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予讃線(松山~伊予長浜経由~八幡浜)キハ185系3100番台乗車記

四国鉄道旅行の3日目も早起きして6時前に松山駅へ、これから予讃線の未乗車区間の向井原~伊予大津の内子線経由でない海側伊予長浜経由の路線の乗り潰しをします。当初の予定ではもっと遅い出発だったのでしたが、早めた理由はこの車両。

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松山6:04発の伊予長浜経由宇和島行きは、特急キハ185系の普通列車格下げバージョンのキハ185系3100番台で運転されるのです。現在この車両は、松山より西で運転され、本数は2往復4本のみ。うち1本が伊予長浜経由でして、それがこの列車に当たります。1ヶ月前の鉄道旅行で羽越本線の普通列車はすべてキハ40系だと思っていたのに違ったという反省で、30年ぶりにジェー・アール・アールの本(今回は普通列車編成両数表)を購入して確認したのですが、四国のページは僅か数ページながら、実に美味しい情報が他にも詰まっています。

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キハ185系、7000系、8000系と四国でしか見られない車両の中、ここでもまたEF65PFがいて番号は2081。東京にいる時より遭遇している気がします。

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それでは乗車、この日は前がキハ185-3103、後がキハ185-3105。ちょっと前まではキハ185-3000番台というトイレ付車両もあったようなのですが、今はすべてトイレなしの3100番台。特急時代と見た目はほとんど変わりませんが、この辺が完全に普通列車用車両です。座席はボックス状にセットされた状態で、今も回転はできるのですが、リクライニングは出来ないようになっています。出発間際になって中学校の鉄道研究会?風の団体が20名ほど乗車し、ほとんどの席が塞がります。青春18きっぷと思われる鉄道ファンの旅行者も多い。それでは出発。

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観光列車の伊予灘ものがたりだ。今日は運休日、昨日は運転されてましたが満席でした。

郊外を走って伊予市駅、郡中港駅に止まっているのは元井の頭線の3両編成、考えてみれば2~4両編成が15分間隔で走る伊予鉄道は、JRの何倍もの輸送力があるのかもしれません。

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高架に上がってそろそろ分岐の向井原駅。朝日が長い影を作り、とても清清しい光景です。今日もいい天気になりそうです。

実際にそうで、今回の4日間の旅行は毎日晴天で、毎日きれいな夕陽を見ることが出来ました。しかしこの時現在、日本列島は大変な事になってまして、ニュースでは台風9号が午前中に関東に上陸予定、11号が温帯低気圧になるも北海道釧路に上陸、10号は今も四国の南海上に停滞中と台風だらけ。本日の羽田空港発飛行機は175便が欠航とのこと。そして台風9号は、この日の午後に原宿駅の大木を倒して山手線を運休させ、西武多摩湖線を土砂崩れで脱線させます。更に数日後にようやく動き始めた10号は十勝地方に大雨を降らし、根室本線に壊滅的な被害を及ぼし、今も一部区間は運休のまま、このままバス転換となりそうな状況にまで追い込んでしまうのです。

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山回りの新線、海回りの旧線の分岐します向井原は1面1線の駅。ここからは少しかぶりつき。ホームを出るとすぐに分岐し、

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あっという間に高架を降りてローカルな路線になります。

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時折草木にバチバチ当たりながら長いこと山間部を走り、下り坂になると海が見えてきます。

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分岐して2つ目の伊予上灘では交換のため8分の停車。トイレもありますよとの案内も放送されます。多くの鉄道ファンが降りてキハ185系3100番台の撮影会。

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やって来た上り列車は、キハ54+キハ32+キハ54のオールロングシートの3両編成。まだ車内はガラガラですが、松山に着く頃には満員になるのでしょうか。この時間は、ちょうど私が朝の通勤電車に乗る時間でもあります(私の方は全然座れませんが)。再び出発、この辺りはずっと海がきれい。

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青春18きっぷのポスターで有名な下灘駅に到着です。山側にあるホームをよく見なかったので、駅でない海の見えるポイントで停車したみたい。周りに何もない駅のようですが、数名の乗客が下車しました。ここは乗り鉄、撮り鉄、要は鉄道ファンにとって有名な駅という認識でしたが、後日、NHKの番組「ドキュメント72時間」でこの駅を取り上げた回を見て、これ程まで一般観光客が押し寄せる駅になっていたと知ってビックリします。海外から一人旅の女性も訪れるんです。

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下灘を出ますと古い家並みの続く港町、散策したらいいところなんだろうなぁ。それが途切れた場所に駅が現れた感じです。乗車から月日が経って、あんまり覚えてないのですが、海岸線に沿ってユラユラと細かいカーブの続く、素晴らしい景色の路線、突如現れる大きな工場みたいのは柑橘選別工場とメモに残っています。

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伊予長浜駅に到着です。予讃線の旧線と表現してよいこの路線を代表する駅で、この駅の利用客のために旧線が存続しているみたいな認識でしたが、こんなにローカルな駅だったとはビックリ。無人駅だったというのも後から知ります。しかしキャリーバックや大きなリュックの明らかに旅行者と思われます数人が下車。みんな若くて女性も多い。どんな観光地があるのでしょう。交換しますキハ54は単行。

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伊予長浜を出ますと直角にカーブし、海を背に川を遡ります。山々の手が届きそうな場所に雲が低く浮かび不思議な光景、ハワイの朝の山側の光景みたいだなぁ。土砂崩れで徐行区間があり、各駅で高校生がどんどん乗車してきます。こんな素晴らしい車両で通学なんて羨ましい。みなさん静かに勉強中で、学力も高いのではないでしょうか。八多喜駅前にはコイン精米機なるものがあって、誰がどんな時に使うのか想像できなかったのですが、調べてみればなるほど、地方の人は玄米の状態で保存し、食べる前に精米する事で美味しいご飯を食べているようです。知らなかった、お米は精米したのを買うだけだと思ってました。

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五郎駅の花で飾られた「愛ある伊予灘線」の看板、ほのぼのしていていいなぁ。タヌキが出てくるみたいです。この「愛ある...」がJR四国の付けたこの路線の正式?の愛称だったと私が知るのは帰ってから。正式となると話は別で、切符売場で「宇和島まで大人1枚、愛ある伊予灘線経由で」なんてやり取りするのはちょっと恥ずかしくないか。「私の好きな路線は愛ある伊予灘線です」と発言出来ちゃうライターも多くはないはず。どうしてこんな事になってしまったのでしょう。こんな重たい言葉...なんて気にする私の方がおかしいのか。五郎から分岐してました内子線跡に、予讃線の新線と繋がるところも見落としてしまい伊予大洲に到着します。8分の停車とのことで跨線橋に上ります。

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左は私の乗車する宇和島行き、右は交換する内子線経由の松山行きですが、これもキハ185系3100番台で来ました。

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2編成並ぶ美味しい写真が撮れてニンマリ。松山行きも高校生の通学列車ですが、伊予長浜方面からの乗り換えも多く混んでいます。

伊予大洲を出発しますと川を渡り山の中へ入って行きます。雰囲気は中国地方のローカル線みたい、勾配はきついようでスピードは出ません。

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長いトンネルを出ますと、天気は曇り空から快晴になり景色も変わります。周りは柑橘類?を栽培する段々畑が続く明るい光景ですが、よく見れば人の住んでない団地があったり、荒れた畑があったり、地方の現実が見えてきます。そして建設中の巨大なコンクリートの柱。ここにもどでかい道路が出来るようです。

