JR七尾線・のと鉄道七尾線乗車記1

やって来た編成は北越急行所属の赤いラインのスノーラビット(写真は金沢駅で撮影)。お目当てのカラーが来てラッキーと思っていたのですが…

金沢駅で七尾線に直通する3両編成の方にホームを歩いて移動すると、ゲゲッ!なんと付属3両編成は青いラインのJR西日本所属の編成ではないですか。こんな混結運用をしていたとは恥ずかしながら知らなかった。昔は統一されていて時刻表にも何号はどちらの所属編成か出ていたような気がしたのですが…
後で知るのですが2005年からこういう運用が始まったらしい。そして北越急行のホームページには編成表が公開されていて、基本編成と付属編成の所属会社(=色)が揃う事の方が、どちらかと言えば珍しく、2014年2月分のこの列車「はくたか6号」を見ると、青青で揃ったのは8日、赤赤で揃ったのは僅か2日しかないのでした。
来年の春、北陸新幹線の開通によって、特急はくたか、そして北越急行の赤いラインの681/683系は消える運命にあるようなのですが、撮り鉄の方々にとっては赤ラインの捕獲、特に基本・付属編成すべて赤ラインで揃った編成の捕獲には、大変な苦労が想像されそうです。
和倉温泉まで直通します唯一の自由席の7号車ですが、ほとんど金沢で降りてしまったようでガラガラ。ほとんどが後ろ向きのままの座席の一つを適当に選んで回して、ボックス状にしてまったり過ごす事にします。津幡を通過して初乗車となる七尾線に入って行くのですが、じっくりこの路線を見てやろうという情熱というかエネルギーを高山本線で使い果たしてしまったようで、ボケーッと車窓を眺めているうちに終点和倉温泉に着いてしまいました。また高山本線では晴れていたのに、津幡を出たあたりから激しい雨でした。これが太平洋側と日本海側の違いでしょうか。


終点和倉温泉は2面2線の駅で、はくたか6号は駅舎と反対側の2番ホームに到着。他の乗客にとっては階段上り下りさせやがって…となりますが、私にとっては、出札の前に綺麗な編成写真を撮影できるのでありがたい。しかしここでは、赤いラインの3両編成の絵が欲しかったなぁ。

「はくたか」の幕も記録に残しておきましょう。

駅前に出てみますと、ちょっと晴れ間が出て来ました(その後、秋の?又は能登半島特有の?めちゃくちゃな気象状況を目にします)。この駅での接続時間は59分、この間温泉でもザブッと行きたいところですが、駅近くで入れる所は無いようで何もする事が無く、温泉客を迎えに来た旅館の送迎員の方々など見て過ごします。さすが有名どころとあって、みなさまスマートで丁寧な接客でして、私もいつかは泊まってみたい。

やがて天気は再び激しい雨となります。写真はやっとやって来ました和倉温泉15:34発の穴水行き。NT200という新しい車両の1両編成。乗車率は30~40%ぐらいか、一番前の席が空いてましたので、そこに座らせてもらいます。

次の田鶴浜駅で交換。交換した車両はマジンガーZのラッピング車。

おっ!オユ10だ!そういえば能登線の何処かの駅にオユ10が保存されていたのを思い出しました。(昔は甲駅に保存、甲駅廃止により現在は能登中島駅にて保存だそうです。)
この車両が保存されたのは相当昔で、まだ私が学生だった頃。その頃はこんな屋根にクーラーが乗っている新し目の車両より、内部が木造ニス塗りのもっと古い車両(例えばオハ61なんか)を保存すればいいのにと思っていたのですが、鉄道郵便車そのものが日本から消滅してしまった現在、極々僅かに保存されている郵便車でして、当時、保存にあたりこの車両を選択した方々、現在もこの車両の保存に携わっている方々には頭が下がる思いです。こうして美しい姿を維持するのも相当な労力がかかっているかと思います。


なんと能登中島から先は天気が雪になります。しかも結構積っている。

次の西岸駅では雪はもう止んでいる。ほとんど海岸線沿いを走っているのにどうしてコロコロ変わるのだろうと思っていたのですが、能登中島から西岸駅間は小さいながらも峠越え区間でして、グーグルアースで見てみると、両駅の標高は11m、この間の最高部は69mと結構な標高差なのです。

そろそろ終点の穴水、だんだん晴れ間が出て来たぞ。海に浮かぶオレンジ色のブイ?がキラキラ輝いています。

穴水に到着。何と遠方は晴れているではありませんか。私のいる部分はまだ雲がかかっていまして、なんだか不思議な光景。マジックアワーみたいなものなのでしょうか。

駅前の光景も不思議な感じ。
和倉温泉から穴水まで僅か28km、33分の乗車で曇→雨→雪→晴と、めちゃくちゃな気象状況を体験した訳ですが、たまたま私の行ったのがそういう天気の日だったのでしょうか。「女心と秋の空」という言葉もある事ですし。いや、もしかしたら日本海と富山湾に挟まれ、富山湾の向こうには3000m級の山々も控える能登半島というのは、非常に複雑というか安定しない気象状況が日常茶飯事なのではないだろうか、対岸の魚津では蜃気楼が頻繁に見られるのも関係するのかもしれません。ちょっと興味を持って「能登半島・気象」「能登・天気・特徴」あたりでいろいろ検索してみましたが、その答えは見つかりませんでした。私の考え過ぎのようです。
(乗車は2013年11月)
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