江ノ電と湘南モノレール
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まずは江ノ電
江ノ電は小学生時代に2回と高校生時代に1回乗車したので今回で4回目、実に約30年ぶりの乗車になります。過去3回の乗車はいずれも激混みだったのですが、今回もやはり日曜日なので激混み。鎌倉駅のホームはあふれんばかりの人で、列は「つ」の字になって最後尾の人は白線ギリギリで線路にお尻を向けて立っている状態。しかし、私の乗車した日は雨の日だからかまだましだったようで、最近の最も酷い時には入場制限までされてしまうんだそうだ。台湾鉄道とも観光協定を結び、さらに外国人観光客を受け入れようという気のようで、もう地元の沿線住民のための公共鉄道から離脱し、遊園地のアトラクションに近いものになってしまったようにも感じます。
でもまぁ私も観光客なので乗ってみればやっぱり楽しい。可愛らしい小さな駅、民家すれすれ急カーブ区間に、海岸沿い区間、そして併用軌道区間、レトロな電車300型だって健在で、ローカル線の魅力というものをしっかり解っている台湾の人たちも大喜びだろう。他に印象に残った点は、あじさいと絡めて電車の写真を撮れるスポットは凄いカメラの砲列だった。また沿線住民の立てた、通称勝手踏切を閉鎖するためのフェンス設置を反対する看板も凄かった。駅も車内も人一杯でしたので今回は写真を1枚も撮っていません。
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そして湘南モノレール
これも約30年ぶり、その時の事もほとんど忘れ、気分としては初乗車で、実に面白かった。湘南モノレールの湘南江の島駅は、江の島方面から歩いて、江ノ電の踏切を、渋い味出してる江ノ島駅を右に見て渡り、交通量の多い2車線道路の信号を渡ったすぐ先、もうこの辺では観光客の姿はほとんど見られず、さっきの混雑はなんだったの?というくらい閑散としてきます。雑居ビルみたいな見栄えの良くない5階建ての駅は、1階から2階、4階から5階のホームまではエスカレーターもエレベーターも無いという今時珍しい仕様で、日本を代表する観光地というのに、自治体にも見放されているのかと思ってしまう。(一応wikiによると計画はあるらしい)
階段を上がった先に待っていた電車も凄かった。

500系という車両で、6編成のうち3編成は引退してしまった模様。(写真は大船駅で撮影)

車内はボックスシート。(これも大船駅で撮影)

分厚い背ずりのレトロな座席だ。シートの下の穴の開いた鉄板(ここに暖房機器が隠れているはず)も久しぶりに見る感じ、そして優しい光沢を放つエンジ色のモケット、いいなぁ~昭和の香りだ。

ドアの窓、間に横桟が入っているところなんか旧型国電(101系以前の茶色い電車)みたいだぞ。
そして走りもいい。3両編成の懸垂式モノレールなのですが、最後尾の車両から眺めていると、いくつもの急カーブや登り坂下り坂を、ガクガクゴキゴキ接連部を曲げながら、まるで竹でできた蛇のおもちゃのように走る。(かぶりつきをしたかったのですが、出発間際で最後尾に乗ってしまったのと、このモノレールは非常時しか車内の通り抜けが出来ないのです。)
まぁとにかく、短い区間ですが素晴らしき昭和の車両を堪能してきたぞ。しかしこの記事を書くにあたり、この車両を調べてみると実は1988~1991年製、昭和の雰囲気の平成車両だったのでした。
江ノ電とは違って観光客はほとんどゼロで地元の客ばかり、途中駅での乗降も多くみられます。5月に三菱系から経営共創基盤というバス会社の再生で実績のある会社に売却されたわけですが、なんだか応援したくなってきた。江ノ電よりも面白いぞと言ってみる。
(乗車は2015年6月)