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8:10、八幡浜に到着です。ここでまた22分停車します。JR四国のコーポレートカラーを纏った4種類の車両が並び、鉄道模型のコレクションを並べているみたい。このカラーはJR各社の中で一番映える色だよな。

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交換する特急宇和海6号の松山側先頭車は2000系試作車の「TSE」だ。量産型の貫通型は顔が崩れタヌキみたいだし、側面ドアも東急青ガエルみたいで安っぽくなってしまうので、この先頭2101は2000系の中で断トツ一番格好いいと思う人は私だけでなくたくさんいるはず。

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宇和島側の2両は量産型の2000系。私は松山からここ八幡浜まで2時間6分かけて来たのですが、新線経由のこの特急だと50分で松山に着いてしまいます。

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この日のスケジュールには余裕があり、このままキハ185普通列車に乗って行ってもいいのですが、特急宇和海にも乗ってみたいのでここで下車。

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改札を出て、10数分後に出発するキハ185を、どこか撮影出来るところはないか歩いてみます。この踏切は無理そう。

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小さな川のコンクリート橋で、この車両も充分満喫できました。

(乗車は2016年8月)

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関連タグ:JR四国
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予讃線(八幡浜~宇和島)と宇和島で見られる車両

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八幡浜駅の側線で休むキハ32 5。今回の旅行では、この車両にも乗車するスケジュールを組むべきだったなぁと、ちょっと後悔。

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国鉄時代に製造された車両なのでもう30年、耐用年数の短い軽快気動車と見れば、とても長い活躍の車両になります。そして台車を見て気付いたのですが、これは昔のキハ20系とかの再利用品。まだ現役なのが信じられないぐらい古いものなのです。どんな乗り心地なんだろう。私は一度も乗車したことがないのです。

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乗車します八幡浜8:59発の宇和海5号が入線です。松山から一緒だった中学校鉄道研究会風団体様も、八幡浜で降りていてこの列車に乗車します。宇和島まで31分、私は振り子特急の走りを楽しもうと運転席後ろのデッキにかぶりつきです。

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エンジン音も豪快に山の中をビュンビュン飛ばして行きます。期待していた通りの走りっぷりで嬉しくなってきます。

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伊予石城では上り宇和海を待たせて通過。

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卯之町では八幡浜まで乗車したキハ185系3100番台の普通列車を追い越します。ずいぶん前に八幡浜を出たはずですが、まだこんなところにいたんだ。松山から乗り続けているだろう旅行者もホームに降りて思い思いに過ごしているよう。

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下宇和ではキハ54単行列車が退避、松山まで2時間半かけて走る実は凄い列車になります。八幡浜を出てからの前面展望風景は、最果て感があってなんとなく宗谷本線や根室本線でも走っているみたい。

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下宇和を出てからの段々畑を見下ろしその向こうに広がる宇和海の光景。こんな高い位置から海を見下ろせるダイナミックな車窓は、日本で他にありましたっけ?、私の選ぶ日本の車窓ベスト10とかやるとしたら、ここは絶対に入れておこう。前にこの路線に乗車した時は、上り特急の進行方向右側座席だったので全く気付かなかったようです(もしくはすっかり忘れたか)。

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どのぐらい海を見下ろす光景が見られたかは忘れてしまいましたが、写真は伊予吉田を出た当たり。標高はぐっと下がります。海が見えるのはこれで最後。

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予土線と交わるシーサスクロッシングを真っ直ぐ進んで北宇和島を通過。

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宇和島運転区が見えてきます。トロッコ列車がいて、ターンテーブルもある。小振りで鉄道模型で再現したくなる佇まい。

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9:30に宇和島に到着。いいなぁ、こういう終着駅らしい終着駅って。

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こんな末端部にも3両編成の速いディーゼル特急が1時間に1本走っているのが凄いところ。人口が減る中でも道路はますます便利に整備され続けますので、JR四国はきついだろうな。

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この日乗車した宇和海5号はアンパンマン列車。松山側からカレーパンマン、おむすびまん、ロールパンナと脇役編成になります。

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宇和海5号に接続する予土線列車は海洋堂ホビートレイン。これも旬な車両です。そういえば前回この駅に来た時は、予土線から予讃線特急の乗り継ぎ時間が1分とかしかなく、どんな駅だかほとんど知らずに発ってしまいました。

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今回は時間がありますので改札を出て、駅を見下ろす歩道橋に上がって撮影してみます。

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まずは予土線海洋堂ホビートレインが9:39に出発。

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9:45、松山から八幡浜までお世話になったキハ185系3100番台の普通列車が到着。松山から3時間41分もの旅、お疲れ様でした。通して乗車された鉄道ファンもいたのでしょうか、こちらもお疲れ様でした。

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9:49、アンパンマン列車は宇和海10号として出発。列車は頻繁に発着がありましてとても楽しい。

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9:52に10:17発の八幡浜行きとなるキハ54単行普通列車が入線。

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9:56にキハ185系3100番台が入庫。この車両は今日の仕事はこれで終わり、明日朝一番の普通列車で松山に戻ります。本日伊予大洲ですれ違った列車です。

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10:01に来ました、「元祖」と冠を付けたくなります予土線のトロッコ列車。今も2軸貨車改造のトロッコ列車はもしかしたら珍しい?
実は約20年前に予土線に乗車した時はトロッコ連結列車に当たり、トロッコの座席に空きがあるので車内で指定券買えば乗れますよとの案内もあったのですが、全線キハ54で乗り通してしまっています。

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駅に戻ってきました。キハ54とキハ32、四国に来なければ見られない車両ばかりですが、実は国鉄車両天国なんです。中学校鉄道研究会風団体様はトロッコ列車に乗車、長い時間2軸貨車の乗り心地を味わえるなんて、ちょっと羨ましかったりします。

(乗車は2016年8月)

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宇和島バス(宇和島~宿毛)乗車記

宇和島から次の乗り潰し路線の土佐くろしお鉄道宿毛線宿毛駅へは、宇和島バス(正式社名は宇和島自動車株式会社)で抜けてしまおうと思います。このバス路線、愛媛県愛南町の中心部、城辺までは1時間に1本ぐらいあるのですが、県境を越えて宿毛まで行くバスは本数が少なく1時間以上待たなくてはなりません。せっかく四国の西端まで来たのですから、まずは城辺行きに乗って、途中宇和海の見えるドライブインでも見つけて途中下車して昼食をとり、それから次のバスで宿毛に向かおうと思います。

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宇和島10:35発の城辺行きバスが来ました。クルリとバスが反転しますと...

