神戸電鉄乗車記1(新開地~鈴蘭台)
関東の駅そばに慣れた身には、最初は味が薄く感じますが、食べていくうちにそれも慣れてきてだんだん解ってきます。なかなか美味しいぞ、そばをぼっかけにからませて食べるといいんだな、これは。唐辛子をたっぷりかけるのもいいぞ、うん。汁も全部飲む。店を出る時の店員さんのお礼の言葉も関西ならではの穏やかさで心地よい。いい朝食だった。そういえば私のよく利用するJR立川駅構内にもぼっかけ焼きそばの店があり、繁盛しているようなのですが、家が近いので食べたのは1回しかない。

それでは神戸電鉄に乗車します。起点の新開地駅は2面3線頭端式でして、ホームは若干狭く、天井も低く、古い壁タイル、照明も何となく暗いかな…。毎日利用される方にとっては古臭い駅かもしれませんが、関東から来た鉄道ファンにとってはこの辺が実にいい雰囲気でして、感動しちゃうというか旅情をかきたてられる駅なのであります。私鉄の始発駅たるものはこうでなくては…。手前に停車しているのは1100系のトップナンバー車。前パン、2扉で狭窓ズラリ、恰好いい電車です。

とりあえずは次の湊川駅まで乗車する先発列車はこっち。神戸電鉄と言ったらこの電車、3000系でしょう。これも現存する3000系の中で一番古い編成であります。もちろん先頭車両でかぶりつき。昨夜散歩の帰りに乗車した区間ですが気分は初乗車。そろりそろりと発車して、ポイントを渡ってほんの数100メートル走ってすぐ湊川駅に到着。神戸電鉄神戸高速線乗りつぶし終了、僅か0.4kmの路線でしたが、久々に背筋がぞくぞくするのを味わいました。トンネルの形か四角形(地下を掘って線路を敷いて蓋をした区間)なのも素敵なのであります。
湊川駅では一回改札を出て、1400円の一日フリー切符を買って改めて乗車します。神戸電鉄神戸高速線(新開地~湊川間)は神戸高速鉄道時代の名残で、神戸電鉄フリー切符では乗れないのです。
次は7:23発の普通列車の有馬温泉行きで鈴蘭台まで行きます。3両編成の1100系です。通勤通学客と反対方向ですのでガラガラに空いているのですが、かぶりつき席は先客のおばさまが座っておりまして、一番前のドア横に立って前面展望を楽しむことにします。

それでは出発、勾配を登り地下から地上に出るのですが、そのまま勾配が続き、右へ左へとカーブを切りながら山を登ってゆく感じです。
※掲載してます前面展望写真は、この日の昼過ぎに再度この区間を3000系で乗車した時のものになります。

この段々になっている住宅の目隠しパネルが、きつい勾配を登っている証拠。そしてトンネル。面白いぞこれは。

長田を出発。またカーブ、そして勾配を登る。


丸山駅、ここは撮影で有名な駅ではなかったっけ?


鵯越駅、こっちも撮影で有名な駅だ。また、鵯(ひよどり)なんて漢字があることを、この線に乗らなければ決して知ることは無かっただろう。

それにしても山深い。起点新開地を出てまだ10分にも満たないというのに人の住んでいる気配が見えない。大阪湾と六甲山地に挟まれた都市、神戸ならではの光景でしょう。

休止になった菊水山駅、都市の中の秘境駅で有名だった駅だ。

長いトンネル(菊水山トンネル)に入ります。ダム建設により1995年に切り替えられた区間です。

こういう長いトンネルを抜ければ、大抵は分水嶺を越えた事になり下り坂になるのですが、前記の経緯によって誕生したトンネルですので、まだまだ登り坂が続きます。

六甲山地北側の街が見えてきました。右に車両基地からの線が寄り添い3線になります。


鈴蘭台駅に到着します。乗車しました神戸電鉄の新開地~鈴蘭台間、一番本数が多い区間でもありながら、変化があって一番車窓の面白い区間かと思います。本当に楽しかった。

雨が降ってきてしまいましたが、鈴蘭台駅の南側で少し撮影をしようかと思います。
(乗車は2014年9月)
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