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只見線乗車記2(只見~会津川口・代行バス)

只見9:25→(只見線代行バス2422D)→10:15会津川口


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ぼた雪の降る只見駅前、道路はベチャベチャです。今度は9:25発会津川口行の只見線代行バスに乗車します。接続時間が10分しかなく、駅周辺を散策出来ないのが悲しいところ。

運転手さんは女性の方で、出発前に会津川口手前で降りる人を確認します。今日の乗客数は9名で、2箇所の途中停留所で下車する人がいます。私は左側の前から2番目の一人席に座ります。ここだと通路側から前方の写真も撮れそうです。それでは出発。

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しばらくするとカーブして美しい叶津川橋梁(かのうづがわきょうりょう)で、2011年から列車の走っていない只見線とさっそく交差します。ここを過ぎてすぐに叶津というバス停に停車。地元のおじさんが一人下車します。ここは鉄道駅が無かったところで、公式時刻表にも載っていない停留所。なんだか代行バスになって利便性が高まっています。

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もう一回叶津川橋梁をくぐり、只見川沿いに出れば、スノーシェッド内をスイスイ走ります。とても快適です。

公式時刻表に出ている一つ目の停留所、会津蒲生に停車します。国道252号線上にあり、鉄道の駅とは、地図で見れば200mぐらい離れています。バス停の前の、普通の民家のような建物が、バス待合室みたいな使われ方をしているようで、トイレがあり、クマ出没注意なんて看板もあります。

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会津蒲生を出てしばらくすると、バスは橋を渡り只見川南岸へ。対岸に只見線・第八只見川橋梁が見えます。この鉄橋は豪雨での被害は無かったようですが、

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会津川口側の路盤が崩れてしまったようで、今もブルーシートが掛けられています。

線路のある只見川北岸に渡り、会津塩沢のバス停に到着し、時間調整で1分停車します。ここは塩沢簡易郵便局の前で、鉄道の駅はというと、だいたい300mぐらい離れてます。ここでも地元の人にとっては、鉄道より代行バスのほうが便利なのではないか・・・と、思ってしまいますが、鉄道駅を見たわけでもなく、乗る人も降りる人もいない状態で、勝手な判断は出来ません。

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しばらく只見線を左に見て走ります。塩沢川に掛かる鉄橋の上では作業員の方が除雪をしています。もう工事車両が走っているのか、それとも維持のため常に除雪が必要なのか、いずれにせよ鉄道ファンにとってはちょっと嬉しくなる光景ですが、自治体のお金を使って復旧すると決めた判断、これで良かったのかと考えてしまうところもあります。

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左の只見線は全長1.7kmの滝トンネルに入り、道路は只見川沿いの塩沢スノーシェッドに入ります。空いている道をスイスイ、その後の道路トンネルだって立派です。

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只見線の下を潜って線路の左を走るようになり大塩に到着。大塩体育館の前がバス停で、ここは鉄道駅のすぐそばにあるのですが、駅舎やホームの姿は見えません。

ここでは時間調整で2分停車します。車内の中高年乗客は、みんな一人旅なので誰一人喋らず、だんだん沈黙が苦痛になってきました。タクシーの感覚で運転手さんに話しかけてみようかな。只見や叶津で、地元の方と談笑されていた様子から、きっと話し好きで、いろいろな情報を教えてくれそう。でも止めておきます。

大塩を出ると、右手に完全に桁が落ちてしまった第七只見川橋梁があるのですが、左側座席からはまったく見えませんでした。続いて道路際に「大塩温泉」と書かれた看板を発見。ここに温泉があるのか。せっかく代行バスなんだから停留所を作ったらいいのになぁ。このまま会津川口まで行っても、次の列車まで2時間以上待ち。途中下車出来たら、次のバスまで約2時間、ゆっくり温泉で過ごせて、会津川口からは同じ列車に乗れるのです。

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会津横田の停留所は、横田タクシーの本社?前。右手に鉄道駅への矢印看板が見えますが、ここも200mぐらい歩かないと着きません。

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会津越川の停留所は、民家が数件。柿が鮮やかに実ってます。

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そして次に停まったのが湯倉入口という、公式時刻表に出ていないバス停。小さな待合室には「湯倉温泉バス待合所」と書かれています。ここで一人のおじさんが、今度の会津川口行きバス時刻を確認した上で下車。こんな停留所あったのか。「湯倉温泉」で検索してみれば、只見川を渡ったところに共同浴場があって、知る人ぞ知る名湯なんて書かれています。私も降りて入りたかったなぁ。もっと予習して来るべきでした。ちなみに代行バスの、JR東日本や各種乗換案内サイトに書かれていないバス停まで載った時刻表は、只見町観光まちづくり協会などのホームページにあります。

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この付近は新しい橋を建設中、もしかしてルートを変更した鉄道の橋?かと思ったのですが、道路の橋です。

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本名ダムの上を渡ります。右手に、これも桁が落ちてしまった第六只見川橋梁があるのですが、左側座席からは見えません。

