東武6050系快速乗車記2(下今市~会津田島)

G2281551dsc.jpg
浅草7:10発の乗車しました快速列車が下今市の2番線に9:03に到着します。ここで切り離し作業が行われ、後続の特急けごん1号と接続して、会津田島・新藤原行が9:11、東武日光行が9:15にそれぞれ出発します。この列車はここで単線の鬼怒川線上り列車と交換もします。隣のホームの4番線では6050系普通列車の連結作業も繰り広げられます。

G2281549dsc.jpg G2281559dsc.jpg
左が9:05着の東武日光発4連、右が9:09着の会津高原尾瀬口発の2連。どっちも前パン車が先頭です。格好いいなぁ、じっくり写真を撮ってみたい。この列車は新栃木行でして、前パン車は浅草には行かない運用に基本入るみたいです。霜取り用のパンタグラフですのでこの姿が見られるのは冬だけなのでしょうか。

G2281561dsc.jpg
6050系が2本並んで、そろそろ出発です。停車中には行先表示幕が回され、3段の表記で上段から東武日光・(新藤原)・会津田島だったのですが、東武日光がなくなり2段になります。途中「たびし」「林間学校」なんてレアなのも出てきます。下今市からは各駅停車になりますが、快速の表示はそのまま。

下今市まではモーターの音を聴こうと2両目のクモハ(正式にはモハ)に乗車していたのですが、ここからは先頭のクハに移ります。1歩車内に足を踏み入れてみて「おぉっ」と声をあげてしまうほどびっくりな事がありまして、それは床下から響くコンプレッサーの音。とても古いもののようで、ヒョコヒョコヒョコヒョコ・・・と、こんなんで複々線区間をノンストップで爆走していたのかと思うほど弱々しい音なのです。これは地方ローカル電鉄の電車でもなかなか聞けないような古い音。6050系のコンプレッサー含む電動機や台車等の主要機器は6000系からの流用なのですが、Wikipediaによるとこの流用されたコンプレッサーは、DH-25という形式の、なんと戦前に設計されたものらしい。クハに乗り換えて良かった。

青帯スペーシアのけごん1号が到着。こちら会津田島行に移ってくる乗客はなし。そして同時に出発します。右に急カーブして鬼怒川の支流の大谷川を渡ります。左車窓に男体山がドーンと見え、乗客のみなさん一斉にシャッターを切っています。1両目の乗客の半分は観光客だったのでした。川を渡りきったら大谷向(だいやむこうと読む)に停車、静かな車内に突如ヒョコヒョコと壊れかけたみたいなコンプレッサー音が響くのは風情があってちょっと感動もの。ドアはボタン式ではないので乗客の乗り降りが無くてもすべて開いてしまいます。

ちょっとトイレに行って用を足してきます。このトイレの臭いもなんか懐かしいなぁ。縦長のトイレ明かり取り窓の内側は縦桟が入り、少しは豪華な造りにしようという設計時の気持ちが伺えます。小さな手洗い台には鏡もついている。トイレ反対側は座席が無くちょうど車椅子を置けるスペースで、分別しない古いタイプの「くずもの入れ」があります。

車窓はというとローカル線らしい風景の中をのんびりと走ります。とにかく急カーブが多くて全然スピードが出せません。路面電車の専用軌道を走っているみたいです。新高徳ではスペーシアと交換しますが、急なポイントのカーブで車体をくねらせ、狭い島式ホームに入線する様子は、江の電に新幹線車両を入れたというか、小川に鯨が迷い混んだみたいです。日光線は全線複線であれだけ立派なのにどうしてこうなのか。国鉄と競合しない区間なので建設費をけちってこうなったのか。

実はこれ、帰ってからWikipedia見て知るのですが、鬼怒川線は、元々鬼怒川発電所建設のための762mm資材運搬用軌道を下野軌道が1917年に旅客営業を始めたもの。東武日光線が下今市まで延びてくるのは1929年で、鬼怒川線の方が歴史が古い。なるほど、そうだったのか。今夏から蒸気機関車が走るのにピッタリな路線かもしれません。ちなみに東武のローカル区間で見られます、クリーム色に塗った鉄製架線柱は鬼怒川線では見ませんでした。小佐越の先に信号所があり、複線になってちょっとスピードを上げて走り鬼怒川温泉に到着。

この駅は見覚えがあります。25年ぐらい前に鬼怒川線には乗車し、帰りはスペーシアだったのですがほとんど記憶になく、鬼怒川温泉まで行ったのか鬼怒川公園まで行ったのか思い出せないでいたのです。と、いうことでここからが初乗車する区間のようです。駅には会津田島から乗車する後続のAIZUマウントエクスプレスが停車しています。

