延伸した福井鉄道のヒゲ線に乗車

昔の市役所前、福井城址大名町の1番線で停車しているのは、田原町発で福井駅前に寄ってきた後の武生行き電車。元名鉄770形の777番で、名鉄の"7"のフォントはパチンコやスロットの"7"にそっくりですので、ギャンブル好きが歓喜する電車のはずです。
ここで駅のスピーカーから「まもなく1番線に福井駅経由の田原町行電車が到着します」と、紛らわしい自動放送が流れます。もしかしてこれが福井駅に行くの?、この777がヒゲ線から来るのをこの目で見たばっかりですが、不安になってきます。

間違えて乗ってしまいそうな武生行を見送ると、ちょうどこれから福井駅経由の田原町行が来てすれ違い。

今度こそ福井駅にこれから経由する電車は、元名鉄880形。鉄道ファン誌でデビュー時の新車ガイドを、なんて素敵な電車なんだろうと眺めていたのは、40年も昔になるのか。名鉄時代には乗ることが出来なかったのですが、福井で出会えた縁に感謝です。

一番前の座席に座り、名鉄フォントを見て嬉しくなり、

降車ドアは3枚折れ戸だったんだな、そして後ろを見ればこの電車の特徴である、連続田の字窓、一人一人独立したシートのクッション、キノコ型にデザインされた貫通部と、写真に収めておきたいところが沢山あるのですが、狭い車体の手が届きそうな向かいの座席に、多くの乗客が座ってますので、カメラを向けるのは無理。
12:15発の予定でしたが5分ほど遅れて、距離にして0.7㎞のヒゲ線に向けて出発です。

一番前に座れたところですが、前方展望は、コロナ感染症防止のために設置された、運転室と客室を仕切るビニールシートが反射してしまい、肉眼では全然見えません。この辺が昔の福井駅前停留所だったところかなと、適当にカメラを向けて撮ってみたら、写真にすると意外とよく見えてます。

延伸した区間に入り、左にカクンと折れて福井駅停留所に着きます、延伸する前は「福井駅前」でしたが「前」が取れて「福井駅」停留所になっています。


慌ただしく田原町に向けて折返して行きます。ここに移転する前の福井駅前停留所は、狭い道路の併用軌道上にある単線の停留所で、車止めが無く、線路が道路の真ん中でプッツリ切れてるのが面白かったのですが、乗り場も2本に増えて、立派になったものです。さすがは福井県、さすがは新幹線の来る駅です。
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金沢9:02発のサンダーバード14号が運休しておらず、1時間前に福井に着いていた場合は、田原町経由で再度えちぜん鉄道側の福井駅に戻り、その後、福井名物のソースカツ丼とおろしそばのランチを予定してましたが、次に乗る越美北線まで20分しかありません。ランチは、駅の立食いの今庄そばの鰊そばにして、さっと済ませます。
お洒落に変身した田原町駅を、乗換時にじっくり見ることが出来なくなってしまったのが残念ですが、ソースカツ丼とおろしそばなら、私の家の近くに越前そばの店があって、福井まで行かなくても、とても美味しいのが食べられるので問題なしです。
(乗車は2021年6月)
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