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こちらは左手のダム上流側の光景。

最後の時刻表に出ている停留所の本名は、初めて国道252号線から外れて細い道に入ったところにある、簡易郵便局の前でした。

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バスは南岸へ渡り、左手に第五只見川橋梁が見えます。会津川口側のガーダー橋が落ちてしまい、現在クレーンで復旧作業中。その後は只見川と線路が左手ギリギリまで迫り、崖っぷちに線路が敷かれているのが見えます。土木工事のことはよく解りませんが、ここが被害にあっていたら復旧は絶望だったかも。最後に川口高校前という公式時刻表に出ていない停留所があります。

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10:15、会津川口に到着。なんと代行バスの車窓からは、一度も鉄道の途中駅が見えませんでした。そして代行バスの方が、鉄道よりも運転本数が多く、停留所の位置も利便性が良く、秘湯へのアクセスにもなって、交通機関として優れていそうだということ。なんだか複雑な気分です。

* * *

外に出れば、天気は雪から雨になっています。ここも只見と同じように足元は雪でベチャベチャ。折り返し只見行代行バスは7,8人乗せて出発。次に乗る列車の出発は、2時間以上後です。お昼もまだ早いので、とりあえず会津若松方面に歩いてみます。

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道路から次の会津若松行列車が見えます。前2両が寒冷地仕様500番代のロングシート改造車で、後ろ1両が暖地仕様2000番代セミクロスシート車の3両編成。ここから見ると台車の違いがよく分かります。早めに乗車しないとボックスシートに座れないかもしれません。

歩道がなくなった先は、川沿いの素晴らしい景色が待っていそうですが、下は雪でベチャベチャですし、車の氷水しぶきも浴びそうですので引き返します。もう人が安心して歩ける道ではありません。

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今度は只見方面へ歩き、野尻川の鉄橋を見て、名物カツカレーミックスラーメンの店が11時前でしたが開いているので入っちゃいます。囲炉裏に火が灯っていて暖かい。続いて若い2組の外国人カップルが入ってきます。中国人?いや、言葉を聞けばタイ人だ、只見線が外国人に大人気というのは本当だったんだな。

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お腹を満たして駅に戻ります。まだ11時を過ぎたばかり。駅はJAと郵便局が両側にあり、この地域の中心になります。駅の売店で缶コーヒーとお土産のワンカップ地酒とくるみを買って660円。ちょっとこの地域の経済に貢献できたかも。くるみは小粒ながら300円でこんなに量買えるの?と喜んでいたものの、あまりに硬くて家のくるみ割り器では全く歯が立ちません。調べてみれば鬼クルミという日本古来の品種らしく、1日水に浸してから乾煎りし、出来た隙間にマイナスドライバーを入れてこじって割って、やっと食べることが出来ました。売店のお姉さんには割り方の説明をしてもらいたかったなぁ。もう少しで家で代々大切にしてきた、くるみ割り器を壊すところでした。

駅には外国人訪問者への「どこから来たの?」のボードがあって、圧倒的に多いのが台湾。そうだよなぁ、台湾の人たちはローカル線に造詣が深いというか、侘び寂びの世界観も共有できそうですので、只見線の人気も頷けます。

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駅ではこんな貼紙も発見。温泉への無料乗合タクシーのサービスがあります。これも良さそうだなぁ。

(乗車は2019年12月)

前の記事:只見線乗車記1(小出~只見)
次の記事:只見線乗車記3(会津川口~会津若松)
関連タグ:JR東日本バスの旅
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只見線乗車記3(会津川口~会津若松)

会津川口12:32→(428D)→14:25会津若松


接続の関係で2時間17分の滞在となる会津川口駅、ここは列車出発前にならないと改札が始まらないのですが、駅員さんに声をかければ構内に入らせてもらえる案内の貼紙があり、お言葉に甘えて入らせてもらいます。

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駅舎のドアを開けて構内に入れば、こんな素晴らしい光景があります。数多くの撮り鉄さんが求めてやまない、冬の只見線キハ40雪景色、私はこれで満足です。

この只見線キハ40系ですが、全通までにはキハE120系に更新されることが発表されています。撮り鉄の皆様方は残念がっているようですが、乗り鉄側から言わせていただきますと、高いロングシート車率が、100%セミクロスシートになるわけだし、運転室仕切り窓も大きくなり、かぶりつきだって楽しめるようになるので、正直歓迎だったりします。

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この角度の方が、キハ40の子犬のような可愛らしさが出るかも。

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島式ホームの向こう側はすぐ只見川でして、こんな山奥で浚渫船が作業をしているのに、ちょっとびっくりします。

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会津若松側から見るホーム。どう撮っても絵になるなぁ。

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只見側を見ます。後1年ちょっとで、9年ぶりに列車が走ります。そして積雪計の高さは3mもある。これだけ撮らせてもらって一旦駅舎に戻ります。

* * *

改札が始まるのは12:15頃、3両中で最後尾の1両のみのセミクロスシート車のボックスシートには、空いていましたので、余裕で座れましたが、観光客の多い日には、走っての席取りするような事が起きそうです。