G2281567dsc.jpg
営業してるのかしてないのか判らないような旅館があったりして、華やかな観光地には見えない風景の中を走って鬼怒川公園に到着。区間快速の浅草行と交換します。一部の特急がここを始発駅としていますが、そうは見えない寂しい駅。若い女性2人が降りて、スマホで記念写真を撮っているのがせめての救い。

鬼怒川線最後の1区間は左車窓がきれい、標高が高くなったのか足元に雪が残るようになります。最後も急カーブを徐行して右に留置線が見えたところで新藤原に到着。なかなかドラマチックな終わり方です。

G2281571dsc.jpg
新藤原では2分の停車。この間で後ろ2両を切り離しします。見に行きたいですがそんな余裕は無し。

G2281572dsc.jpg
ホームに置かれているのは連結器のカバーに見えますが、これを着けた車両は私の撮った写真では見つけられません。なんなんだろうこれは。

新藤原からは野岩鉄道会津鬼怒川線。1986年に第三セクター方式で開業させた新しい路線ですので、打って変わって軽快走りになります。もう最初の加速からして全然違うのです。早速トンネル。いくつか目のトンネルの途中で減速して、最初に停まる龍王峡駅は半分トンネルの中。

G2281573dsc.jpg
車掌さんが検札に来て切符にYG印が押されます。今回の使用した切符は「ゆったり会津東武フリーパス喜多方」というもので、事前に新宿の東武系旅行会社で買ったもの。ペラペラ紙に印刷された切符は久しぶり。船車券なんて書かれた切符は初めて見ます。

G2281574dsc.jpg
川治温泉では東武日光まで行くAIZUマウントエクスプレスと交換。それにしても立派な線路。

G2281576dsc.jpg
トンネルでない箇所は高いところから谷を見下ろす光景。川治湯本も高い所にある駅。また長いトンネルに入ります。

G2281577dsc.jpg
トンネルの中で停車、ここが湯西川温泉駅。出た所は鉄橋のようで、駅を作る場所が、トンネルの中か鉄橋の上のどちらかしかなくて前者を選んだようです。一人のおじさん鉄道ファンがここで下車して写真を撮りまくっています。こんな駅で降りて、次の電車はいつ来るのかという雰囲気ですが、27分後に会津若松行きが来る。

G2281578dsc.jpg
駅=トンネルを出ると、すぐ鉄橋なのですが、なんか眩しい。

G2281579dsc.jpg
川が氷結しています。一駅前では流れていたのに(4つ上の写真)。地図を見ればここは川ではなく五十里湖というダム湖、流れが遅いからか凍っているみたいです。

G2281582dsc.jpg
ほとんどトンネルなのですが、時々一瞬こういう風景が見れます。ここは川なので凍らずに流れています。しかし雪の量が増えてきました。

G2281583dsc.jpg
上三依温泉で新藤原行普通と交換。車内はガラガラ。

G2281584dsc.jpg
車内運転室壁の行先表示幕。括弧書きで(鬼怒川温泉・会津高原尾瀬口)とありますが、鬼怒川温泉はもう過ぎています。紛らわしいなぁと思うのですが、首都圏の客を対象に、日光または鬼怒川方面で乗る車両を間違えないように案内するのが目的ですので、これでいいのでしょう。30年も続いているのです。地元の人は間違えません。でも電車正面幕の括弧書きは(新藤原)でした。どうして統一しないんだろう。写真に写ってませんが左には製造プレートがあり、「昭和61年・富士重工」とありました。

G2281586dsc.jpg
男鹿高原手前の風景。男鹿高原駅は俗にいう秘境駅みたいで周りに何もありません。

G2281587dsc.jpg
長いトンネルを出ますと、福島県であります。

G2281589dsc.jpg G2281590dsc.jpg
会津高原尾瀬口に到着します。ここで野岩鉄道会津鬼怒川線は終わり、ここからは会津鉄道会津線。会社の境目の駅になりますが、電車は直通しますので、雰囲気は普通の中間駅と変わりません。しかし新藤原側にターンテーブルが残っています。これが私の発見できた唯一の国鉄会津線の終着駅だった名残。国鉄時代は会津滝ノ原駅でした。スノボ・スキー板を持ってた人はここで降ります。

G2281593dsc.jpg
路線が変われば、また走りも変わります。谷は広くなりトンネルは無し、この雰囲気は国鉄非電化路線だ。

G2281594dsc.jpg
谷が広くなり、雪も反射して車内は明るい。スピードは速くもなく遅くもなく、バネが優しく揺れます。そしてコンプレッサーの優しい音。いいなぁ、乗り鉄していて至福の時。