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ゲゲッ!長距離バスなのに、前と中央に扉のある普通の路線バスなんだ。それにしても乗車するバスの写真を撮るというのは難しい。

車体中央よりちょっと後ろの海側座席に座って出発です。宇和島の町というのは、1時間に1本特急が発着するだけありまして、けっこう大きい。こんなことは鉄道に乗っただけでは解りませんでした。印象に残ったのは、まずは宇和島城。とてもかわいいお城で、登ったら宇和島駅の俯瞰撮影でも出来るのでしょうか。そして病院、メインストリートを外れて変な道走ると思ったら大きな病院に到着します。この病院前が大バスターミナルになっていて、たくさんのお年寄りがバスを待っているのです。その後も宇和島市内はなかなか抜け出せず、長距離バスなのにもう降りる人もあり、乗る人もあり。この辺で私は眠ってしまいます。

起きたら高速でビュンビュン走っています。隣に高速道路の無料区間というのがあるのも凄い。津島の街に入ります。左側を流れる川がきれい。ロードサイド型の飲食店もたくさんあって(タイ古式マッサージ店なんかもある)ここで降りてもいいかとも思いますがもう少し我慢。そしてここも病院は大きい。

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山を越え、嵐というバス停からは海の見下ろせる絶景区間。道路沿いには美味しい魚が食べられそうな飲食店もいくつか見られます。しかし乗客数名のバスは、どのバス停も通過してしまいますので、飲食店を確認して途中下車なんて無理。適当に「降ります」ボタンを押して、周りに何も無い所で降りざるを得ない状態になっても困りものですので、この辺で降りるのは諦め景色を楽しむことにします。鉄道とバスでは勝手が全然違うのを改めて実感です。白いブイが浮かんでいるのは何の養殖をしているんでしょう。

柿の浦を通過しますとトンネルに入ります。ファンタジー映画の宝の場所を示す地図に書かれているような奇妙な形の由良半島の、付け根部分を越えるトンネルです。ここでピンポン音!次停車しますランプが一斉に光ります。次は「鳥越トンネル」というバス停で、由良半島の先まで行くバスの乗り換え停留所なのです。ドライブインとかありそうです。私も一緒に降りる準備をします。

しかし着いてみれば道路が分岐しているだけの全く何も無いところ。ここでは5名ほどの乗客が降り、残ったのは私一人になってしまいます。降りた人たちは、この何も無い所でどのぐらい待てば由良半島の先まで行くバスに乗れるのだろうと帰って調べてみれば、15分でバスは来る。

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私しか乗っていないバスは、私が降りますボタンを押すか、乗る乗客がいない限りノンストップという状況で、どんどん進んで行きます。どこで降りるか決めなくてはなりません。このまま終点の城辺営業所まで行ってしまうと、内陸部の町外れみたいな所で昼食をとれる食堂を探さなくてはならないかもしれないのです。せっかくのきれいな景色ですがタブレットでグーグルマップを開いてどこで降りるか検討です。

11時45分、長崎というバス停で降ります。宿毛方面に向かって歩くと、沿道の店先で立話をしていたおじさんが、「よく来たねぇ」とびっきりの笑顔で挨拶してくれます。後で知るのですが、この近くにも四国八十八箇所の第40番札所平城山観自在寺というのがあるのです。

うどん屋さんがありましたが飛ばしてそのまま進むと、ボウリング場併設の歴史ありそうなレジャーホテルがあります。中に観光案内所みたいのがあるので覗いてみると、大食堂が営業していましたので、海は見えませんがここで昼食にします。お刺身と天ぷらのそれなりの値段の定食は、とにかく天ぷらが揚げたてでサックサク。こんな美味しい天ぷらは久しぶりで得した気分です。テーブル上には昔ながらの大きな灰皿が置かれ、いつもなら食後の優雅な一服となるのですが、今回の旅行中は煙草を持たないことにしたのですぐに外に出ます。

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長崎バス停近くの漁港を散策。運気が上がるんじゃないかと感じる海風をしばらく浴びた後、長崎12:45発の宿毛行きバスに乗ります。今度も前と中央に扉のある普通の路線バスですが、乗客は数名いてゼロではない。途中バス停で八十八箇所巡りの親子が乗車。背の高い父さんは40代前半、息子は小学生高学年ぐらい。白衣に笠と格好もバッチリ決まっている。息子にとってはこういう時期に格好いい父さんと、こんな旅ができるなんて、一生忘れない経験になるんだろうなぁ。

城辺の街を進み、町外れにあるバスターミナルの城辺営業所では運転手の交換。後はほとんど山越え区間(だったと思う)で、視界が開けると高知県宿毛の街で、13:25に宿毛駅に到着です。親子お遍路さん含めほとんどの乗客がここで下車ですが、私は次に乗車する列車まで1時間20分以上もあるので、このまま宿毛の中心部まで乗り続けることにします。13:30、宿毛市役所前で下車。

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そこから数分歩くと、宿毛駅の一つ中村寄りの東宿毛駅がありまして、ここから鉄道で宿毛までまた戻り、終着駅に到着するというのを味わおうと思います。

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ここ宿毛の街で目にした面白いというか不思議な光景がこれ。道路に水路があるのですが、水路には仕切りがあり2本別々の水の流れがあるのです。流れる方向は同じだったと思うのですが、何のために何の理由で2本の水路があるのでしょう。私には答えが全く浮かびません。

(乗車は2016年8月)

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関連タグ:バスの旅

土佐くろしお鉄道宿毛線乗車記

次の乗り潰し路線は、国鉄時代に工事が凍結されるも第3セクター方式でめでたく開業できた土佐くろしお鉄道の宿毛線。宿毛での長い待ち時間を活用して、中間駅の東宿毛から終点宿毛へ向けて1駅乗車し、終着駅に到着するというのをちょっと味わい、それから改めて起点の中村へ行って乗り潰しを完了させようと思います。

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さて、この東宿毛駅、私にとって気になるのが、宿毛の町の中心部にありながら、どうして普通列車しか停まらない駅なのでしょう。私は宿毛市役所前というバス停から数分歩いてここまで来たのですが、この鉄道に出資している宿毛市の職員は鉄道に乗らないのでしょうか、高知県庁に打合せに行く時も車なのでしょうか。自治体の内情はよく解りませんが、東京都が大江戸線の中心ターミナルを都庁の真下に設けたり、千葉県が他に交通機関が沢山あるにも関わらず県庁までモノレールを強引に引っ張ってくるのをちょっと見習い、市役所近くの駅に特急ぐらいに停めてもいいんじゃないかと思うのですが、実際のところはどうなんでしょう。ちなみに宿毛線に乗り入れる特急は、1997年の開業時は6往復だったのが、現在1.5往復にまで減ってしまっています。

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乗車します東宿毛13:57発の下り列車が元気よくトンネルから出てきます。

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1両のワンマンカーですので後ろから乗車。宇和島駅で見送った海洋堂ホビートレインに乗車すれば、宿毛線起点の中村からこの列車に乗れたのですが、どっちが良かったんだろう。

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新しい路線ですので高架線を3分走り、

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行止り構造の終点宿毛に到着、東宿毛からの乗車で、終着駅に到着するのを味わうという目的は一応達成。

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この顔の軽快気動車も全国的に見れば数を減らしているはず。赤黄カラーの、今までの鉄道車両の既成概念にとらわれないブッ飛んだ塗装っぷりは、もう見事であります。

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駅の外へ、明るく軽快なデザインの駅ですが、手前の方の建て替えられた箇所は、強烈な印象を残した10年前の事故の痕跡。中は地元で採れた農産品などを販売する一角もあります。

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改札が開きホームに上がると、次の14:34発の中村行き普通列車は赤黄ぶっ飛び塗装の方。