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誰も乗らない2両目のロングシート車をちょっと覗いてみました。先頭のロングシート車にも誰も乗ってなさそう。これは早くキハE120にした方がよさそうです。2+1列のボックスシートで通学ラッシュにも対応できそうですし。

それでは出発します。ここでは進行方向に対して左右どちらの窓側に座るか迷いました。只見川が長時間見られるのは左側になります。でもやっぱり交換駅で対向線路や列車を見たいので、いつものとおりに右側に座ります。

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会津川口を出て約10分、会津水沼の手前で第四只見川橋梁を渡ります。言わずと知れた只見線有名撮影ポイントみたいですが、乗ってしれっと渡ってしまえば、あんまり感動しません。

そこで、「第四只見川橋梁」で、どんな鉄橋だったのかと画像検索をかければ、いい写真がいくらでも出てきます。こんな所を走っていたのか。ワーレントラス橋とプレートガーダー橋を組み合わせ、全体でS字を描いているらしい。こっちの写真を見たほうが感動するなぁ。

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しばらくの間、上り只見線右側車窓で只見川が見える僅かな区間です。しっかり見ておこう。

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山間部を走っている感じですが、積雪量はほとんどありません。只見に比べると、だいぶ里に下りてきたことなんでしょう。

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10分少し只見川が見れまして、第三只見川橋梁を渡ります。これも「第三只見川橋梁」で画像検索してますと、あぁ、この橋だったか。上路式の連続トラス、写真を撮るなら私はこっちの方が好みです。

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会津川口を出て初めての交換可能駅の会津宮下に到着します。

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いろいろ残っていまして、左写真は蒸気機関車時代の石炭を積み込んだ場所でしょうか。それと現役の除雪車を入れておく車庫もあります。

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第三を渡って約8分、「第二只見川橋梁」になります。これも上路式の連続トラス、第二と違って鉄骨トラスの色が明るい色に塗られているのが、好みが分かれるところでしょうか。私は第三の方が車両が映えて好き。

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第二を渡って約3分、「第一只見川橋梁」です。ここが一番有名なアーチ橋になります。検索で出てくる橋を俯瞰する素晴らしい写真の撮影地は、それなりの装備の登山で辿り着ける、聖なる場所みたいな所だと思っていたのですが、その名も「只見川第一橋梁展望台」と言って、道の駅からちょっと歩けば簡単に辿り着けるらしい。車に乗らない今の私にとっては別の世界だ。何れにせよ乗ってしまっては、その景観の素晴らしさが解らないのが残念です。

これで只見川を渡るのは終わりですが、滝谷手前でも只見川の支流である滝谷川を高い橋梁で渡ります。

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会津柳津に到着。駅前にはC11が保存されています。ここで初めて私の車両に乗ってくる人がいます。この辺から谷が少し開けてきまして、田んぼを久々にみます。

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会津坂本の駅舎は元は貨車。妻面を見なければ、ワム特有の凸凹が無くて、元貨車には見えません。

会津盆地の中に入ったみたいで、只見川は左へ消えて行きます。そのまま川の流れに沿って只見線が建設されていたとしたら、起点は会津若松でなく喜多方の先の山都になったはず。そして路線全長は20kmぐらい短くなっていたでしょう。

今までは無かった古いレンガ積みのトンネルがあります、そして塔寺という周りに何もない枯れきった駅、雰囲気が変わってきたぞ。ここは何年に開通したんだろう?と、帰って調べたら、会津柳津までは1928年だ(参考までに会津宮下までは1941年、会津川口までは1956年)。

左手に会津盆地見下ろして走るようになります。右手は雑木林で、所々で柿が美しく実ってるのが気になります。山間部でも見られたのですが、この柿は食べられないのでしょうか。

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右手も雑木林がなくなり、視界が広がって田んぼの中をスピードして走ります。これも只見線の車窓の一つです。

会津坂下に到着します。対向列車との交換で6分停車するとのこと。ここも確か木造駅舎と高校生の通学風景で、只見線撮影スポットの一つのはずでしたが、ほとんどの席が埋まるほどの高校生の乗車があり、ホームに降りて写真を撮ったりする余裕はありません。2両のロングシート車はここから本領発揮。ここから増結で良さそうですが、今は連結・切離手間のほうが大変なようです。それと恥ずかしながら「あいづばんげ」と読むことを、ここに来て初めて知ります。交換した列車はキハ40の2連で、1両がロングシート車。

急に賑やかになった列車は、今度は南に向かっていて走ります。右手前方に太陽が出て来ました。ここから会津若松までは直線距離で約10kmですが、会津盆地をぐるりと回るので、まだ約21.6km、38分も走ります。米坂線の米坂付近に似ています。

ちなみに会津若松は、時刻表オタクの私が初めて来た時に方角が認識と逆なのにびっくりしたところでして、時刻表の地図だと磐越西線は郡山から会津若松へは上(北)へ向かいますが、実際は磐梯町付近の連続オメガカーブでわけわからなくなった上で、最終的に南(下)に下ります。今日は方向の目安となる磐梯山はじめ、目立つ山が一つも見えません。

