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土佐くろしお鉄道阿佐線乗車記

四国の鉄道乗り潰し旅行4日目の最終日は、高知から室戸岬を回って徳島へ抜けます。私の旅行プランにぴったりの「徳島・室戸・高知きっぷ(片道タイプ)」4,980円というのがあったのですが、予習不足でその存在を知らず、自動券売機で奈半利までのピラピラの切符1330円を購入して、高架化されてからは初めての高知駅構内へ入ります。

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ホームに上がって出迎えてくれたのは、今回の旅行で乗車できなかったキハ32の2連で21と19の伊野行。次に来る時は走っているでしょうか。四国は完乗してしまうので当分来ることはないので、乗るのは難しそうであります。

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私の乗車します高知7:03発の土佐山田行きがはるばる須崎から来ました。ここで1両から2両に連結作業。ドーム状の屋根からヨーロッパの駅みたいな雰囲気。この写真から後からトイレを付けたみたいです。

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この1000形というディーゼルカーにも初めて乗ります。千鳥配置のボックスシートに座って二段窓から駅を通過するのを眺めていると急行に乗車しているみたい(この列車は普通列車ながら数駅通過するのです)。2駅過ぎたところで高知の車両基地をすり抜け、土佐大津では土佐くろしお鉄道の車両と交換。7:16、後免に到着します。

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ここからが乗り潰しの区間です。2分の接続で7:18に出発する土佐くろしお鉄道阿佐線の奈半利行き。通勤通学客が一杯で、席はすべて埋まり座れず。旅行で乗る列車は空いていた方がいいのですが、ローカル線では複雑な気持ちになるもの。今回は素直に「無事に開通出来て良かったね」と思えます。

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座れないのをいいことに、一番前のドア横でかぶりつき、出発するとすぐに高架を駆け上がります。この運転席の、次の停車駅や制限速度を音声で知らせるシステムも、女性のアニメ声?が選択されていました。

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後免町では昨日乗りましたとさでんを見下ろします。ここから安芸までは土佐電気鉄道安芸線が昔あった区間で、この600形も走っていました。

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とは言っても、土佐電気鉄道安芸線の廃止が1974年で、土佐くろしお鉄道阿佐線は2002年開業の新しい路線なので、その遺構みたいなものは、素人には全く見つけられません。のいちで対向列車と交換。ここで少し空きまして進行方向右側の座席に座ります。

のいちから二つ目のあかおかでも交換。たくさんすれ違います、そして上りも下りも乗客が多い。本当に開通出来て良かったです。あかおかからは海沿いを走ります。ちょっと高いところから望む海側の景色は素晴らしい。それにしてもこの赤い転換シート、なんて背ずり高いんだ。欧米サイズの座席を間違えてオーダーしてしまったみたい。前方は赤い壁で全く見えません。そして左側山側は、朝の日差しを遮るために、すべてのカーテンがぴったりと閉められて全く見えず、存在しないみたいな感じです。このまま終点まで、個室寝台に乗ったみたいな限定された視界になりました。

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この路線では各駅に、駅名を名字としたやなせたかしさんのキャラクターが設定されています。ここ香我美駅は、香我美みかんちゃん。何でみかんなのかよくわかりませんが、どの駅にも停車するとトンボが一杯飛んでいるのが見えます。また津波から避難するための高台が所々に設けられています。

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夜須の駅前にはレジャー施設みたいのがあります。なんだろう。後で調べると、ただの道の駅でした。夜須を出たらトンネルです。ひたすら平坦な海岸線を走るのかと思ったら違うんだ。土佐電気鉄道の安芸線もトンネルでこの間を走り抜けていたようです。面白い路線だったんだろうなぁ。

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トンネル出たら海岸線、さっきより高いところ走り、波打ち際も見えるようになりました。今日は天気もいいので、この路線名物のオープンデッキ付車両だったら最高だっただろうなぁ。

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和食駅で交換。和食と書いて「わじき」と読みます。ここのキャラクターは和食かっぱ君。どうして「わしょく」と読むことにして、ご飯君とかみそ汁君とかにしなかったんだろう。この鉄道にはシャレがわかる人がいないのか。食べ物のキャラクターは、やなせたかしさんの一番の得意分野ではないか・・・、そうか!代表作と被ってしまうので、やりたくても出来なかったのか・・・、と勝手に解釈。

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約20分強、車窓は右側海側限定だったので、海と砂浜と松林しか見てなかったのですが、球場前付近でようやく町並みが広がり、道路が渋滞しているのを目にします。しばらくぶりに見る人の住む気配に、北海道のローカル線の過疎地でも走り抜けたみたいな感覚です。この駅では降りる人も多い。次がこの路線の代表駅の安芸、左側には車両基地が広がっているはずなのですが、これも閉ざされたカーテンで全く見えず。

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再び海岸線。海沿いを走る路線はたくさんありますが、たいていは線路と海の間に道路があるもの。こんなにスッキリきれいに海を望める路線は他にあったっけ。そうだ!思い出した、乗ったのは25年以上も前ですが日高本線が凄かったのだ。この路線は海岸線ギリギリだった故に、一部区間はその歴史を終えようとしています。

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1時間4分の乗車、8:22に終点の奈半利に到着します。1面1線のシンプルな終着駅です。

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乗車しました9640(クロシオ)形の9号。

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これが欧米サイズのを間違えてオーダーしたかのような背ずりの高すぎるシート。

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駅からの景色も景色もなかなかよい。1階には物産店があり地元の野菜なんかも販売していており、宿毛駅みたいな使われ方をしています。

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室戸方面へ向かうバスまで時間があるので、海まで行ってみます。

