り全貨物列車と、上下約半数(下り5本、上り7本)の普通列車、それと臨時の優等列車も時折走ります。
私はこの路線には過去、青函トンネルが開通した年の臨時上り特急北斗(北海道のキハ80系に乗車した最初で最後の体験)と、多客期に運転される上り北斗星4号で乗車したことがあります。珍しい路線に入ると、注意して車窓を見ていたはずですが、どんなだったか全く覚えてないのは、長い年月のせいか、それとも天気が悪かったか。

2,30年前の記憶がなくても、これからどんな車窓が展開されるのか、スマホで乗りながらで予測できるのが、今の時代のいいところ。渡島砂原を出ると、遠くに青い海が見えてきます。森からはだいぶ高度を上げてます。反対側の北海道駒ヶ岳は、相変わらずよく見えない。

渡島沼尻駅、ラッセルヘッドをつけたモーターカーがいます。この手の車両にも、車両としての形式がついていたら、鉄道ファンに注目してもらえるんだろうなぁ。ちなみにここは、秘境駅ファンに名が知れた駅のようですが、私にはどこも同じような激しい秘境駅(という表現あってる?)にしか見えません。

鹿部の駅舎は、中に牛でもいるみたいに大きい。ここで2名の乗車あり。

次の銚子口で交換。15時半前ですが、交換するキハ40単行は、本日2本目の下り列車。それだけで秘境駅の感じですが、駅前から大沼電鉄という会社の路線が、一時ここを起点として存在していたことを、この記事を書いてて知りました。お伽話みたいです。

新幹線200系が静態保存されていたという流山温泉駅。温泉施設自体もなくなってしまったので、秘境駅ファンに受けそうな駅です。

私が最も激しいと思った秘境駅は、大沼の手前の池田園駅。草地の中に突如現れます。雨の日の夕方にでも訪れたらトトロみたいのが現れそうな駅です。ちなみにここは幻の大沼電鉄も走ってました。跨線橋は、昔は島式ホームだった名残ですが、今は棒線なので、反対側に昔の北海道でよくあった簡易ホームでも作ったら良いのではと思います。

右に大沼が見えて駒ヶ岳経由の線と合流し、大沼に到着。特急通過待ちで8分停車します。

やってきた北斗12号は、また261系だ。増えたなぁ。調べてみれば現在特急北斗の運用に就く281系は3往復、283系は撤退しています。281系もそろそろ引退かもしれません。

北海道らしいだだっ広い駅前です。

藤城線を挟んで、小沼と北海道駒ヶ岳を再び見ます。駒ヶ岳の全貌を、今回は最後まで見れませんでした。

ひたすら坂を下り、仁山を出た後み見える光景です。向こう側の山の斜面に藤城線が張りついてるはずですが、肉眼ではわかりません。

新函館北斗に到着、なんとここでも10分停車。はこだてライナーの到着を待って出発します。

新函館北斗で混むようでしたら移動しようと思っていたキハ40ならではの二人掛け席。上りキハ40普通列車は、基本新幹線とは接続してないので、ここでの乗客はゼロ。しかし次の七飯で、高校生が大勢乗車、2人掛け席に移動します。


五稜郭手前、窓から撮れたEH800とDF200。EH800は、デビュー時のピカピカの状態の写真しか見たことがなかったのですが、どの子もみんな薄汚れていて格好いいなぁ。そして五稜郭ですれ違った、道南いさりび鉄道のキハ40の2連は、後ろが国鉄急行色でしたが、写真は撮り損ねてしまいました。

函館運輸所の架線のない広い空間も、函館の鉄道らしい情景です。DE10とピンクの261系がいました。

16:33、森からの所要時間は1:55で、終点函館に到着。すぐに連結作業が始まります。

これで北海道の小窓非冷房キハ40とはお別れかなぁ。道南いさりび鉄道の方は、まだ残りそうなので、まだチャンスがあるかもしれません。
(乗車は2020年7月)
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