北条鉄道北条線乗車記

粟生駅にて、左の草生した線路が北条鉄道北条線、右の除草されていて線路も太く電化までされているのがJR加古川線。昔は同じ国鉄でも、第3セクターに引き継がれたのと、JRに引き継がれたのの違いを象徴するような風景です。

やって来ましたピンクのフラワ2000-1。この路線は本社・車庫などが終点の北条町にあるので、3社もの鉄道が乗り入れる(一応)大ターミナルのこの駅においては一番影が薄い。

この駅の駅舎と反対側の下り加古川線と北条鉄道のホームには勝手口みたいのがあって外に出られます。これは外から撮った写真。こうして改めて見ると、JRと接続線路は撤去されているんだ。「線路は続くよ~、ど~こま~でも~」というのは国鉄時代の歌、今は北条線沿線の子供たちには通用しない。悲しいことだ。

ホームのかさ上げもついでにやって貰えなかったんだ。乗車するのは粟生駅10:10発の列車、かぶりつき席は地元の方が座られましたので右側ボックスシートに収まります。座ってみて気になるのは、天井の方から時折聞こえる異音、金属が擦れ合うような音で、クーラーの送風ファンにでも異常があるのでしょうか。
出発間際にも多くの乗り換え客があり、この時間帯ですのでお年寄りばかりですが乗客は10人以上にもなって出発です。異音は止まません。ふと天井を見るとその正体が分かりました。

これは秋らしくていいではないか…と、思いたいところですが、2年前から健康診断で耳が悪くなっていると診断されている状況で、ついに鈴虫の音色と金属音の聴き分けも出来なくなってしまったのかと…、ショックの方が大きかったです。というわけで写真を撮る事もなく、ただボーっと車窓を眺めているうちに22分が過ぎ、終点の北条町に到着。印象に残ったのは、車窓は都心で生活する者にとっては実に日本らしい心温まる農村風景である、いくつかの木造駅舎がとても味わいがある、沿線のあちこちにシラサギが沢山いた、そして女性従業員が多い事。
運転手さんは眼鏡をかけた若くて可愛らしい女性で乗客のお年寄りに優しく対応し、駅員さん(ボランティア駅長さん?)も女性で元気な笑顔できびきびと業務に当たり、どこかの行政が製作した、テーマ「女性が輝く職場」のビデオでも見ているような感じです。国鉄加古川線支線3兄弟の最後となってしまった北条鉄道、頑張ってもらいたい。

北条町では2両のフラワが並びます。

紫のフラワ2000-2。この顔の車両も日本各地で誕生したも、新型車の登場や、路線の縮小や廃止で引退したのも多いはず。それにしても海外へ渡るのも出たというのは時代も変わったなぁ。

もう1台緑のがあったはず、ホームの裏側を覗いてみると車庫でお休み中でした。これは廃止になった三木鉄道から転属してきたんだそうだ。

駅は図書館やテナントが入る複合ビルに直結している。ここから大阪や姫路へのバスが発着しているようです。やはり、鉄道を利用するより早くて安くて便利なのでしょうか…。
この駅には8分の滞在で、粟生駅に戻ります。
(乗車は2014年9月)
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