G2281596dsc.jpg
雪に埋もれた七ヶ岳登山口駅も完全に昔の国鉄駅だ。その後ジョイント音が、タタンタタンタタンタタン・・・と来た、これは10メートルレール?まだ残っていたのか。とにかくだ、この6050系の快速は、急カーブ浅草駅から隅田川を渡るところから始まって、伊勢崎線の複々線区間、国鉄に対抗して開業時から電化複線の日光線を爆走し、資材運搬用狭軌軌道からスタートした鬼怒川線をまったり走り、日本鉄道建設公団の建設した野岩鉄道を一気に突き抜け、最後は元国鉄非電化路線で終わるという、これだけバラエティーに富んだ路線を走り抜ける料金不要の列車は他にあるか。ちょっと考えてみても私には思いつきません。無くなってしまうのは残念です。

会津山村道場という可笑しな名前の新しい駅。どんな道場があるのかは知りませんが、建物の屋根の勾配がきつく、豪雪地帯に来たことを感じます。普通の靴を履いてきてしまったのですが、今日は会津若松でしか降りませんので大丈夫でしょう。

会津荒海はちょっとした集落にある駅。駅舎に特急リバティを歓迎する垂れ幕。嬉しいだろうなぁ。ここでは2両編成の浅草行と交換。区間快速なので浅草までは4時間かかる、頑張れよと声をかけたくなってきた。この先もうトンネルは無し、線路もほとんど直線、天気は快晴、雪の反射でいつものように車窓を眺めていたら日焼けしそう。

G2281599dsc.jpg
最後も立ってかぶりつき、右にカーブを切ると、ゴールが見えてきました。

G2281602dsc.jpg G2281607dsc.jpg
10:41に会津田島に到着です。浅草を出て3時間31分ですが、長いようで短かった。幕はもう普通新栃木に変わっています。浅草駅も会津田島も行き止まりホームでの発着が共通していますが、車止めホームに雪が溜まりまくっているのに長距離の移動を感じさせられます。

G2281618dsc.jpg
駅舎の勝手口には除雪道具がこんなにあって、スキー場のロッジみたい。

G2281611dsc.jpg G2281612dsc.jpg
この駅には会津鉄道の車両基地があり、面白い車両がずらりと並んでいます。左のAT-401もんぐちはキハ40の改造車、右のAT-351トロッコ車両なのですが最近の顔、ずいぶん新しい車両を改造しちゃったんだなぁと思っていましたが、トロッコ車両として2009年に新製された車両でした。

G2281615dsc.jpg
黄色のは引退したみたいな古い車両で車番不明、窓が大きいお座敷車で会津浪漫と書かれています。

G2281624dsc.jpg G2281620dsc.jpg
中の待合室は広くてきれい。駅舎建物内にどんな施設が入っていたか忘れてしまいましたが、正面中央入口横のベンチに灰皿が置いてあって、おじいさんが一服しています。私も一服。でも喫煙所は隅っこにあった方が落ち着くなぁ。

G2281622dsc.jpg
駅舎はこんなに大きくて立派。新しいので会津鉄道発足時ではなく最近建てられたみたいです。とにかく2両編成の快速列車の駅としては立派すぎ、早く特急リバティを走らせないと、もったいないお化けが出てきそうです。

(乗車は2017年2月)

前の記事:東武6050系快速乗車記1(浅草~下今市)
次の記事:会津鉄道乗車記
関連タグ:東武鉄道野岩鉄道会津鉄道
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

QJ7000

Author:QJ7000
おじさま鉄道ファンの日本の鉄道乗車記録。ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになりました。未乗区間は4,000km以上もあり、今の生活パターンではおそらく不可能な領域なのですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事順にご覧になりたい方は下の「月別アーカイブ」からどうぞ。
(2013年2月より海外編も始めました。)

検索フォーム
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
(古い記事順に表示されます)
最新コメント
FC2カウンター
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

タグ

JR東日本 東武鉄道 会津鉄道 野岩鉄道 JR四国 国鉄時代 阿佐海岸鉄道 バスの旅 土佐くろしお鉄道 路面電車 伊予鉄道 温泉 吊り掛け電車 琴電 ケーブルカー 猫登場 JR西日本 新幹線 阿武隈急行 福島交通 山形鉄道 観光列車 モノレール 新京成 京成電鉄 流鉄 夜行列車 JR東海 喫煙車 船旅 近鉄 伊勢鉄道 新交通システム 貨物線・短絡線・渡り線 江ノ電 ブルートレイン 北越急行 伊豆箱根鉄道 岳南電車 専用鉄道訪問 芝山鉄道 地下鉄路線 上信電鉄 近江鉄道 阪神電鉄 阪急電鉄 神戸電鉄 北条鉄道 駅そば 山陽電鉄 水島臨海鉄道 西武鉄道 南海電鉄 北近畿タンゴ鉄道 のと鉄道 JR九州 くま川鉄道 名鉄 南阿蘇鉄道 熊本電鉄 西日本鉄道 JR北海道 京王電鉄 京浜急行 台湾の鉄道 東急電鉄 小田急電鉄 鹿島臨海鉄道 ひたちなか海浜鉄道 蒸気機関車 福井鉄道 えちぜん鉄道 遠州鉄道 

QRコード
QR