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土佐くろしお鉄道の普通車といえば、車体中央部が大窓になっていて、そこは転換クロスシートというのが特徴ですが、この車両はオールロングシート。一番前の席に座ります。乗客はどんどん増えてほとんどの座席が埋まり、立つ客もちらほら。愛南からのバスで一緒になったお遍路さん親子もいます。混んできましたのでカメラは控えることにします。

それでは出発。高架区間を一走りで先程の東宿毛駅。ここではキャップを被ったおじいさんが一人乗車。トンネルに入ります。長い長い、ひたすらトンネル。出たところが平田駅で、ここでお遍路さん親子は下車。息子の顔には少し疲れも感じられましたが、二人の後ろ姿はとても格好いい。「頑張れ!息子」と声をかけたくなります。次はちょっと走って工業団地という駅に到着。駅名の通り、工業団地の中にあります。ほとんどの窓が空いている工場はどんな会社なんだろう。ここも自治体が造成して企業を誘致して出来たものと思われますが、特急を停車させて利便性をアップさせようという考え・・・は無いというか、車が当たり前なんだろうなぁ。またトンネルで次の有岡は宿毛線中間駅で唯一の交換駅。その後は、眠ってはいないのですがあまりよく覚えていません。最後に四万十川を渡って中村の街に入ります。内陸部の鉄道路線は一般的に河川に沿って建設されますが、ここ四万十川に関しては全く当てはまらず、中村線予土線との位置関係は地図を見て、なるほどこうなっているんだといつも感じるところ。

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30分の乗車、15:04に終点の中村に到着です。

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6分の接続で15:10発の特急南風24号に乗り換え、ここから先の中村線は約20年前の鉄道旅行で乗車済みでして、どうして末端部の宿毛線に乗っていないかというと、その時は宿毛線は開業していなかったから。

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中村を出てすぐ四万十川の支流を渡ります。この場所には20年前に中村での長い待ち時間あまりに暇なので来たことがあります。トラス橋なのでいい写真は撮れません。しかも撮ったのは単行普通列車1本のみ。

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土佐白浜から土佐佐賀にかけての海岸沿いの景色といい、ループ線付近の深い森の景色といい、中村線の景色は予讃線西端部に負けないぐらい海山川3点揃って本当にダイナミック。

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私の持つフリー切符は高知までですが、16:46、途中の伊野で下車。列車を見送ります。今回と前回の旅行ではJR四国の2000系特急に3回乗りましたが、3回ともアンパンマン特急に当たりました。

(乗車は2016年8月)

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とさでん交通 伊野線乗車記

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アンパンマン特急を伊野で降り、次の乗り潰しはとさでん交通の伊野線。改札を出ると、ちょうど吊り掛け音を響かせてはりまや橋方面に電車が発車したところ。

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しかし間に合ったとして、こちらのJR駅前にある伊野駅前停留所から乗るわけにはいかず。

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伊野駅前停留所から100か200メートルぐらい西に歩いたところにあります終点の伊野停留所から乗車しないと、乗り潰しにはなりません。写真の伊野停留所は、2線あるのですが、今は1線しか使用していないみたい。そして昔の車庫へ通じた線路も撤去されずに残っています。

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これが車庫へ通じた線路。併用軌道で勾配があるのでスイス登山鉄道みたいな雰囲気で、追跡してみると何だかとてもワクワクします。そんな線路は駐車場(ここが車庫跡?)でプッツリ切れます。

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停留所に戻り、こちらは車止付近の写真。車止と最後の架線柱の間を通って入る店舗が、ピンクの外装にチカチカネオンでして、昭和の時代の如何わしいお店みたいで素敵であります。(念のため、今は普通のスナックのようです。)

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とさでん名物の「いの」のサボを下げた電車がゴロゴロやって来ました。とさでんらしい2枚窓の旧塗装の旧型車です。

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伊野停留所17:09発の文珠通行き電車、ここで乗る乗客は私の他は女性一人のみ。早速1日乗車券を購入してかぶりつき席に座っちゃいます。このかぶりつき席、座席が運転室に若干食い込んでる感じで、機器に手が届いちゃいそう。そして2枚窓なので前面展望はとても良い。運転席に置かれる輪っかみたいなのは、もちろんタブレット。それでは出発。

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伊野駅前停留所を過ぎますと線路部分の舗装がなくなり一応専用軌道になります。右の道路と左の生活道路を結ぶ車が通れる道も沢山あるので、見かけ上は4分の1が併用軌道みたいです。

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住宅が途切れたところで中山信号所、交換する628の運転手さんは若い女性で、笑顔でタブレットを交換。

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宇治団地前を過ぎると両側から山が迫ってきて、これはちょっとした峠越え区間。吊り掛け音が豪快に響き、こりゃ最高です。路面電車でこういう区間は珍しいのでは。坂を上りきった所が土佐市と高知市の市境で、ここだけ駅間距離が0.9kmと伊野線の中ではずば抜けて長い。頭上にそびえるのは高速道路。

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峠越え区間は立体交差もしやすいようで、次は土讃線が伊野線をオーバークロス。

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県道386号線の北側をずっと走っていましたが、朝倉駅前停留所の手前で県道を斜めに横切り、脇道に入って行きます。

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ここからがまたいい雰囲気でして、旧街道っぽい生活感ある細い道を進みます。写真は朝倉停留所で伊野行き602と交換します。ここ朝倉は朝夕は折返し電車の設定のある停留所で(安全地帯が線路の間にもある)、今までは22分に1本の運転でしたが、ここからは22分に2本運転になります。

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神輿とか山車とか似合いそうなこの道は直線で1kmぐらい続き、小まめに停留所に停車して行きます。

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スナックともこ前信号所(本当は市場前信号所)で朝倉行きのサボを下げた631と交換。

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旧街道っぽい併用軌道が終わると広い道に飛び出ます。伊野からの県道386号線はここでは国道33号線に吸収されていて、交通量も3倍増えている。鏡川を渡る橋は独立していて、ここだけ専用軌道です。

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鏡川橋停留所に着きます。ここからは複線、ラッシュ時は22分に5本の電車の走る過密区間になります。627アンパンマンラッピング車と交換。この電車には文珠通から乗車することになります。

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石畳の上を走ります。けっこう揺れます。よく線路を見れば、線路両側の舗装がボロボロに欠けている箇所もあったりして、かなり傷んでいます。乗客はいつの間に増え、立ち客も一杯、観光客も乗っています。せっかくのかぶりつき席、どんどんやってくる対向電車の写真を撮っておきます。

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右は新車101号、これにも後で乗車することになります。後で知るのですが、この手の新型車はとさでん交通には、まだこの1両しかない。中は618。右は611で後ろにも1両いるのですが、続行運転ではないみたい(Wikipediaによると、続行運転の場合、電車正面に黄色い円盤サボが付くらしい)。右側3両はとさでん交通になってからの新塗装、けっこう増えています。

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左から622、626、609ほんわかアンパンマン。左2両の土佐電気鉄道時代からの塗装もまだまだ健在です。

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左から、616サイバラ電車?、新塗装614。こうして写真を並べてみると、伊野線を走るのは600形ばっかりなんだな。