左側に会津若松中心部が見えてきました。工場から白い煙がモクモクと上がっているのも見えます。しかしまだ30分も走るのか。会津高田手前でやっと進路を西に向けます。

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会津高田駅、これは貨物ホームがあった跡かな。今は棒線の駅です。

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見覚えある山が見えてきました。会津鉄道からよく見えた山です。

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会津鉄道線に沿って流れる阿賀川を渡ります。水量はとても少ない、ダムあるからでしょうか。でも河川敷は洪水の跡で、草木がなぎ倒されています。

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右手に会津鉄道が迫って来て、西若松に到着します。多数の高校生が降ります。彼らは会津鉄道に乗換えるのでしょうか。次の会津鉄道線は一時間後です。

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2年前にも乗車した区間を二駅走り、14:25に終点会津若松に到着します。ここの最後の車窓は、裏口から家(駅)に入るみたいな感じが楽しい。こんな駅近にスーパー銭湯があったのか。

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2019年12月、会津若松駅構内には、キハ40系がまだたくさんいます。

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こちらは新旧新潟色の磐越西線キハ47、只見線が全通した時にはいないかな?

* * *

さて只見線、間違いなく乗って素晴らしい路線です。2021年度中の完全復旧が待ち遠しいです。ただこれだけ沿線自治体がお金を投入して、今までと同じ人が乗らないローカル線のままでは、ちょっとまずい。なんとか国内外から観光客を呼び込み、お金をたくさん落としてもらえるようにしないと、他に税金の使い道はなかったのかと叩かれてしまいます。そこで私なりに考えた只見線沿線を活性化させる案というかうわ言です(ほとんどの人が同じ意見でしょうが…)。

まずはダイヤ、2011年に不通になる前の時刻表を見ると、よくこんな路線を復旧させたなと思うぐらいに本数少な過ぎでして、せめて2時間に1本ぐらい走らせ、気軽に途中下車して温泉やグルメを楽しめるようにしてほしい。

次に観光列車、山の五能線を目指すなんて記事を読みましたので、おそらく走らんでしょうが、これも2往復走らせる、又は会津川口か只見で列車を分割し、途中下車しやすいようにしたい。そして乗ってしまえは絶景の橋を渡っているところが見えない問題ですが、橋にライブカメラを設置し、観光列車内はWiFiを飛ばし、各座席又はボックスにタブレットを置き、乗客が今こんな橋を渡っているんだと解るようになれば、受けること間違いなし。

他には、大塩温泉と湯倉温泉近くに同名の駅を設置、撮り鉄さんにも喜んでもらえるよう、キハE120には国鉄一般色・国鉄急行色・タラコ色のラッピング車を用意、これでどうでしょう。

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会津若松15:04発の磐越西線郡山行で帰路につきます。この路線は高校1年生の夏、ED77+旧型客車を見に来ました。当時の風情は失われてしまいましたが、今は今でJR化後に誕生した電車になりましたので、客車時代はもちろん、455系でも出来なかったかぶりつきが楽しめます。特に磐梯町付近の連続オメガカーブをグングン登るシーンは圧巻です。写真は上り勾配の途中にある更科信号場を通過するシーンで、フラットですので一気に速度が上がります。ここの積雪量は、只見線県境並に多かったです。

(乗車は2019年12月)

前の記事:只見線乗車記2(只見~会津川口・代行バス)
関連タグ:JR東日本

さよなら喫煙車、さよなら近鉄特急12200系

近鉄名古屋16:30→(特急大阪難波行)→17:21津


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2019年12月下旬、再び1日半の休みを取って乗りつぶしに出かけます。まずは午後の新幹線で名古屋へ、名古屋からは松阪へ移動しますが、ここで、新幹線700系と共に、日本最後の座席で喫煙できる近鉄特急12200系喫煙車の、お名残乗車をしておきます。

私が乗車した時の情報では、近鉄では12200系のみに連結される、座席で喫煙できる喫煙車は、健康増進法改正により2020年3月31日をもって廃止。その後は12200系自体は存続するも、喫煙車だった車両を閉鎖して運行されるということでした。

ところが2019年末に近鉄から新たな発表があり、座席で喫煙できる喫煙車は2020年1月31日で廃止、12200系については2020年度末までに全ての特急運用から外す、に前倒しされています。

この日の午後遅めの名古屋発特急で、喫煙席のある12200系の運用を予約サイトで確認すると、15:50発鳥羽行と、16:30発大阪難波行の2本。松阪まで乗車できる鳥羽行は6両で後ろ4両が12200系なのに対し、津までの乗車となる大阪難波行は4連の12200系を2本繋げた編成で、こっちの方が面白そう。

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カーブでは8つのパンタグラフを高々と上げて疾走する姿が見えるかと、最後尾喫煙車1号車の後ろの方の席を予約してます。乗車した車両はク12352。

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ちなみにこの時は隣にも回送の12200系が停車し、2本並んでました。