(乗客は2016年8月)

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関連タグ:JR四国土佐くろしお鉄道旧建設線の第三セクター路線
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土佐くろしお鉄道宿毛線乗車記

次の乗り潰し路線は、国鉄時代に工事が凍結されるも第3セクター方式でめでたく開業できた土佐くろしお鉄道の宿毛線。宿毛での長い待ち時間を活用して、中間駅の東宿毛から終点宿毛へ向けて1駅乗車し、終着駅に到着するというのをちょっと味わい、それから改めて起点の中村へ行って乗り潰しを完了させようと思います。

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さて、この東宿毛駅、私にとって気になるのが、宿毛の町の中心部にありながら、どうして普通列車しか停まらない駅なのでしょう。私は宿毛市役所前というバス停から数分歩いてここまで来たのですが、この鉄道に出資している宿毛市の職員は鉄道に乗らないのでしょうか、高知県庁に打合せに行く時も車なのでしょうか。自治体の内情はよく解りませんが、東京都が大江戸線の中心ターミナルを都庁の真下に設けたり、千葉県が他に交通機関が沢山あるにも関わらず県庁までモノレールを強引に引っ張ってくるのをちょっと見習い、市役所近くの駅に特急ぐらいに停めてもいいんじゃないかと思うのですが、実際のところはどうなんでしょう。ちなみに宿毛線に乗り入れる特急は、1997年の開業時は6往復だったのが、現在1.5往復にまで減ってしまっています。

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乗車します東宿毛13:57発の下り列車が元気よくトンネルから出てきます。

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1両のワンマンカーですので後ろから乗車。宇和島駅で見送った海洋堂ホビートレインに乗車すれば、宿毛線起点の中村からこの列車に乗れたのですが、どっちが良かったんだろう。

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新しい路線ですので高架線を3分走り、

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行止り構造の終点宿毛に到着、東宿毛からの乗車で、終着駅に到着するのを味わうという目的は一応達成。

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この顔の軽快気動車も全国的に見れば数を減らしているはず。赤黄カラーの、今までの鉄道車両の既成概念にとらわれないブッ飛んだ塗装っぷりは、もう見事であります。

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駅の外へ、明るく軽快なデザインの駅ですが、手前の方の建て替えられた箇所は、強烈な印象を残した10年前の事故の痕跡。中は地元で採れた農産品などを販売する一角もあります。

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改札が開きホームに上がると、次の14:34発の中村行き普通列車は赤黄ぶっ飛び塗装の方。

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土佐くろしお鉄道の普通車といえば、車体中央部が大窓になっていて、そこは転換クロスシートというのが特徴ですが、この車両はオールロングシート。一番前の席に座ります。乗客はどんどん増えてほとんどの座席が埋まり、立つ客もちらほら。愛南からのバスで一緒になったお遍路さん親子もいます。混んできましたのでカメラは控えることにします。

それでは出発。高架区間を一走りで先程の東宿毛駅。ここではキャップを被ったおじいさんが一人乗車。トンネルに入ります。長い長い、ひたすらトンネル。出たところが平田駅で、ここでお遍路さん親子は下車。息子の顔には少し疲れも感じられましたが、二人の後ろ姿はとても格好いい。「頑張れ!息子」と声をかけたくなります。次はちょっと走って工業団地という駅に到着。駅名の通り、工業団地の中にあります。ほとんどの窓が空いている工場はどんな会社なんだろう。ここも自治体が造成して企業を誘致して出来たものと思われますが、特急を停車させて利便性をアップさせようという考え・・・は無いというか、車が当たり前なんだろうなぁ。またトンネルで次の有岡は宿毛線中間駅で唯一の交換駅。その後は、眠ってはいないのですがあまりよく覚えていません。最後に四万十川を渡って中村の街に入ります。内陸部の鉄道路線は一般的に河川に沿って建設されますが、ここ四万十川に関しては全く当てはまらず、中村線予土線との位置関係は地図を見て、なるほどこうなっているんだといつも感じるところ。

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30分の乗車、15:04に終点の中村に到着です。

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6分の接続で15:10発の特急南風24号に乗り換え、ここから先の中村線は約20年前の鉄道旅行で乗車済みでして、どうして末端部の宿毛線に乗っていないかというと、その時は宿毛線は開業していなかったから。

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中村を出てすぐ四万十川の支流を渡ります。この場所には20年前に中村での長い待ち時間あまりに暇なので来たことがあります。トラス橋なのでいい写真は撮れません。しかも撮ったのは単行普通列車1本のみ。

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土佐白浜から土佐佐賀にかけての海岸沿いの景色といい、ループ線付近の深い森の景色といい、中村線の景色は予讃線西端部に負けないぐらい海山川3点揃って本当にダイナミック。

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私の持つフリー切符は高知までですが、16:46、途中の伊野で下車。列車を見送ります。今回と前回の旅行ではJR四国の2000系特急に3回乗りましたが、3回ともアンパンマン特急に当たりました。

(乗車は2016年8月)

前の記事:宇和島バス(宇和島~宿毛)乗車記
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関連タグ:土佐くろしお鉄道旧建設線の第三セクター路線旧国鉄の第三セクター路線
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Author:QJ7000
おじさん鉄道ファンの日本の鉄道の乗車記録です。2012年、ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになり、乗りつぶしをスタート。その時の未乗区間は7,818.4kmでしたが、12年目にしてあと1,002.5kmになりました。すべて乗りつぶすには、今の生活パターンだと、まだ7,8年ぐらいはかかりそうですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事をご覧になりたい方は下のカテゴリーの「年別目次」からどうぞ。

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