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周りに商業ビルが立ち並ぶ都会の景色になりまして、17:56、はりまや橋に到着です。東西線と南北線の平面交差にそれぞれをつなぐ4辺の渡り線は今も昔もとさでん、高知の市電を象徴する風景。この渡り線の運転形態というのも実に興味深く、複線になっているのは高知駅前方面~伊野方面のみで、他3線は単線なので右折出来ません。どう右折するかというと、直進→方向転換→左折、または左折→方向転換→直進と同じ系統でも2パターンあるとの事。この辺に興味ある方はrailway様のブログ、はりまや橋ダイヤモンドクロッシングの記事(2013年秋①2013年秋②2014年冬)をご覧あれ。

今回私はこの電車でこのまま後免線に進みます。

(乗車は2016年8月)

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とさでん交通 後免線・桟橋線乗車記

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伊野から乗車してます電車がはりまや橋の平面交差を通過します。ここからは後免線の乗り潰しです。すれ違うのは日野自動車615。桟橋方面には伊野線では見なかった正面3枚窓の電車がいました。

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後免線に入っても引き続き対向電車の撮影してます。左から旧塗装624、旧塗装601、ANAの623。

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左からコカ・コーラ625、新塗装630。

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知寄町三丁目を出ますと国分川を渡ります。伊野線がそうだったように橋を渡る時は専用軌道で、渡った先からは道路が狭くなります。

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右が四国電力グループの604、左が621。

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伊野から乗車すること1時間2分、18:11にこの電車の終点文珠通に到着します。こんなに長い時間路面電車に乗車し続けたのは、初めてかもしれません。

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左奥に一旦後免方に引き上げる私の乗車した608。右の617は鏡川橋行き。この600形は1960年前後に製造された今もとさでんの主力車両でして、私の最も好きな路面電車車両の一つ。正面2枚窓、大きな側面窓、各所に曲線を多用し、一見優雅に見えますが、彫りの深い顔立ちは社会主義国の機関車のようで厳つい感じもあり、正面両側に付いた大型のバックミラーは、おじいさんの長く伸びた白い眉毛みたいで茶目っ気もあり、人によってそれぞれ違った感じ方となるデザインの車両ではないかと思います。ちなみに私は厳つい電車に見えます。

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朝倉行きとなって折り返す608。この608の2枚窓にデフロスターを外側に付けたみたいなのは何なんだろう。格好よくていいではありませんか。この608以外では見ませんでした。

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「ごめん」サボを下げて後免町行きアンパンマン627が来ました。ちなみにアンパンマンは「ごめん」なんて言葉は使いません、確か「ごめんネ」と、優しい言葉を選んでいたはず。

前の方の座席に座ります。今度の電車627は気持ち吊り掛け音が大きいような気がします。そして今度の運転手さんはマスコン?ブレーキ?ハンドルを軽快にガチャガチャ回すので、その音も聞いていてとても気持ちいい。

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領石通でかぶりつき席が空きました。またカメラを出しまして前面風景を収めてみます。もうこの辺りは運転本数が少ないので、文珠通までと違って、なかなか対向電車とすれ違いません。右写真は長崎付近でやっと来た高知ケーブルテレビの612。長閑な風景になってきますが、線路は複線のまま続きます。

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再び併用軌道になって後免の中心部に入ります。

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終点後免町一つ手前の後免東町を出ますと左手に留置線が見えてきます。こういうのはワクワクする展開です。

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最後の最後は単線になるようで信号停車、もう目の前の白い建物は後免町の停留所。

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ここで交換するのは伊野線・後免線では珍しい3枚窓の801。広告ラッピングの主はJALですが、ずいぶん渋い電車を選んだなぁ。

さて、ここで予想していない事が起こります。ドアが開いて運転手さんから放送(内容は聞き取れなかった)があり、乗客のみなさんどんどん降りるではありませんか。このまま乗車していていいのか、降りなきゃいけないのか、わからない状態で私が最後の一人となってしまい、流れにつられて私も下車。

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線路沿いの舗装された歩道を1列になって駅へ歩きます。ほんの70メートルぐらいですが、最後まで乗車したかったなぁ。

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私が歩いて後免町に着く頃、遅れてやって来たアンパンマン627。

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後で写真を見返してみれば、降車口の前のドアが開いていますので、乗車し続けることも出来たのかもしれません。手前で下車させたのは、早く降りたい乗客のためのサービスだったのか。

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それにしてもアンパンマンはこんな顔してたっけ、頭はいびつだし、口は悪戯小僧みたい、こいつ怪しいぞ。よく見ればパン工場の仲間たちも何か企んでそうな顔をしています。

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行き先表示を「ごめん」のままで去って行くアンパンマン。謝っている事だし、もう文句を言うのは止めよう。うろ覚えなのですが、回送列車として出発して行きました。

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目の前は土佐くろしお鉄道阿佐線の後免町駅。明日の朝はここを通ります。

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次の電車は新型車の101で来ました。写真で電車のすぐ横の歩道みたいな所で私は降りたのですが、停車せずそのままやって来ます。

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お客を乗せたまま、連接車体をこれでもかとねじ曲げて到着。これではりまや橋に帰ります。

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中間車と言っていいのか、中間台車の上の連結部分のクロスシートに座って18:59に出発。往きに乗り残した70メートルも無事に乗車完了。座席は快適ですが台車の上だからかよく揺れます。今日も夕日でオレンジ色に染まった空を車内から眺めます。そしてやっぱり、伊予電鉄市内線でもそうでしたが、この手の新しい電車は暗くなってからは外がよく見えません。タブレットでニュース見ると、四国は今日も1日いい天気でしたが、首都圏は台風で大変だったようで、原宿駅の倒木で山手線は運休、西武多摩湖線は土砂崩れで脱線とのことでびっくりです。その後は少し寝てしまいます。夜は外がよく見えない新型車なのに1本見送らず乗車したのは、この電車は桟橋車庫前行きでして、はりまや橋の渡り線の一辺を走るから。昔ははりまや橋を名乗っていたデンテツターミナルビル前停留所で2分ほど停車して出発すれば、ぐいっと左に曲がってすぐに南北線上のはりまや橋停留所に着きます。19:36、ここで下車、すぐそばのホテルに向かいます。

(おまけの桟橋線記事)

せっかく1日乗車券を持ってますので、ホテルに荷物を置いて夕食に出かけるついでに桟橋通五丁目まで往復。やっぱり吊り掛け車はいいなぁ。夜中にガラガラの広い道路をかっ飛ばすのは実に痛快。

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桟橋通五丁目にて。一応桟橋線は20年前に乗車していまして、この停留所の事も記憶があります。写真では暗くて解りませんが、高い防波堤の横にちょこんと止まるのです。

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乗車した591の車内。はりまや橋に戻り、観光客向けの食堂で、生ビールとカツオのたたきとくじらの唐揚げの付いたセットメニューの遅い夕食。値段は高かったですが美味しかった。

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四国旅行4日目の朝も早起きして、急いで朝食をとってはりまや橋へ、高知駅前までの区間もちゃんと乗っておきます。昨日は見なかった3枚窓700形の701、昭和50年代デザイン1000形の1002が見れました。

