JR大湊線乗車記
往路は、東京7:32→八戸10:25、はやぶさ5号に乗車。ちょっと前までは、東京八戸を3時間切るなんて、あまりのスピードの速さに感激していましたが、最近は慣れてきて3時間も乗るのは長いなぁ〜と感じるようになってしまってます。車中でも半分は寝てました。
さて八戸、まずはJR大湊線の乗りつぶしです。この路線には、1990年代に途中駅の吹越まで乗車したことがあり、その先大湊までの35.4kmが私の未乗車区間になります。

八戸から乗車するのは、臨時のリゾートあすなろ下北1号。八戸10:50→大湊12:40。

2010年に誕生したリゾートあすなろですが、2023年度に新しいリゾート列車に模様替えするそうで、このカラーは見られなくなるとのこと。

この時間の八戸駅には、なんとレストラン列車もいて、先に久慈に向けて出発します。知らなかった。

それでは出発します。八戸出発直後は前が見たいので展望室で。

八戸を出て注目は車両基地などが展開する右側で、八戸臨海鉄道のDE10がいます。2018年の新幹線車窓からは、小さな車体のDD16が、そこそこ長いコンテナ列車を牽引しているのを見てびっくりしたのですが、引退してしまったらしい。

座席に戻ります。車内の様子で、ほぼ満席です。予約が遅かったので、確保したのは最後の海側座席でした。
東北本線を途中三沢に停車して47分で野辺地に到着。住んでる人には申し訳ないのですが、「野辺地」って、最果ての地みたいで、子供の頃から大好きな駅名です。現在も新幹線が通ることなく、孤高の乗換駅であり続けているところが渋いです。
野辺地では4分停車して出発、大湊線に入って行きます。ほとんど直線のようで、東北本線のようにスピードを出して走ります。

有戸駅を通過してからしばらくして、再び一番前の展望室に行ってみます。見たかったのはこれ、前方に海が広がります。

有戸〜吹越間の大湊線車窓一番の見所、陸奥湾の海岸を走る区間になります。
展望室に集まっていた人も、みんな右側車窓に張り付いて写真を撮ります。いやいや、海岸すぐそばに、線路があるのがいい光景なんだと思う。前に見た時はもっと海に近かった気がしますが、それは気のせいか。風が強そうな荒野の中を撮り鉄が一人、カメラを構えて撮影していて、ちょっと格好いい。

海から離れます。そろそろ30年前に来たことのある吹越駅を通過します。海岸沿いの景色は覚えてますが、吹越駅がどんな駅だったかは全然記憶にない。ちなみに中途半端に大湊線に乗車した理由は、南部縦貫鉄道のレールバス出発時間までの時間潰しのため。

吹越駅を通過します。こんな駅だったのか。やっぱり全然記憶にない。もう一区間、展望室にいさせてもらいます。

大湊線唯一の途中交換可能駅、陸奥横浜に到着します。

ここで快速列車と交換。普通列車編成表では、キハ100の単行ですが、今日は2両編成です。1両だったら満員になるぐらい混んでいます。
しかし、快速ばっかりの大湊線で、よく本数が少ない普通しか止まらない吹越で降りられたな。昔の時刻表を1992年まで遡ると、吹越で普通列車から普通列車への折り返しが出来て、その後1日数本しか走らない南部縦貫鉄道に、適度な時間をあけて乗継が出来ます。

自席に戻ると、だんだん晴れて来て陸奥湾を挟んで反対側の恐山がくっきり見えてきます。
下北に到着、かつて大畑線が分岐していた駅ですが、今は1面1線の駅のようです(左側座席からは、ホームの様子も廃線跡もよく見えませんでした)。ここで3割の乗客が下車。みなさんここからバスでどこまで足を伸ばすのでしょう。
私は大畑線には乗れませんでしたが、乗りつぶしのプランだけは立てていた記憶があり、大湊線野辺地側と大畑線の接続はとても良いのですが、大畑線と大湊線大湊側の接続が非常に悪く、下北大湊の1区間に乗るために下北で長時間待たなければならなかった気がします。

その最後の1区間です。また展望室に足を運び、最果ての終着駅、大湊に到着するシーンを見届けようではありませんか。陸奥湾を挟んで見えていた恐山が、真正面に見えます。ここから見るとそんなに高くなさそうですが、標高は879m。頂上に見える展望台まで、車で登れてしまうというのには驚きです。

大湊駅が見えてきました。左に分岐する使用されてない側線の姿が、侘び寂びの世界観で、なんだかとても美しい。

2面2線の駅なのか。そして臨時列車のリゾートあすなろ下北は、通常使用しない2番線側に入ります。

線路おしまいのコンクリートの車止め、かつてはその向こうに機回し線があったんだろうな。正面の白い建物はJR東日本のホテル。

12:40、大湊到着。観光列車ですので、みなさん記念写真の撮影です。

1番線側から撮影、絵になる素敵な終着駅なんですが、列車にホーム屋根の影がかかってしまって残念。外に出ます。
* * *
昼食は、グルメサイトで検索すると一番に出てくる、チーズハンバーグカレーで有名な喫茶店に入ります。カレーも食後のコーヒーも美味しいし、雰囲気も良いし、いい時間を過ごせました。海辺を散策して駅に戻ります。

大湊駅の待合室内は、次の列車14:13発の普通野辺地行を待つ人が長い列を作ってます。これは窓際に座るの無理そうだな。ホームにもなかなか入れず、まずは14:02に乗客満載の下り普通列車が到着、下り列車の乗客が全て改札口から出て、やっと上り列車の改札が始まります。
何とか海側進行方向逆向きの席に並んで座れました。しかし混んでる。地元の人も多い。


座席の確保が出来たところで列車の写真を撮っておきます。乗車する14:13発の野辺地行は、さっき見たキハ100の2連。隣のリゾートあすなろは15:59発。
帰りは大湊線では数少ない全駅に停車する普通列車でしたが、駅間距離が長く、線形も良いので飛ばす飛ばす。車体長の短いキハ100が奏でる独特のジョイント音、「タタン・・・タタッタタッ・タタン・・・タタッタタッ」(うまく表現できません)が聞いていてとても気持ちいい。それと野生動物が多くいるのか、区間によっては汽笛を長音で頻繁に鳴らして走ります。

15:14、野辺地着。このキハ100形も登場して32年か。登場時は気動車なのに白い車体にびっくりしましたが、今も美しい白のままなのも素晴らしい。もう名車と呼べる域に達しています。

野辺地といったら防雪林、そしてここに南部縦貫鉄道の乗り場がありました。南部縦貫鉄道といったらレールバス、クラッチ踏んでギアをチェンジするのが面白かった。沿線の風景は、御伽の国に迷い込んだみたいな独特の雰囲気で、本当に素敵でした。社会人になってすぐの頃で、カメラを持たずに旅行していた時期だったので、一枚も写真に残していないのが悔やまれます。
15:30発の青い森鉄道の青森行で、今日の宿泊地の浅虫温泉に向かいます。
(乗車は2022年11月)
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