岳南電車乗車記


タイミング悪く電車は行ったばかり、誰もいないホームで約30分、次の電車を待ちます。

やって来ました1両の電車、広いスペースの真ん中を走らず、遠慮するかのように隅の方を走ってきます。この真ん中のスペース、かつてはJRとの貨車の引き渡しがされた場所でした。その貨物も2013年3月で運行終了、会社もそれを機に岳南鉄道から分離され岳南電車になっています。

乗車します7003、この顔はどうも違和感で一杯。スカートが無い事と、顔の下半分も赤く塗られたことで、元京王3000系のイメージはすっかり薄れ、地方鉄道のディーゼルカーみたいに見えます。

普通なら違和感があるはずの方のパンタグラフ側。キリリと顔が引き締まり、こっちの方が正しいようになってしまったと感じるのは私だけか。
それでは吉原13:59発の電車で出発します。乗客は10人ぐらい、一番前の席でかぶりつきを楽しませてもらいます。昔の発車ベル(電鈴のベル)が鳴り気分が盛り上がります。

東海道本線と分かれ右へ進路をとりますと正面に富士山がドーン。いい日に来た。5年前ではこの場所で撮影するも貨物が来る時に富士山は雲に隠れてしまったんだ。ジヤトコ前駅では4,5人の乗車がある。次の吉原本町は有人駅でここも昔の発車ベルが鳴る。そして本吉原、左側の敷地は元は貨物ヤードだったところだろう。その次の岳南原田もそうだ、今は葬祭場が建っている。

岳南原田で上り列車と交換し、ここから岳南富士岡までが、岳南電車で一番車窓が面白いと私の思う区間、まずは工場の中を突き進んで行く。


工場を抜けると左に貨物ホーム跡が見え、広い構内の比奈駅に到着。5年前はここで突放作業を見たんだ。ヤードはそのまま、架線まで張られたままで残り、線路は錆びついているものの、昔とほとんど変わらないのではないか。今日はたまたま貨車が1両もいないといった光景にも見えます。この駅の外には古い小田急の車両の廃車体がありましたが、無くなってしまったようだ。

比奈を出ますとまた貨物ヤード跡、ここも昔のままで、たまたま今日は貨車が1両もいないみたい。

岳南富士岡、機関車や貨車が脇で身を寄せ合っている姿に寂しさを感じます。

ここから3駅、2.8㎞が私の未乗車区間、ここを乗るためにはるばる青春18きっぷを使ってやって来たのだ。富士山は左横へ、正面には愛鷹山がどんどん迫ってくる。こうしてみると結構嶮しそうな山だ。

右へカーブが続き電車は海に向かって走るようになる。新幹線の高架が見えてきた、それを潜った所が終点の岳南江尾駅、あっけなく到着です。

ここで車両交換が行われます。今度の発車は緑の2両編成の電車、かぐちゃん号だ。

予定では駅の周りを散策するつもりでしたが中止、緑の電車に乗る事にします。この駅では3分の滞在、しかも外にも出ないで後にします。

2両編成のかぐちゃん号、車内は貫通路が広く見通しが良いため、赤い単行電車の3倍ぐらいの長さに感じます。岳南富士岡で一旦下車し機関車を見てから帰ろうと思います。






一つの時代が終わったんだなぁ~という寂しい光景だ。そして駅は無人になってしまったんだ。

でも猫はちゃんといた。
吉原に帰る電車を待つのですが、次の岳南江尾行きが折り返してくるので、もう一回岳南江尾に行ってみる。こういった時にフリー切符は助かります。

今度は赤いの同士の並び。

7002はちょっと早いですが賀正のヘッドマークを付けている。ちょうど新幹線と並んだ。またも駅の外に出ることなく、3分の滞在で吉原へ戻ります。
(乗車は2014年12月)
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