JR七尾線・のと鉄道七尾線乗車記2

まずは2番ホームから1番ホームを望みます。手前1両が穴水まで乗車して来た車両、奥の2両編成がこれから乗車します16:20発の七尾行きになります。おかしな天気のおかげでそこそこ明るいのに影が無くて不思議な光景、アートフィルター等の加工は全くしていません。

2両編成の手前に描かれるキャラクターは「のとりあーな」ちゃんだそうだ。

そしてこっちの車両はもっとすごいぞ。
最近のローカル私鉄によくあるお客さんを呼ぶための、車両の内外装の改造またはラッピング方法として、
①水戸岡先生にお願いする
②昔のアニメキャラの力を借りる
③萌え系の力を借りる
この3通りが多いように思えるのですが、①はまぁ非常に一般受けするので理解できる。②は古いアニメばっかりに思えるのですがどうなんだろう。ずばり鉄道会社さんは、おっさんを対象にしているのだろうか。純粋に子供がうわーっと喜べそうなのは、アンパンマンとドラえもんぐらいではないだろうか、キティちゃん電車やポケモン機関車なんかも出てきても良さそうなのに、この辺はお金の件とか大人の事情もあるのでしょう。そして③、私としてはちょっとなぁ…という感じでして、突っ込んだコメントはしませんが、これ目当てで遠方からお客さんが沢山来るのならすべて良しでしょう。

しかしこうやって丁寧に描かれた女の子の絵をずっと見ていると、だんだんこの世界に引き込まれそうにもなってくる。どんなストーリーなんだ?どの子もみんな可愛いのですが、主役はどの子なんだろう。


さて今度は0番線に保存されている車両。0番線は今まで乗って来た側と反対に向いています。そうなんです。ここから線路は二手に分かれ、輪島まで20.4km、蛸島まで61.0kmもの路線が存在していたのです。0番線という表示からなんとなく連想されるように、能登半島の鉄道を登山にでも例えれば、今は終着駅の穴水駅はまだ五合目、ここで一息入れて再スタートをする場所といったところ。
津幡から穴水まで87.5kmを乗車して、能登半島の鉄道は全部乗った事にしてしまいましたが、当時からしたらまだ半分なのです。自分のやっている事(乗り潰し)もなんだか少し馬鹿馬鹿しく感じて来ます。輪島への路線の廃止が2001年、蛸島の方は2005年の廃止ですので、実は意外と最近で、その気になればいつでも乗りに来れた路線なだけに、よけい悔しい。まぁ仕方ない。

中を除くとバブルの雰囲気プンプンのNT800型。この車両の経歴については他でもいろいろ書かれていますので、ここでは省略いたしますが、保存されているのが痛々しく感じるほど残念な経歴でして、うーん、仲間と一緒にミャンマーに行けなかったのか…(要人専用車両なんかになったりして)。

さて帰ります。そろそろ夕暮れの空と共に、女の子たちともお別れ。手を振ってくれているではないか。
ここから七尾までは、もう乗車してから3カ月以上過ぎたので良く覚えていない。寝てたのか?、ちなみに来る時乗った車両のクロスシートの配列は1+2列でしたが、帰りは2+2列でした。そして乗客のほとんどが高校生でした。

七尾駅ではまた雨。ここから乗車するのは17:06発の普通列車美川行きは415系800番台、七尾線初乗車ですのでこの電車も初めてです。登場時は、直流区間しか走らない485系から交流器機を113系に移設して415系にし、交流器機の無くなった485系は183系にしてしまうというのに、なかなか面白い事するなぁと思ったものです。私の乗車したのは初期の113系からの改造のようで、窓はユニットサッシでないタイプ。

そしてトイレのこの窓の形状に、うわっ懐かしい~と思わず写真を撮っておきました。
出発しますが外は真っ暗。ほとんどウトウトしながら過ごしてしまうのですが、津幡手前では上手い具合に起きて、内部の照明がバチンと落ちる、古い電車ならではの交直デットセクション通過を久々に体験できました。
ちょうど夜でして白熱灯の非常灯が優しく光り、惰行状態でのふわふわした感じの乗り心地に、室内照明が無い状態でないと見えないちょっと違った外の景色。いいなぁ~、夢の中で電車に乗ってるようだ。
非常灯は壁に着いた縦長の物で、485系から交直切替関係の器機を移設したとの事ですが、485系の非常灯は天井に付いていたはず(この辺はうろ覚え)。この非常灯は廃車になった401~系や451~系あたりから移設された物なのでしょうか。
ところでこの七尾線、(今更ながら)なんで直流電化なんだろう。調べてみたら天井川をくぐるトンネル内の絶縁の問題を考慮してこうなったんだそうだ。それならば天井川を一跨ぎしてしまう鉄橋を作ってしまえばいいのに…とも思うのですが、変電所を作る方が設備投資も少なくて手っ取り早かったのでしょう。交流電化にした所で、この415系を含む古い交直両用電車は直流モーターで走っている事ですし。

金沢に到着。中間車の車端部の窓は小窓が2つ並ぶんだ。細かい所でこんな手の込んだ改造をしてるとは知らなかった。萌え系のラッピング車両より、萌えてしまう。しかし金沢駅ではもっと感動してしまう車両と出会う事が出来まして、



475系の旧塗装車が停車中でした。東京都の西の方で育ち親戚は関西と長野県、子供の頃、交流区間とは縁の無かった私にとって交直両用急行電車は憧れでして(何故か交直両用特急電車より)、特に車体裾にクリーム色の細い帯が入ったのは写真でしか見た事が無かったもの。カッコいいなぁ~。
駅下の食料品売り場で閉店間際で安くなったお寿司を買って、しらさぎ16号、ひかり536号を乗り継いで名古屋へ、この日は駅前のビジネスホテルで就寝。
(乗車は2013年11月)
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