真岡鐵道乗車記(下館~北真岡)

下館を9:54に到着する小山発の水戸線を降り、トイレに入っていると、気持ちのいい汽笛の音が聞こえます。急いで(急がせて)ホームに出て、もおか号の入線シーンを見学します。通常下館への送り込み回送列車は、DE10が牽引するはずですが、今日はC11。茶色い50系3両を両端に蒸気機関車がサンドイッチするなんて、素晴らしい絵になったではありませんか。

回送列車を牽引してきたC11 325は切り離され、そのまま側線に留置されます。切符売り場のお兄さんによると、C11は本日下館駅で10:50~15:00に開催される「SLきょうしつ」で使用されるとのこと。

本務機はお馴染みのC12 66。ここは、1本の普通列車が発着する間、ホームから距離をおいて蒸気機関車を見学できるのがいいところ。ここで同行者のお子様に、蒸気機関車の構造を簡単に説明します。「石炭は後ろ、水タンクはここ、あそこで石炭を燃やしてお湯を沸かし、蒸気があそこにたまってこっちに来て、シリンダーを・・・」、あまり反応がないのでまだ早かったか。

ホームを塞いでいた普通列車が出発し、そろそろもおか号が動きます。蒸気機関車の真横に来て観察です。「いい?車輪の上の棒(逆転棒)が動くよ、下に下がると前進、上に上がるとバックだよ。ここはすごく大事なところだからしっかり見てね。」そして耳をつんざく汽笛の音。小さな子供が泣き出してしまうのは、お馴染みの光景。力強く本線に一旦引き上げるC12。あれっ?SL教室のC11がぶら下がっています。
ホームに入線しましたらC12をバックに記念撮影し、空いていた2号車に乗車します。ここで残念な車内放送、「本日のもおか号は、機関車不具合のため真岡までの運転となります。SL教室も中止します。大変申し訳ありません。」とのこと。さっきまで乗務員さん達の顔色がさえないと思っていたら、そういうことだったのか。2012年の水戸線乗り潰し中、下館駅でもおか号を見学したときは、子供に帽子をかぶらせ運転席に乗せて記念撮影に応じていたのに、今日はそういう雰囲気が全く無かったのも気になっていました。(私もお子様連れの特権で、一緒に運転席に入れるかもと期待していたので・・・)これは仕方ない。真岡鐵道の関係者はもっと落ち込んでいるんだろうなぁ。不具合なのはC12のようです。
それでは数分遅れて出発。運転区間は短くなってしまいましたが、予定外のプッシュプル(とは言わないか?)運転となり、前から汽笛、後ろから汽笛、前後からブラスト音が楽しませてくれます。お子様はというと、沿線の方々、撮り鉄の方々が手を振ってくれるのが楽しくて仕方ない様子。もしかして窓が開く車両に乗るのは初めてか。蒸気機関車の煙もあまり気にしません。この窓を開けて風を感じて、列車と一体になった感、これが乗り鉄の最高の贅沢なのだよ。しっかり覚えておくように。それと窓から手を出さないように。
50系客車にも久しぶりに乗車します。静かで揺れず、冬も隙間風が入らず暖かい超快適な車両だったイメージでしたが、今日はよく横揺れします。この50系や51系が走っていたのは幹線が主、これは線路が原因なのでしょう。でもこれが楽しい。今でも私にとって素晴らしい車両なのには変わりません。
運転区間が短くなってしまったのでそろそろ終点、寺内出発シーンで、後ろのC11のブラスト音が特に大きかったのは、やはりC12の調子が悪いのか。真岡手前の開けた場所は有名撮影地のようで、たくさんの三脚が並んでいます。この人達にとっては、今日はプッシュプル運転になってラッキーです。


真岡に到着。前のC12は、すぐに切り離され茂木方面に引き上げ、側線に戻ってきます。ここで後ろのC11も50系客車を押して茂木方面へ、ここで、写真は撮れませんでしたが、視界の中に2機の蒸気機関車が同時に別々に動くのを目にすることができました。たぶんこれは凄いことなんだと思います。


C11も側線に戻ってきて客車を切離し、車庫の中に消えて行きました。お疲れ様。それとC12よ、今度は元気な姿を見せてくれ。

側線に留置されます50系客車、不運な車両でしたが、色は変われど、ここまで原形に近いのは本当にありがたい。


ホーム上で切符の払い戻しをして真岡で下車し、小さな鉄道博物館のSLキューロク館に行ってみます。真岡鐵道乗り潰しの目的は果たせませんでしたが、ここSLキューロク館は、全線ガッツリ蒸気機関車列車に乗車してしまうと来れない場所でもあります。それにしても圧縮空気で蒸気機関車を動かすというのは、いいアイデアです。変な建物ですが、時報と共にここからキューロクが出てくるのは、ちょっと感動します。ここでも逆転機の説明をしようとしましたが、なぜか逆転棒が上がった状態で前進してます。そして下げた状態でバックします。まぁいいか。
それとキューロクに連結されるヨ8000にも乗車してきました。これも面白くて、同行者ほったらかしで車内の観察。北海道でも寒くないよう窓は二重、灰皿は2箇所もついている。ベットがあれば何日だって快適に生活できそう。でも暑いときは大変だったかもしれません。
その後は、観光案内所のパンフレットを見て、タクシーでリス園へ。食事もとらずウサギと遊び、タクシーの運転手さんに教えてもらったギャンブルの神様の神社に寄り道し、北真岡駅まで線路沿いを1km程歩きます。あっ!ここは桜並木と菜の花の超有名撮影地だ。同行者のお子様は「お腹すいた~」、「(リス園の)お蕎麦屋さん(閉まる前に)行こうって言ったけど、ウサギと遊んでたじゃん。ここは頑張れ。」

帰りは北真岡から乗車したので、乗り潰しは1駅分伸びました。下館に着いてコンビニに入り、まずは何か食べることにします。
(乗車は2018年6月)
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