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やって来た3枚窓の電車に乗ります。0.8kmの区間ですのですぐに着いてしまいますが、高知駅前の停留所は、昔は駅前広場の手前で右に曲がってJR線と平行に配置されていなかったっけ。今は直進で乗換がしやすくなっています。そういえば昔のJR高知駅は地上駅でしたので、この辺一帯大々的に再開発がされたみたいです。

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時刻は6:45、高知駅前に到着。帰って気付くのですが昨日夜に乗車した591です。そしてこの電車の塗装が赤いのは、広告主の関係ではなく名鉄の岐阜市内線や美濃町線で昔活躍していた電車だから。写真を見返してみれば、昔は3扉だった跡が残ってます。知っていたら、もっとよく観察していたのに、残念な事をしました。

(乗車は2016年8月)

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東武6050系快速乗車記1(浅草~下今市)

昨年夏の四国の記事がまだ終わっていないのですが、一旦お休みして、今旬なこちらの車両の方を先に上げることにします。

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2017年最初の乗り潰しは2月の末日、鬼怒川温泉から会津若松までの東武鬼怒川線、野岩鉄道、会津鉄道、JR只見線にまたがる95kmでスタートしました。今回は乗り潰しよりも、昨年秋に発表された新型特急リバティの登場により何かしら動きがあるのではないかと予想される6050系快速に、浅草から会津田島まで一度乗り通してみようというのが、一番の目的でもあります。

ご存じの通り4月21日のダイヤ改正で、快速は廃止、6050系も南栗橋以南は運転されなくなるのですが、この旅行をした日にその旨が正式発表される事となり、帰ってから(何となく予想はしていましたが)お名残乗車になってしまったことを知ります。

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さて浅草駅5番線、今日は家を5時半に出まして、浅草発7:10の快速に乗車します。料金不要の快速・区間快速の運転がなくなってしまいますので、このホームの扱いは今後どうなるのでしょう。先ずは空いているうちに6050系をじっくり観察。

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この列車の面白い点の一つで、6両編成の2両ユニット×3本すべて行き先が違う事。幕はこんな表示で、東武に縁の無い人には括弧書きがややこしくしているように思えなくもないのですが、これでいいのであります。前から、
「(鬼怒川温泉・会津高原尾瀬口)会津田島」行き
「(鬼怒川温泉)新藤原」行き
「東武日光」行き

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浅草駅先端部カーブによるホームと車体の隙間。この踏み板も特急と共通だからかサイズがあってません。踏み外せば大人もストンと落っこちる。

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さぁ車内、昔の急行列車の雰囲気を味わえますクロスシート。かぶりつき席もあります。ただこのかぶりつき席、眺望には優れず、運転室助手席側の窓台に運転手さんに鞄を置かれてしまうと、中腰にならないと線路は見えません。

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貫通路を通ってみます。運転室ドアの内側には、こんなステッカーが貼ってあり、「通路内での喫煙行為、仕切ドアの施錠行為、仕切ドアカーテンを下げる行為、次のような迷惑行為は罰せられます。」とあります。これはもう、この中にこもって鍵かけてカーテン閉めて煙草吸う人がたくさんいたんでしょう。

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前から2両目の会津田島行きクモハに乗車します。クロスシートに座りますと、10代でよく乗った急行列車での旅行を思い出し、気分も盛り上がってきます。実際は国鉄急行形に比べ、背ずりのクッションが厚く、シートピッチも数センチ広いはずで、ちょっと豪華な急行形と言えます。

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折り畳み式のテーブルがなんか懐かしい。

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昭和テイストなフォントで彫られた注意書にあるように、この手の可動テーブルは、小さい子供がいじって大怪我をする恐れもありますので、消え行く運命にあるのではと思います。浅草駅ホーム付根の売店で買った朝食のサンドイッチをこれで食べて見ましたが、とても高いテーブルで使いにくい。クロスシートのテーブルってこんなだったんだ。

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それでは7:10の定刻で出発、3時間31分にも及びます旅のスタートです。浅草駅にちょこんと停まっているスペーシアは20分後の7:30発東武日光行き特急けごん1号、私の乗る快速は2時間後の下今市まで、この特急に先行して逃げ切ります。どんな走りを見せてくれるのか、楽しもうではありませんか。

とうきょうスカイツリーで数名が乗車し、この時点では半分のボックスに1人が座るぐらいの乗車率。6000系時代からの古いモーターの音は優しく、滑るように伊勢崎線を進みます。途中から朝日が差し込んできて眩しい、満員になって他人にロールカーテンを全部閉められるのを防ぐため、北千住に着く前に4分の3閉めておきます。

北千住ホームの快速乗車口は長い列、どっと乗車して4分の3の席が埋まります。出発しますと予想通り進行方向右側の窓のロールカーテンはどんどん閉められて、先にちょっと残して閉めておいてよかった。さぁ春日部までのノンストップ区間の始まり、ぐんぐんスピードを上げます、モーター音はここでも以外にも静か、乗客の皆さんもほとんどが通勤通学客ですので静か。ただ隣のボックスはゴルフバックを抱えた2人組で、一人は朝食の魚肉ソーセージをテーブルに広げて食べ始めます。快速が無くなって一番悲しむのはこの人でしょう。

朝のラッシュの時間帯ですので対向電車とバンバンすれ違います。東京メトロの03系ってこんなにあったのかというぐらい次々に来ます。同形式の地下鉄車両を一度にこんなに見るのは不思議な感じ、走っているのが地下ですので、普段は数本しか見れないからでしょうか。一方そろそろお名残乗車を長距離でやっておかなくてはと思ってます東急8500系を全然見ません。もう走ってないのか、せんげん台でやっと下り待避線で停車しているのを追い越しホッとします。

春日部に到着。曇ってきましたのでロールカーテンは全開にしてしまいます。ここで半分ぐらい降りるかと思いきやほとんど降りない。逆に乗客は増えます。みなさん快速を上手に乗りこなしてます。北春日部の基地は空ではなく、20000系数本の他に、6連の300系が2本並んで休んでます。詳しくは知りませんが、現在の300系の運用は、ホームライナー的運用でどちらか1本が平日夕方にちょろっと走るだけみたいです。

東武動物公園でもそんなに降りない、ここでもまた乗って乗客は増える。ここからは私にとって久しぶりに乗車します区間、クネクネとポイントを渡り日光線に入り、またスピードを出します。ここで東急8500系とやっとすれ違い。

ここからも快速運転の醍醐味で、JTB時刻表の索引地図上では市の代表として◎印駅の幸手を通過、次に30年前に開業した現在の運転上とても重要な駅の南栗橋を通過、以外にも2面4線のシンプルな駅で停車している電車は1本もありませんでした。そしてスピードを落として東北本線をオーバークロスし、JR接続駅の栗橋もさらっと通過。

とにかく南栗橋・栗橋を通過してしまうところが、東武快速50年の伝統というかなんというか、半蔵門線直通列車からの乗り換え客も、JRからの乗り換え客も関係なし。特急が1720系DRC車で快速が6000系の時代から、快速は特急の補完列車を務めてきたのだという、頑固なまでの主張が感じられて楽しい。しかしそれも4月のダイヤ改正で終わってしまうことになります。そして南栗橋の車両基地では元JRのSL列車用の12系客車がいるのが見え、新しい東武鉄道の歴史がスタートするのを実感いたします。また、栗橋ですれ違った6050系浅草行区間快速も、混んでいて立ち客も多い。

