3度目の函館市電乗車記

写真は反対ホームに来た電車、あいさつ代わりの8009。

谷地頭行きは、こんなのが来ました。車番は8101。窓にはフィルムが貼ってあって外の景色は、良く見えません。十字街の名物の操車塔の写真を撮ってみますが、この窓からはぜんぜんダメです。

12分の乗車で谷地頭に到着。

駅前は閑散とした住宅街。ローマ風風呂の素晴らしき谷地頭温泉は駅前には無かったのか。1988年の旅行では、温泉の記憶はあるのですが、市電の記憶がないのです。

函館市電に乗るなら古いバス窓の吊り掛け電車に乗りたいところですが、待ってていつ来るか分かりませんので、着いて3分で折り返すこれに乗って湯の川まで行きます。ちなみにこれも吊り掛け電車。
この8100形8101は面白い電車でして、車体中央約3mの部分が低床になっています。Wikipediaによると、初期の低床車として旧型車を更新し、車体中央部分をバリアフリーにしたものの、台車が古い電車のままなので、高床部分との段差が「ひな壇」と揶揄されるほどのものとなってしまい、転落者続出。そんなわけで1両のみの改造で、量産されなかった珍しい車両のようです。よく見て車内やサイドからの写真を撮っておけば良かったです。

運転席左側のかぶりつき席に座ります。いつもの右側はよく見えないのです。それでは湯の川まで46分もの長距離ランの始まりです。

2回目のすれ違いで古い電車が来ました。車番は721。

函館駅前に戻ってきました。電車はここで右に折れますが、私が競馬場前まで乗車した1988年には、まっすぐ進む路線(ガス会社前に向かう本線、1993年廃止)があり、そっちに進んだかもしれないのです。

右に折れた先の大森線(函館駅前から松風町まで0.5km)を進みます。もしかしたら初めて乗る路線です。市場通りみたいな雰囲気の中、8003とすれ違います。

1区画走って松風町からは左に折れて湯の川線となりますが、ここも初めて乗るかもしれない路線です。そして1992年までは、写真左手湯の川線から右手に直進する東雲線(松風町から宝来町まで1.6 km)というのも存在してまして、1988年に競馬場から谷地頭まではこっちに乗ったかもと思ったものの、そのルートで直通する系統はなかったので、たぶん乗ってない。

6分間隔で走ってますので、3分に1回、じゃじゃんすれ違います。更新車8006。

旧型車716。

リトルダンサーの9601。この函館市電、函館駅前が一番乗車密度が高く、湯の川に向かってどんどん減っていくのかと思っていましたが、函館駅前から離れるにつれてどんどん増えてきます。

街が賑やかになってきまして、五稜郭公園前に着きます。この辺が函館の中心部だったのか。1993年には左から合流する路線、宮前線(ガス会社前から五稜郭公園前までの1.8km)があり、1988年に乗車したのはそっちだったかもしれません。

五稜郭公園前からは、乗客はどんどん減って行きます。8009とすれ違い。

ずいぶんと渋い色の旧型車が来ました(723)。競馬場を右に見て、ここからは間違いなく未乗車の区間です。

車庫のある駒場車庫前に到着。旧型車が休んでいるのが見え、降りようかな?どうしようかな?と迷っているうちにドアは閉まってしまいます。

終点湯の川が見えてきました。

17:49に到着。函館市電の終点はみんな1線でこんな感じなんだな。
ここからは函館駅には戻らず、路線バスで直接函館空港に向かう予定です。まずは信号を渡った100m先にある函館空港行きの路線バスの発着する湯倉神社前バス停を確認しておきます。すぐにわかりました。戻ってバスの時刻まで市電の撮影をします。

ところが並走して走る車やバイクが被ってしまい、なかなかうまく撮れません。旧型車721はこれが精一杯。

3004

8003、これで終わりにします。

路線バスで函館空港へ向かいます。空港の展望台からは函館山が見えました。あの麓から市電でずいぶん乗ったんだな。せっかく函館に来て1日で帰るなんて勿体ないですが、仕方ありません。次に函館に来たら、今度こそ温泉(そういえば2013年も銭湯に入りそびれたのだ!)、グルメ、それと一度観光客に混じって、市電の箱館ハイカラ號に乗って、単車の乗り心地をたっぷり味わってみたい。
今回の旅行で利用したフリー切符の、はこだて旅するパスポートは、市電も市バスも乗り放題。北海道の助成金で半額で利用させてもらいながら、鉄道に乗りっぱなしで、まともな経済活動が森駅のいかめし一つだったというのも怒られそうです。マルセイバターサンドを多めに買って帰ります。
(乗車は2020年7月)
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