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グリーン車でも個室寝台でもない普通の喫煙座席車に入るのは久しぶりです。車内はというと、やっぱり煙たい、そして臭いもある。この臭いが服についてしまうと、嫌われるんだよなぁ。でも今日は一人で夕食を食べて(しかもホルモンを希望)、ビジネスホテルに泊まるだけなので大丈夫。

それでは出発、名古屋から近鉄特急に乗るのも20年ぶりぐらいか。直ぐに地上に出ます。もう暗くて、カーブで8つのパンタグラフを上げて走る姿なんて見えません。しかし久々の近鉄名古屋線、右に左に名古屋ならではの車両が見えて、煙草なんて吸ってる余裕ありません。JR東海の新型ハイブリッド特急車両HC85系もいます。パノラマ車両が継承されてなさそうなのが残念。

ようやく車窓が一段落したので、とりあえず1本火を点けて、座席を少しリクライニングさせようかと、肘掛けの先のレバーとか座席側面のスイッチの類を探してみるのですが、無い、ありません。特急車両でリクライニングしないのなんて、12200系でもまだ存在したのか。前に座っている人も座席をリクライニングさせていません。

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せっかくなので座席の写真を撮っておこう。(帰って知るのですが、一応これは簡易リクライニングシート座席だそうで、左下写真の灰皿下の突起物が、リクライニングのレバーだったみたいです。)

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そして灰皿は肘掛けの先端の引出しタイプ。一緒に付いてるテーブルは、①引き出す、②枕木方向を軸に180度回転、③線路方向を軸に90度回転、で使用できます。こういう複雑な動きをする肘掛けのテーブルは、座席を向かい合わせにする人の多い、私鉄観光特急の特徴でしょうか。今のJRではほとんど見ません。

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乗車時間は49分、そろそろ津かな、最後にもう1本吸っておこう。写真は静かな夜汽車の雰囲気ですが、実際は、スピード速い、揺れる、ジョイント音も激しいと、12200系の熱い走りが展開されておりまして、乗り鉄にとってはアドレナリンが出まくりで、煙草を吸うにふさわしい場面ではありません。

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津に到着、出発を見送ります。さよなら喫煙車、残るはサンライズの個室寝台だけか・・・。後続の急行宇治山田行で松阪へ向かいます。

(乗車は2019年12月)

次の記事:名松線乗車記
関連タグ:近鉄喫煙車

名松線乗車記

松阪7:32→(407C)→8:11家城
家城8:25→(409C)→8:59伊勢奥津
伊勢奥津9:35→(408C)→10:42一志


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今回の旅行では、松坂に一泊し、朝から三重県滋賀県の地味目な4路線の乗りつぶしをします。まずはJR名松線で、松阪7:32始発の家城行に乗車します。松阪駅は構内がやたら広く、伊勢へと通じる昔の幹線ルートの威厳が今も残っています。帰ってから知ったのですが、JR松阪駅は昔ながらの鉄筋コンクリート造の国鉄らしい駅舎。宿泊したホテルの関係で、近鉄側の改札から出入りしたので見損なってしまいました。

乗車する家城行は2両で、すでに高校生が多数乗車。男子は坊主頭率が高いです。進行方向右側のボックスシートに座ります。ちなみに乗車したキハ11 305は、昨年5月に城北線で乗ったやつになります。

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それでは出発、しばらく単線の紀勢本線上を走り(地図だと600mぐらい)、やっと分岐します。右手には近鉄の複線線路。

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しかし横の紀勢本線とはすぐに離れず、長い距離並走します。どうしてこうなったんでしょう。2km近く走り今度こそおもむろに別れました。そして国鉄キハとは違う軽快な走り、縦揺れ、心地よいジョイント音に、今どきのローカル線乗りに来たなと実感します。左に見える山が朝日を浴びてきれいです。実にいい雰囲気でして、名松線という、風格ありすぎの路線名に相応しいシーンです。

上ノ庄、権現前と停車し、そのたびに高校生の数が増えてゆきます。そして近鉄大阪線が見えてくると住宅密集地になります。さすがは近鉄。そして4つ目の一志駅のホームは高校生がどっさり、こんなに乗るのかよ、2つドアですので乗車に時間がかかります。そして通路も人がいっぱいになって、左側の景色は見れなくなりました。左沢線みたいに6両で走らせたらどうかというぐらいです。

ここからの車窓はというと、次の井関駅は元交換可能駅で、対向ホームが笹で埋まって自然に帰りつつある、その次の伊勢大井駅は何もないところにホームがある感じ、一言で表せば枯れ切った光景です。でもこんな車窓でも車内は満員というギャップが面白い。ただ、横の道路は車が切れることなく走っていますので、ここは決して枯れ切った土地ではなく、鉄道という古いインフラが時代に取り残されているだけみたいです。完全に農村風景になって8:11、この列車の終点、家城に到着です。大勢の高校生がいますのでなかなか降りられません。高校はここにあるようで、みんな改札を出てゆきます。

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ここで乗換えです。左が乗車してきた2両の家城止まり、右はこれから乗車する家城始発の伊勢奥津行。

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乗ってきた2両編成は、8分の停車で松阪へ折り返します。本数の少ないローカル線にしては忙しい。