大カーブの築堤を駆け上がって利根川を渡り、次に渡良瀬川の堤防を右に見て進みます。堤防はとても高くて見上げるよう、斜面中ほどに道路があって車が走りにくそうに走っています。そして板倉東洋大前に到着、東京の西部に住んでいる者には聞きなれない駅名ですので、改名した駅だと思っていたのですが、帰って昔の駅名は何だったと調べてみれば1997年開業の駅でした。ここでは新栃木行き普通列車に接続。

両毛線沿線らしい平野部の田舎っぽい光景になってきまして新大平下、栃木、新栃木と3駅続けて停車。栃木では宇都宮線8000系4連と両毛線211系がお出迎え、新栃木では宇都宮発の特急しもつけとすれ違い。この350系も面白い電車で、国鉄特急のキノコ型クーラーの偽物を乗せているみたいなのが今も現役。先日曳舟に行く事があり、帰りにとうきょうスカイツリーから浅草までの1駅ですが乗車してみましたが、中はシートピッチが狭めの普通の特急電車です。新栃木を出ると車両基地が右に見えます。ここが凄くて、6050系、350系、宇都宮専用8000系とオール昭和の鋼製電車で占められているという素晴らしい光景。ここまで来ますと乗客は1ボックスに1人か2人と空いてきます。

爆走の快速運転は続きます。揺れも大きい。駅を通過するのを見ていますと、昔の急行電車に乗っているみたいです。この辺からすれ違うのは6050系ばっかり、霜取り前パン車も見ます。これがとてもかっこいい。たぶん開業時からあるのではと思われます細いクリーム色の鉄製架線柱が見えてくるようになります。新鹿沼ではゴルファーが降り、ますます空きます。いつの間にかスノーボードを持った若い人もちらほら乗ってきています。だんだん晴れて来まして、左側に男体山?がドーンと見えます。空の色が東京より青くなってきた、この先もっと青くなるんだろう。

浅草を出発して1時間53分、途中9駅に停車し9:03に下今市に到着します。浅草を20分後に出る特急が途中5駅の停車で所要時間が1時間40分ですので、よく頑張って逃げ切ったと、料金不要の6050系快速を労ってあげたい。

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下今市では8分停車、後ろ4両の東武日光行きを切り離し、追いかけてくるスペーシアの特急けごん1号と接続をして、会津田島に向けて再出発します。

(乗車は2017年2月)

次の記事:東武6050系快速乗車記2(下今市~会津田島)
関連タグ:東武鉄道

東武6050系快速乗車記2(下今市~会津田島)

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浅草7:10発の乗車しました快速列車が下今市の2番線に9:03に到着します。ここで切り離し作業が行われ、後続の特急けごん1号と接続して、会津田島・新藤原行が9:11、東武日光行が9:15にそれぞれ出発します。この列車はここで単線の鬼怒川線上り列車と交換もします。隣のホームの4番線では6050系普通列車の連結作業も繰り広げられます。

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左が9:05着の東武日光発4連、右が9:09着の会津高原尾瀬口発の2連。どっちも前パン車が先頭です。格好いいなぁ、じっくり写真を撮ってみたい。この列車は新栃木行でして、前パン車は浅草には行かない運用に基本入るみたいです。霜取り用のパンタグラフですのでこの姿が見られるのは冬だけなのでしょうか。

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6050系が2本並んで、そろそろ出発です。停車中には行先表示幕が回され、3段の表記で上段から東武日光・(新藤原)・会津田島だったのですが、東武日光がなくなり2段になります。途中「たびし」「林間学校」なんてレアなのも出てきます。下今市からは各駅停車になりますが、快速の表示はそのまま。

下今市まではモーターの音を聴こうと2両目のクモハ(正式にはモハ)に乗車していたのですが、ここからは先頭のクハに移ります。1歩車内に足を踏み入れてみて「おぉっ」と声をあげてしまうほどびっくりな事がありまして、それは床下から響くコンプレッサーの音。とても古いもののようで、ヒョコヒョコヒョコヒョコ・・・と、こんなんで複々線区間をノンストップで爆走していたのかと思うほど弱々しい音なのです。これは地方ローカル電鉄の電車でもなかなか聞けないような古い音。6050系のコンプレッサー含む電動機や台車等の主要機器は6000系からの流用なのですが、Wikipediaによるとこの流用されたコンプレッサーは、DH-25という形式の、なんと戦前に設計されたものらしい。クハに乗り換えて良かった。

青帯スペーシアのけごん1号が到着。こちら会津田島行に移ってくる乗客はなし。そして同時に出発します。右に急カーブして鬼怒川の支流の大谷川を渡ります。左車窓に男体山がドーンと見え、乗客のみなさん一斉にシャッターを切っています。1両目の乗客の半分は観光客だったのでした。川を渡りきったら大谷向(だいやむこうと読む)に停車、静かな車内に突如ヒョコヒョコと壊れかけたみたいなコンプレッサー音が響くのは風情があってちょっと感動もの。ドアはボタン式ではないので乗客の乗り降りが無くてもすべて開いてしまいます。

ちょっとトイレに行って用を足してきます。このトイレの臭いもなんか懐かしいなぁ。縦長のトイレ明かり取り窓の内側は縦桟が入り、少しは豪華な造りにしようという設計時の気持ちが伺えます。小さな手洗い台には鏡もついている。トイレ反対側は座席が無くちょうど車椅子を置けるスペースで、分別しない古いタイプの「くずもの入れ」があります。

車窓はというとローカル線らしい風景の中をのんびりと走ります。とにかく急カーブが多くて全然スピードが出せません。路面電車の専用軌道を走っているみたいです。新高徳ではスペーシアと交換しますが、急なポイントのカーブで車体をくねらせ、狭い島式ホームに入線する様子は、江の電に新幹線車両を入れたというか、小川に鯨が迷い混んだみたいです。日光線は全線複線であれだけ立派なのにどうしてこうなのか。国鉄と競合しない区間なので建設費をけちってこうなったのか。

実はこれ、帰ってからWikipedia見て知るのですが、鬼怒川線は、元々鬼怒川発電所建設のための762mm資材運搬用軌道を下野軌道が1917年に旅客営業を始めたもの。東武日光線が下今市まで延びてくるのは1929年で、鬼怒川線の方が歴史が古い。なるほど、そうだったのか。今夏から蒸気機関車が走るのにピッタリな路線かもしれません。ちなみに東武のローカル区間で見られます、クリーム色に塗った鉄製架線柱は鬼怒川線では見ませんでした。小佐越の先に信号所があり、複線になってちょっとスピードを上げて走り鬼怒川温泉に到着。

この駅は見覚えがあります。25年ぐらい前に鬼怒川線には乗車し、帰りはスペーシアだったのですがほとんど記憶になく、鬼怒川温泉まで行ったのか鬼怒川公園まで行ったのか思い出せないでいたのです。と、いうことでここからが初乗車する区間のようです。駅には会津田島から乗車する後続のAIZUマウントエクスプレスが停車しています。

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営業してるのかしてないのか判らないような旅館があったりして、華やかな観光地には見えない風景の中を走って鬼怒川公園に到着。区間快速の浅草行と交換します。一部の特急がここを始発駅としていますが、そうは見えない寂しい駅。若い女性2人が降りて、スマホで記念写真を撮っているのがせめての救い。

