秩父鉄道乗車記2(急行秩父路・寄居~熊谷)

9:08、寄居を出発します。ここからが私の秩父鉄道の未乗車区間になります。

しばらく八高線と並走します。八高線側は何度も乗車しましたがこちらは初めて、この折れそうな細い架線柱がいつも気になっていました。

右にカーブして八高線と別れます。八高線は勾配を登って行きます。平坦そうな路線ながら荒川水系から利根川水系へと分水嶺を越えるんだな。ちなみにこの1週間後、関東を直撃した台風19号の影響で、八高線のこの区間(寄居〜北藤岡)は1ヶ月半もの間で不通となってしまいます。

なんだか新しい島式ホームの駅をしれっと通過。1989年に開業した桜沢駅で、貨物列車用の待避線(通過線)がありませんので、秩父鉄道の駅としてはちょっと異彩。そしてこの辺の架線柱はコンクリート製が続きます。

直線をスタコラ走って、秩父鉄道でよく目にする古レールを組合せた架線柱に変わって、小前田駅をしれっと通過。今度は2面3線の秩父鉄道らしい駅。

かぶりつきをしていますと、ついつい架線設備に注目してしまうのですが、ここのはとても面白い。右はおそらく昔からの古レールを組み合わせた柱の片持ち式で、左側に木製の柱を立ててワイヤーで引張っています。詳しくは解りませんが、こんなのは珍しいはず。

田んぼの中になんだか場違いな駅が現れたぞ、しれっと通過。ふかや花園という2018年10月に開業した駅で、Wikipediaによると、ここにアウトレットモールの建設をしたいのですが、優良農地だそうで商業施設の建設が出来ない、それを解除するために作った駅なんだそう。

今度はちゃんと秩父鉄道らしい貨物列車も退避できる駅、永田です。交換のためしばらく停車します。向こうから来るのは小豆色塗装の急行秩父路3号です。

横を通過し、いい写真が撮れるぞと思っていましたが、そっちに行っちゃうか、残念。

さぁ、秩父鉄道の寄居熊谷間の一番の主要駅、武川が見えてきました。熊谷貨物ターミナルへ通ずる三ヶ尻線との分岐駅で、電気機関車の基地まである、貨物輸送の中心駅です。ここは停車、ちょっと後ろのクロスシートに移動して写真を撮ります。

何機も電気機関車は停まっていたものの、撮れたのは2枚、青い506と、

緑の505。秩父鉄道の電気機関車は、ずいぶんカラフルになりました。元国鉄101系である1000系の末期のカラーには、一応秩序みたいのがあったと私は思うのですが、このデキたちに関しては本当に自由です。

でもヲキフ君は黒一色。

武川出発時も結局はガラガラな急行秩父路6号の座席です。この時間帯の急行列車の先行きが心配になってきました。ところでこの座席は、さっき乗ったニューレッドアロー号で使用されていた古いリクライニングシートだそうで、この車両自体はニューレッドアロー号に足回りを提供した旧101系の後期型にあたる新101系です。どう表現したらよいのやら、時間が複雑に絡み合ってしまっています。

左に別れるのは熊谷貨物ターミナルへ通ずる貨物線の三ヶ尻線で、上越新幹線の車窓からも見える路線です。その後またもや貨物列車の待避線が無い1985年に開業したという明戸駅を通過。

次は待避線が2本もある大麻生という偉そうな名前の駅。元東急8090系とすれ違います。

大麻生からは複線の用地が確保されています。右側は見事な桜並木で、何があるのかと地図を見れば、荒川の河川敷にあるゴルフ場でした。

広瀬川原車両基地が左手に広がります。C58が写っているのは帰ってから気がつきます。

2003年に開業した、ひろせ野鳥の森をしれっと通過します。

この付近も右手に複線用地が残ります。

上越新幹線の下を潜ります。

石原駅を通過します。構内が広いですがどんな歴史があるのでしょう。

左に現れる線路は、1983年に廃止された東武熊谷線の跡のはずです。

左にJR高崎線が見え、東武熊谷線と共用していた上熊谷駅を通過します。

上越新幹線の下を潜ります。秩父鉄道の熊谷駅は、JR高崎線からだと、新幹線の高架の反対側に駅があるのでよく見えません。このトンネル(みたいなの)は、未知の世界に突入するみたいな感じがて楽しいなぁ。ちなみに帰ってから知るのですが、上越新幹線が開通する前は、国鉄〜秩父鉄道の貨物の受け渡しは熊谷駅で行なっていて、それが出来なくなって三ヶ尻線が開通した経緯があります。

秩父鉄道の熊谷駅が見えてきました。上越新幹線の南側に始めて来ます。

9:30に熊谷に到着。御花畑から55分、けっこう乗ったんだなぁ。これで秩父鉄道の未乗車区間の約半分の18.9kmを完乗。ここもラグビーワールドカップのホストシティーだったんだな。

かぶりつきに夢中で、車内は落ち着いて見れませんでしたが、ここが一番いい座席みたいです。秩父鉄道の急行も、実は歴史が長くて、Wikipediaによると湘南窓300系の急行秩父路が走り始めたのは1969年。ということは今年で50年なんだ。

座席は秩父鉄道の急行史上で最も豪華ですが、この辺から見るとモロに西武101系で、急行列車らしくありません。でも2丁の菱形パンタグラフは格好良いです。
(乗車は2019年10月)
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