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ポツンと取り残されたキハ11。朝日を浴びて、清々しい光景です。遠くの踏切に、ここまで乗車してきた高校生達が見えます。

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え、駅員さんが持ってるのはタブレット?
正式には通票を運ぶキャリアだそうで、とにかく今も人間の手で閉塞の管理をしている路線になります。そんなのJR東海でまだ残っていたんだ。

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そして車内に入ってびっくり、乗客は私一人です。今までも乗客私一人というのは経験しましたが、鶴見線大川支線のような短い盲腸線の通勤の流れと逆方向の列車だったり、ローカル線の県境を越える一部区間だけでした。30分強走る路線で1列車完全貸切状態になるのは初めてで、いつもなら前が見えるようにロングシートの一番前に座る、または立ってかぶりつきなのですが、なんだか恐縮してしまいましてクロスシートに大人しく座ります。

さぁ、ここからは2009年10月の台風で、約40箇所もの土砂崩れや路盤流出により、2016年春まで運休だった区間になります。駅員さんがホームで緑の旗を振って出発します。安全規則に基づいて行われていることですが、乗客が私一人だと「そんな事までやらなくても大丈夫ですよ」と、言いたくなってしまいます。

この路線にずっと寄り添う雲出川が、鉄橋を渡って左側に来ると、谷が狭くなり、しばらくして勾配がきつくなるのか、エンジンの音が大きく響くまま、スピードがかくんと落ちます。いいぞいいぞ、この感じ。ちょっと残念なのが窓ガラスが汚くて、よく車窓が見えないこと。

次の伊勢竹原駅は、廃屋の周りに太陽光パネルが整然と並ぶシュールな光景が広がります。ここを出ると左手には、とても歴史ありそうな大きな木造家屋の集落があります。そして川のへりを通る時は徐行、おそらく2009年の台風で、被害のあったところではないかと思います。

次の伊勢鎌倉が素敵な駅でして、前後に橋があって、箱庭のような農村の風景の中に、カーブした片面ホームが存在します。おそらく名松線撮影スポットの一つではないかと思います。それにしても「名松線の伊勢の鎌倉」、ちょっと欲張りすぎな駅名です。どうして鎌倉なんでしょう。

突如山間にウォータースライダーのあるプールが現れます。火の谷温泉・美杉リゾートだそうで、ここに駅があったらいいのに。リゾート施設のサイトを見れば、近鉄大阪線の榊原温泉口駅から送迎バスが出ているそうで、わざわざ松阪が起点の名松線に乗ってくる客はいないか。

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もう一つ、いいなぁと思った駅は、終点から二つ手前の伊勢八知駅。貨物ホームが残っています。積み荷は木材だったのでしょうか。だとしたら駅前の広いスペースは、切り出した木材がびっしり置かれていたのではないかと思います。(この写真は帰りの列車の最後尾から撮影)

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カメラを持って最後尾に行って伊勢八知駅を見ます。駅舎は見事な木造建築、高い木もいい味出している。こんな素晴らしい駅ですが、私しか乗っていませんので誰も降りません。もちろん乗る人も無し。勿体ないなぁ。

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伊勢八知駅を出ると進行方向右手に現役の製材所が広がります。

ここから終点伊勢奥津までが、名松線車窓のクライマックスでしょう。勾配がきついようでスピードは上がらず、何回か鉄橋があって、川の右岸左岸を移動します。所々で開業時に出来ただろう古いコンクリート造の落石避けもあります。途中、線路脇に山林作業用と思われる簡易モノレールも目にしました。この路線が第三セクター化されていたら、名松渓谷鉄道、名松森林鉄道、なんて名前になっていたかもしれません。

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8:59、終点の伊勢奥津に到着しました。

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駅舎です。駅の機能を持つスペースは右端のみで、もちろん無人駅です。中央のスペースは、津市役所の出張所と地域の住民センター。

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駅の周辺マップに100m先に旧伊勢街道があるというので行ってみました。これがそうで、こちらが伊勢側。左手の建物はお洒落なカフェ?

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こちらが大和側。狭い道に突如現れたコミュニティバスが坂を登って行きます。左も古い建物で、美術館らしいのですが、朝早いので開いてません。

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駅に戻って、駅舎の並びに観光案内所がありますので入ってみます。誰もいないだろうと思っていたのですが、中は中高年の登山者で一杯です。車で来ているようで、みなさんお弁当を買っています。私はドリップしたコーヒーを一杯買って外で飲みます。

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こちらが観光案内所の裏手にある、伊勢奥津駅のモニュメントのような存在の給水塔。

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給水塔から見た車止めとキハ。

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さあそろそろ時間ですのでホームに戻ります。駅舎に掲示されていた昔の駅の写真だと、今の駅舎は昔は無くて、ここは島式ホームだったみたいです。

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ホーム先端から見た給水塔。

帰りの松阪行も私一人だろうかと心配しましたが、一人のおばあさんが乗車していました。ただ、家城までの中間駅での乗車はゼロで、台風による甚大な被害から、長い年月をかけて復旧したのに勿体ないです。伊勢奥津始発列車や夕方伊勢奥津着の列車には、もっとたくさん乗客が乗っていると信じたいです。

