広島電鉄乗車記2(本通~広島港宇品~広島駅)
本通の停留所は、都心の停留所だけあって広く安全なホームですが、どう並んだらいいのかよく解りません。いろいろな長さの電車が来ますので、適当でいいのでしょう。広島港行電車は低床の3連接車で来ました。後ろドアから乗り、suicaをカードリーダーに当てると、私も同行者もエラーが出てしまいます。しかし後ろからも人が来ますのでそのまま乗車。後ろの車両の連接部の座りにくいクロスシート部に座ります。
改めて乗降口を見るとカードリーダーが二つあり、suicaでエラーが出てしまったのは、降りるとき用のカードリーダーにタッチしてしまったからのようです。乗るの難しいなぁ。車庫のある広電本社前で途中下車しようかと思っていたものの、暗くなってきましたし、suicaエラーの件もあるので終点までの乗り通してしまいます。皆実町六丁目で広島駅からの系統と合流し、だんだん郊外の住宅地の風景になってきて、乗客もどんどん減ってきます。
終点間際の海岸通から先は、上に高速道路があって完全に港湾地区の風景。元宇品口は、停留所名と雰囲気から国鉄宇品線の終点はこの辺りにあったっぽい。(帰って調べたら、国鉄宇品駅は、もっと東よりで広島市電の線路とは交わりません。)
終点の広島港の停留所(というより立派なターミナル)が見えてきました。しかしポイントの手前で停止、停留所の線路が一杯のようで、約3分停車とのこと。なかなか面白い。待つこと数分、向こうから低床の連接車が勢いよく飛び出してきて、こちらもようやく出発、大屋根の下の3面3線の広島港に到着します。

乗ってきた低床連接車の1000形。たくさん見かけましたので今の主力電車のようです。

同じ番線の車止め側に元京都市電が押し込まれています。

高さのある大屋根は、まるでヨーロッパのターミナルなのですが、3線とも奥で照明を消した電車が昼寝してますので、なんとも言えない気怠い雰囲気になってしまいます。
広島港の船の方のターミナルをちょっと覗き、海辺に行って、夕陽を見て、停留所に戻ります。

5系統の800形で広島駅に向かいます。かつての国鉄宇品線に沿う形の5系統は、一番乗客が多く、輸送力の高い連接車がバンバン走っているものと思っていました。ところが違っていまして、広島港からだと、本通に向かう1,3系統の方が、広島駅に直通する5系統の2倍本数があります。このように、人の流れが単純な一本線や十字線に当てはめられない都市の位置関係が、路面電車が今もこれだけ走る理由の一つかもしれません。

始発ですのでかぶりつき席に座ります。皆実町六丁目から初めて乗る皆実線ですが、これといった発見は無し。

的場町の停留所を過ぎ、左にカーブし本線と合流します。ここから先2区間0.5kmは、広島駅南口再整備の計画で、数年後に廃止になる区間です。

廃止される停留所の猿猴橋町です。正面に見えるのが工事中のJR広島駅。再整備事業で広電は、写真左側に位置する駅前通りを直進してJR広島駅ビルの2階に突っ込む形になります。

広島駅の停留所が見えてきました。ここで一旦停車。ホームが空かないでここで降ろされてしまうのか。いや、3本ある櫛形ホームの一番右側に入って行きます。

ちゃんと車止めのところまで進んでくれました。

一番JR駅よりのホームは角度がついたままで、狭いスペースに無理矢理作った鉄道模型のレイアウトみたいでいいなぁ。ここに入るのは広島港に直行する5系統のみ。

左側の2線は、紙屋町東を経由する5系統以外の降車専用ホームとのこと。

紙屋町を経由する5系統以外の電車はどこから乗るのかというと、シーサースクロッシングを渡った左側のホーム。様々な系統、様々なドア数の電車が来るわけで、どう並んだらいいのかよく解りませんが、広島の人はうまく使いこなしているんでしょう。

路面電車としては日本一の路線延長距離で輸送人員、保有車両数も日本一の広島電鉄、初めて乗りましたが、いろいろと奥が深くて面白いです。旧型車がまだまだ走っているうちに、また来たいと思います。
その後は3連休の最終日ですので、どこも密な状態でして、広島空港へのリムジンバスは乗れるのかというぐらいの長蛇の列で2本目に乗車、お土産屋もフードコートも密、ANA羽田行き最終便も満席でした。
(乗車は2020年11月)
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