鬼怒川線最後の1区間は左車窓がきれい、標高が高くなったのか足元に雪が残るようになります。最後も急カーブを徐行して右に留置線が見えたところで新藤原に到着。なかなかドラマチックな終わり方です。

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新藤原では2分の停車。この間で後ろ2両を切り離しします。見に行きたいですがそんな余裕は無し。

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ホームに置かれているのは連結器のカバーに見えますが、これを着けた車両は私の撮った写真では見つけられません。なんなんだろうこれは。

新藤原からは野岩鉄道会津鬼怒川線。1986年に第三セクター方式で開業させた新しい路線ですので、打って変わって軽快走りになります。もう最初の加速からして全然違うのです。早速トンネル。いくつか目のトンネルの途中で減速して、最初に停まる龍王峡駅は半分トンネルの中。

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車掌さんが検札に来て切符にYG印が押されます。今回の使用した切符は「ゆったり会津東武フリーパス喜多方」というもので、事前に新宿の東武系旅行会社で買ったもの。ペラペラ紙に印刷された切符は久しぶり。船車券なんて書かれた切符は初めて見ます。

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川治温泉では東武日光まで行くAIZUマウントエクスプレスと交換。それにしても立派な線路。

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トンネルでない箇所は高いところから谷を見下ろす光景。川治湯本も高い所にある駅。また長いトンネルに入ります。

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トンネルの中で停車、ここが湯西川温泉駅。出た所は鉄橋のようで、駅を作る場所が、トンネルの中か鉄橋の上のどちらかしかなくて前者を選んだようです。一人のおじさん鉄道ファンがここで下車して写真を撮りまくっています。こんな駅で降りて、次の電車はいつ来るのかという雰囲気ですが、27分後に会津若松行きが来る。

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駅=トンネルを出ると、すぐ鉄橋なのですが、なんか眩しい。

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川が氷結しています。一駅前では流れていたのに(4つ上の写真)。地図を見ればここは川ではなく五十里湖というダム湖、流れが遅いからか凍っているみたいです。

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ほとんどトンネルなのですが、時々一瞬こういう風景が見れます。ここは川なので凍らずに流れています。しかし雪の量が増えてきました。

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上三依温泉で新藤原行普通と交換。車内はガラガラ。

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車内運転室壁の行先表示幕。括弧書きで(鬼怒川温泉・会津高原尾瀬口)とありますが、鬼怒川温泉はもう過ぎています。紛らわしいなぁと思うのですが、首都圏の客を対象に、日光または鬼怒川方面で乗る車両を間違えないように案内するのが目的ですので、これでいいのでしょう。30年も続いているのです。地元の人は間違えません。でも電車正面幕の括弧書きは(新藤原)でした。どうして統一しないんだろう。写真に写ってませんが左には製造プレートがあり、「昭和61年・富士重工」とありました。

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男鹿高原手前の風景。男鹿高原駅は俗にいう秘境駅みたいで周りに何もありません。

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長いトンネルを出ますと、福島県であります。

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会津高原尾瀬口に到着します。ここで野岩鉄道会津鬼怒川線は終わり、ここからは会津鉄道会津線。会社の境目の駅になりますが、電車は直通しますので、雰囲気は普通の中間駅と変わりません。しかし新藤原側にターンテーブルが残っています。これが私の発見できた唯一の国鉄会津線の終着駅だった名残。国鉄時代は会津滝ノ原駅でした。スノボ・スキー板を持ってた人はここで降ります。

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路線が変われば、また走りも変わります。谷は広くなりトンネルは無し、この雰囲気は国鉄非電化路線だ。

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谷が広くなり、雪も反射して車内は明るい。スピードは速くもなく遅くもなく、バネが優しく揺れます。そしてコンプレッサーの優しい音。いいなぁ、乗り鉄していて至福の時。

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雪に埋もれた七ヶ岳登山口駅も完全に昔の国鉄駅だ。その後ジョイント音が、タタンタタンタタンタタン・・・と来た、これは10メートルレール?まだ残っていたのか。とにかくだ、この6050系の快速は、急カーブ浅草駅から隅田川を渡るところから始まって、伊勢崎線の複々線区間、国鉄に対抗して開業時から電化複線の日光線を爆走し、資材運搬用狭軌軌道からスタートした鬼怒川線をまったり走り、日本鉄道建設公団の建設した野岩鉄道を一気に突き抜け、最後は元国鉄非電化路線で終わるという、これだけバラエティーに富んだ路線を走り抜ける料金不要の列車は他にあるか。ちょっと考えてみても私には思いつきません。無くなってしまうのは残念です。

会津山村道場という可笑しな名前の新しい駅。どんな道場があるのかは知りませんが、建物の屋根の勾配がきつく、豪雪地帯に来たことを感じます。普通の靴を履いてきてしまったのですが、今日は会津若松でしか降りませんので大丈夫でしょう。

会津荒海はちょっとした集落にある駅。駅舎に特急リバティを歓迎する垂れ幕。嬉しいだろうなぁ。ここでは2両編成の浅草行と交換。区間快速なので浅草までは4時間かかる、頑張れよと声をかけたくなってきた。この先もうトンネルは無し、線路もほとんど直線、天気は快晴、雪の反射でいつものように車窓を眺めていたら日焼けしそう。

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最後も立ってかぶりつき、右にカーブを切ると、ゴールが見えてきました。

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10:41に会津田島に到着です。浅草を出て3時間31分ですが、長いようで短かった。幕はもう普通新栃木に変わっています。浅草駅も会津田島も行き止まりホームでの発着が共通していますが、車止めホームに雪が溜まりまくっているのに長距離の移動を感じさせられます。

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駅舎の勝手口には除雪道具がこんなにあって、スキー場のロッジみたい。

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この駅には会津鉄道の車両基地があり、面白い車両がずらりと並んでいます。左のAT-401もんぐちはキハ40の改造車、右のAT-351トロッコ車両なのですが最近の顔、ずいぶん新しい車両を改造しちゃったんだなぁと思っていましたが、トロッコ車両として2009年に新製された車両でした。

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黄色のは引退したみたいな古い車両で車番不明、窓が大きいお座敷車で会津浪漫と書かれています。

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中の待合室は広くてきれい。駅舎建物内にどんな施設が入っていたか忘れてしまいましたが、正面中央入口横のベンチに灰皿が置いてあって、おじいさんが一服しています。私も一服。でも喫煙所は隅っこにあった方が落ち着くなぁ。

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駅舎はこんなに大きくて立派。新しいので会津鉄道発足時ではなく最近建てられたみたいです。とにかく2両編成の快速列車の駅としては立派すぎ、早く特急リバティを走らせないと、もったいないお化けが出てきそうです。

(乗車は2017年2月)

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おじさん鉄道ファンの日本の鉄道の乗車記録です。2012年、ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになり、乗りつぶしをスタート。その時の未乗区間は7,818.4kmでしたが、12年目にしてあと1,002.5kmになりました。すべて乗りつぶすには、今の生活パターンだと、まだ7,8年ぐらいはかかりそうですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事をご覧になりたい方は下のカテゴリーの「年別目次」からどうぞ。

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