帰りもクロスシートに座りますが、車窓の良さそうなポイントは、最後尾に行って見てみます。

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伊勢奥津を出て最初の落石避けです。コンクリートの表面が長い年月を物語ります。

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落石避けに続く鉄橋。この辺は完全に名松渓谷鉄道。

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橋に挟まれた伊勢鎌倉駅。この辺は美しい日本の農村風景です。

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伊勢鎌倉を出てすぐの鉄橋。いい写真が撮れそうです。

往路で乗り換えた家城では13分停車します。ホームに降りて少しまたキハ11の写真が撮れるぞと思って準備したものの、前方に見える狭いホームには人だかりが出来ています。ゲゲッ!朝の高校生だ。まだ朝の10時ですが、もう授業終わっちゃったのか?どうやら今日は終業式だったみたいです。ドアが開くと全ての座席が埋まり、発車間際には通路までびっしりの混雑になります。2両から1両になったので、朝より混雑が酷いです。あのおっさん朝も見たぞ、と思ってる高校生もいることでしょう。ここで交換した伊勢奥津行きの乗客は3名で、私の乗った始発の3倍です。

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伊勢奥津から1時間7分、家城からは満員のキハ11に揺られて、途中の一志駅で大勢の高校生に続いて降ります。

(乗車は2019年12月)

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関連タグ:JR東海

伊勢中川のデルタ線と駅乗換え

川合高岡10:55→(近鉄普通・伊勢中川行)→11:00伊勢中川
伊勢中川11:03→(近鉄急行・近鉄名古屋行)→11:17津


JR名松線の一志駅を降り、150mぐらい歩くと、近鉄大阪線の川合高岡駅に着きます。ここの乗換えルートは、時刻表マニアやコアな乗り鉄のみが知っていて、西村京太郎さんサスペンスのトリックに採用されても良さそうなぐらいのレベルだと思っていましたが、実際は通学の高校生が列を作って歩いている、生活感あふれる乗換えルートでした。しかも乗換案内サイトで、伊勢奥津から津までで検索すると、ここで乗換えよと出てきて、松坂乗換えより時間も早いし料金も安い。

川合高岡駅をSuicaで入場し、構内踏切が開くのを待っていると、

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うおーっ!12200系来た!!急いでカメラを出して撮影です。昨日乗車しながらまともな写真が撮れなかった12200系を、順光でいただきです。今日はついているなぁ。踏切を渡りホームに上がると、立て続けて赤い伊勢志摩ライナーが通過。近鉄特急凄いなぁ。

10:55発の普通伊勢中川行に1区間だけ乗ってかぶりつきをします。2両編成の各駅停車ですが速い速い、105km/hでかっ飛ばします。名松線との違いに目が醒める感じです。

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そしてこの1区間でアーバンライナーとビスタカーとすれ違い。なんだか濃すぎるぜ、近鉄特急。

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減速して上下線間に渡り線が現れます、伊勢中川のデルタ線の始まりです。

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左に別れるのは名阪特急が通る渡り線。

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真っ直ぐ進むのですが、そういえばここ大阪線〜伊勢中川への一辺は、初めて乗車する区間だ。いつかは特急しまかぜ最前席で、大和八木の連絡線と一緒にと思ってたのですが、まぁいいか。

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左からの名古屋線と交わります。なんだこのゴチャゴチャ感は。さぁ!どっちにどう進む?

乗換案内サイトには、この電車は6番線到着、そして僅か2分の接続で次に乗る急行近鉄名古屋行は4番線出発と出ています。これはひょっとして、この駅名物、停車中の電車を通り抜けての乗換えが出来るかもと、期待しちゃいます。

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あれれ!そっちに行っちゃうのか?

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残念、6番線はこういうホームか。

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これから乗る名古屋行が向こうから来ます。4番線は隣のホーム。

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地下通路の階段を下って上り、4,5番線ホームへ。写真が乗ってきた6番線に停車する2両編成。

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名古屋行急行は転換クロスシートの5200系、窓際に座ります。両側のドアが開いていて、隣に五十鈴川行急行が来て出発です。

晴れた伊勢平野を軽快に走ります。沿線はキャベツ畑が多く、どこも今が収穫作業中でした。津まで乗車します。

(乗車は2019年12月)

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関連タグ:近鉄

紀勢本線(津〜亀山間)乗車記

津11:31→(918C)→11:50亀山
亀山12:14→(241D)→12:39柘植


紀勢本線のJR東海側には、2回乗車したことがあるのですが、名古屋行き特急南紀と、名古屋行き快速みえで、2回とも伊勢鉄道線経由。今回は脇道になってしまった、優等列車の走らない一番最初の区間、津から亀山までの15.5kmを乗りつぶします。

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私にとって初めての乗車となる2両ユニットの新しいキハ25、鉄道ファンからはパンタグラフの無い313系と言われていますが、この日に乗車するのは、おでこが汚れてますので、どう見たって気動車です。車内はロングシートで1両に10人ぐらいの乗車。きれいな車内に入って思う事は、同じ3扉ロングシートのキハ30系や、昭和のキハ25からは、本当に進化したなぁ。そんなに長い年月を自分も生きてしまったのか。

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出発します、隣のホームに快速みえが着ました。このキハ75系も登場してそろそろ30年になるんだよな。

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このシーサースクロッシングが分岐点のようで、右が伊勢鉄道四日市方面、左が紀勢本線亀山方面になります。上を跨ぐのは近鉄名古屋線。

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左に上ってゆく築堤はなんだ?

