樽見鉄道樽見線乗車記

乗車するのは大垣10:41発の樽見行、切り欠きホームの6番線から出発します。

CC Netの全面広告車。聞き慣れないCC Netという会社は、中部地区のケーブルテレビ局とのこと。
写真では車内ガラ空きですが、ホームでキヤ95の出発シーンなどを、のほほんと撮ったいるうちに、いつのまにか人が増えてます。そして今日は8月後半の土曜日だからか同好の士が何人もいて、運転室横のスペースは人がいっぱい。国鉄車両だと思って前面展望は諦め、進行方向右側のクロスシートに座ります。それでは出発。

しばらくは東海道本線と並走。

ちょっと離れたところで、1面2線の東大垣駅に到着。

揖斐川を渡ります。向こうに見える鉄橋は東海道本線。かつて大垣夜行やムーンライトながらに乗車し、この樽見線が近づいて来るのを見て「そろそろ大垣だ(ダッシュの準備だ)」となったところ。揖斐川を渡ると東海道本線は見えなくなり、初めての土地に入って行きます。

北川真桑駅(人の名前みたい)でMALeraラッピング車のハイモ330-702と交換。MALeraとは、この先にあるショッピングセンター、モレラ岐阜のこと。そして交換する列車は、土曜休日に本巣大垣間で運転される、お買い物列車みたいです。
そして次がモレラ岐阜駅で、乗客の半分がここで下車し、一列になってショッピングセンターまで歩いて行きます。樽見鉄道利用者の2割がこの駅を利用するそうで、こんな成功例があったのか。

11:07、樽見鉄道の中心駅、本巣に到着します。ここで交換するのは樽見発の列車で、ホームに出てぶらぶらしている人が多いので、こっちも乗り鉄さんが多いようです。

11:08、乗り鉄さんをたくさん乗せて、樽見鉄道オリジナルカラーのハイモ295-516が大垣に向けて出発。

私の乗った列車も、ここで11分停車しますので、ホームに降りてみます。鉄印帳を持って駅舎に走って行く人もいます。あちこちのローカル線を乗りつぶしていますが、鉄印帳を持ってスタンプを集めている人を見るのは、実は初めてです。乗ったのはハイモ295-617、廃線になった三木鉄道にいた車両で、樽見鉄道唯一のクロスシート車とのこと。

新型の樽見鉄道オリジナルカラー、ハイモ330-703もいますが、こちらは入庫。これで樽見鉄道に在籍する車両の6両のうち4両を見ました。

樽見鉄道といえば、石灰石輸送の貨物列車と、ラッシュ時には通学する高校生のための客車列車も運転していましたので、機関車と客車も保有し、旧国鉄第三セクター鉄道の中では大企業みたいな存在でした。ところが貨物列車も客車列車も2006年3月に運行停止、今は保有車両6両になってしまったとは、すっかりコンパクトになってしまったものです。
本巣を出発します。次が織部駅で、ここは駅前に道の駅があります。道の駅はローカル線の終着駅に建てて頂けると、我々のような車に乗らない旅行者も食事を楽しめて、少しはお金を使って沿線の経済にも貢献できるのですが、どうなんでしょう。せっかく終着駅にあっても、九頭竜湖駅のように、滞在時間がなくて何も出来ないのも困りもの。

ここからは左手の車窓が見どころで、セメント工場が見え、石灰石の採掘場が見え、今度は砕石?の採掘場(上写真)が見えます。そして川の対岸には名鉄谷汲線の廃線跡があるはずですが、ここからはよくわからない。帰りは反対側に座ろう。
木知原(「こちぼら」と読む)で多くのハイキング客が降りて、車内はボックスシートの半分が空くぐらいになります。国鉄時代の終着駅の神海は、可愛らしい駅舎がある島式ホームの交換駅というだけで、周りは何もなさそう。ここから1989年に開業した区間。

横を流れる川は根尾川で何度も渡ります。

岐阜県にも高尾駅があったのか。ホームに苔が綺麗に生えていて、降りる人はごく僅かの模様。

山間を進み、最後に渡る根尾川は、細くなって流れが速い。雨も降ってきました。

11:51、終点樽見に到着します。撮っている後側が大垣方面です。

大垣方面を向きます。長いホームです。確か樽見駅にはかつて、桜を観にくる観光客輸送のDE10が牽く客車臨時列車が走っていたんだよな。ちょっと検索してみれば、客車はオハフ33、50系、12系、14系だけでなく、トキ25000を改造したトロッコ風客車まで存在していたんだそう。そして蒸気機関車(C56 160)が走った実績もあります。樽見鉄道の全盛期は凄かったんだなぁ。1989〜2006年ぐらいの頃です。

機回し線で、線路はこれ以上もう伸びません。

外に出ます。面白いモニュメントです。駅前のトイレを借ります。

12分後の大垣行で帰りましょうか。

帰りは往きと反対側のボックスシートに座ります。

こちら側の景色で注目したいのは名鉄谷汲線の跡、これがそうなのか?

こちらは石灰石の採掘場。

本巣に着きます。かつて石灰石貨物列車がたむろしていだだろう側線です。ここまでガラガラでしたが、ボックスシートの私の前の席に人が座り、カメラをしまうことにします。
13:06、大垣に到着。大垣から別れる2本の支線に乗ったし、養老鉄道にも2019年に乗ったし、普通列車で東海道本線を乗り継いで行くことも無さそうだし、当分大垣に降り立つことは無いかもしれません。
* * *
おまけで大垣から美濃太田への道中で撮った写真

5分の接続で乗った東海道本線上り特別快速から見る、樽見鉄道の東大垣駅。

揖斐川を渡ります。気になっていた丈の低い古い橋は道路橋になってます。その奥の緑の橋が樽見鉄道。

今度は長良川を渡ります。11分で岐阜に到着し、

岐阜駅では、そろそろ引退となりそうな311系、

福山通運のコンテナ列車が来たぞ、EF210 300番台で黄色いライン合います。

気動車特急の最高傑作(だと私の思う)キハ85ひだ。

次に乗るのはこれ、太多線直通の多治見行、キハ75-3404…3400番台って、どんな番台?
武豊線用のワンマン車400・500番代を、武豊線電化→美濃太田転属に伴い寒冷向に改造したのが3400・3500番台だそうだ。

名鉄各務原線と並走して昨日来た新鵜沼駅を見ます。鵜沼ですれ違うのは、ロングシートのキハ25。

今度は木曽川を見ます。

美濃太田では、特急ひだのデビューしたばかりの新型車、HC85系が見れました。豪快なエンジン音を残して名古屋に向けて出発する様子は、見た目、ほぼディーゼル特急でして、クモハやモハを名乗るのは、ちょっと無理があるのでは…と、思うところです。
(乗車は2022年8月)
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