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ん!?伊勢鉄道は全線複線ではなかったっけ?単線で十分なので線路を剥がしたの?
いや、帰って調べて見れば伊勢鉄道は南側1/3は今も単線ですが、1973年の国鉄伊勢線開業時から、いつでも複線化できるように建設されていたんだそう。なんと46年も放置されているのか、なんだかんだこの路線も奥が深いなぁ。

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46年放置のガーダー橋をくぐると、スッキリと広い空間。快調に飛ばして行きます。

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一身田という面白い名前の駅に到着します。ここで交換するのは、亀山発鳥羽行という長距離ランナー、同じくロングシートのキハ25ですが、この設備ならそんなに苦ではなさそうです。そしてここも何気に風格ある駅だなぁ。DD51の牽引する旧型客車でも停めたら出来過ぎレベルの絵になりそう。

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一身田を出れば北海道みたいな風景だぞ。

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途中で保線車両用の基地みたいのがあります。昔は信号所でもあったのかと、Wikipediaを探ってみますが、そのような情報はありません。

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ここからは森の中に突っ込んで行きます。海岸沿いの津から、鈴鹿川流域の亀山への分水嶺みたいです。

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こういうS字カーブが連続します。いいなぁ。昔はここを14系のブルートレイン紀伊がDD51に牽引されて走ったんだ。1983年12月の時刻表を引っ張り出してみると、この区間を未明に走った下り列車の時刻は、亀山発が3:27で津着が3:43だ。もしも私が乗車出来ていたら、こんな時間ですが、2度目の進行方向を変えた後ですので、起きていたかも。参考までに下り紀伊は、東京発21:00で紀伊勝浦着7:22。

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ここは駅間距離が長く、やっと駅が見えてきました。

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長くカーブした2面2線の下庄駅、ここも一身田に負けず、DD51+旧型客車が似合う駅です。

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ここでヘルメットを被った保線作業の方が乗り込み、後ろでかぶりつきされると気になるかと、後ろの座席に座ります。最後の一区間も、高い築堤を走ったり、レンガ造りのトンネルを抜けたり、気持ちいい車窓です。

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そろそろ亀山、最後だけ前に立ちます。鈴鹿川を渡ります。最初のポイントはどっちだ。左に行っちゃうか。

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ここには30度ぐらいのクロッシングレールがありまして、そこを通過するのを楽しみにしていたのですが残念です。(かぶりつき写真だとこれ、おそらく営業車両は走らないんだろうなぁ)

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架線のない5番線に到着します。これでもここが偉大なる紀勢本線の起点になります。

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折返しは普通鳥羽行きになります。キハ25のくせに、行先表示器がフルカラーLEDなんて時代は変わりました。

ところでどうして紀勢本線は亀山が起点なんだろう。四日市を起点にすれば良かったのに。歴史を調べてみれば、亀山~津は、1891年、今の草津線を起源とする関西鉄道による開業だったからだ。なるほど。

その2年後に参宮鉄道が津を起点とし多気を経由して宮川まで開業、1907年に国有化され、多気から紀勢南線というのが伸び始めるのは1923年になってから、そして1959年に紀勢本線が全通した際に、亀山から和歌山市までを紀勢本線にしてしまっています。

もしも1973年に伊勢線が開業した時に、1959年にやったような路線名の変更があり、河原田から和歌山市が紀勢本線となっていたら、亀山~津は、今でこそ新しいディーゼルカーが1時間に1本走る路線ですが、廃線になっていたかもしれません。

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前回関西本線乗りつぶしの時には時間がなくて全然見れなかった亀山駅は風格があります。

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駅前の食堂で味噌焼きうどんを急いで食べて、久々のキハ120で柘植まで行きます。車内は混んでいて、峠越え区間もロングシートで大人しくしてます。

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柘植に到着。2016年1月の関西本線乗りつぶしの時に撮れなかった、ここのキハ120の形式写真がコレクションに加わります。

(乗車は2019年12月)

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関連タグ:JR東海JR西日本
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Author:QJ7000
おじさん鉄道ファンの日本の鉄道の乗車記録です。2012年、ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになり、乗りつぶしをスタート。その時の未乗区間は7,818.4kmでしたが、12年目にしてあと1,002.5kmになりました。すべて乗りつぶすには、今の生活パターンだと、まだ7,8年ぐらいはかかりそうですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事をご覧になりたい方は下のカテゴリーの「年別目次」からどうぞ。

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