きらきらうえつ乗車記

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酒田から羽越本線を南下するのに、ちょうど高い特急料金を払わなくていい列車があるなと予定に組み込んだ、快速きらきらうえつ号。砂地に潜んでる魚みたいな顔してますが、最初に結論書いてしまいますと、私の乗車したリゾート列車やジョイフルトレインの類(数少ないですが...)の中で、最も楽しめたんじゃないかと思う列車になります。

まずはこの列車の指定券予約時に思った事。JR東日本のえきねっとで3日前に自宅に居ながら指定券を取ったのですが、座席を選択する画面を見ますと、どの号車も見事に日本海側窓側のA席だけが埋まっているのです。BCD席で埋まっているのは1席か2席。何と言うかもう、みんな寂しいんだなぁ~というのが一番の感想です。次にJR各社は、2人連れ、3人、4人グループの優先区画を設けてやらないと、駄目なのではないだろうか。休みの予定を自分の都合だけで早く決められる寂しい御一人様に、よい席をすべて占領され、カップルや家族連れの席がバラバラになってしまったり、旅行に行くのを諦める事になってしまうのは悲しい事であります。そんな事を書いている私も、座席選択は早い者勝ちのルールに甘えまして、最後に残った3号車のA席をポチッとさせていただいたのでした。申し訳ない。

さて乗車、ハイデッカータイプの車両ですのでデッキから客席までスロープがあります。スロープは長めですので、ここですごい車両なんだなぁ~と感じさせ、一発パンチをもらうみたい。酒田を定刻の17:03に出発したところで一番前の展望スペースへ行ってみます。羽越本線の車窓のクライマックスの頃はトンネルの連続区間(特に上りは)ですのでカーテンは閉められてしまうはず。早めに行っておきます。たどり着いた展望スペースの前面風景は最高。リゾートみのりは高運転台でしたが、こちらは低運転台ですので、すごくよく見える。斜光線を浴びた田んぼの爽やかな緑のカーペットの中を高速で突っ切って行くのはとても爽快。ここではおじさんが一人ビデオカメラで前面風景を撮影中。

客室内はA席だけに鉄道オタクがずらり並ぶ状況かと思っていましたが、酒田出発時点ではガラガラ。空いている今のうちにと、自分の席を通り越し、次は2号車のラウンジカーを見に行ってみます。

ラウンジカーは私が一番最初の客みたいで誰もいません。カウンター横に掲示された案内を読みますと、ここで飲食物を購入したら40分間ラウンジ内の座席を利用可能との事です。ちょっと悩んで購入したのは、缶の菊水と柿の種のセットで500円也。ラウンジスペースを利用したい旨を、販売スタッフに伝えますと、好きなところに座って下さいとの事。

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1段高くなった4人ボックス席に座ります。販売スタッフの女性がパウチされた青い紙を持ってきてくれまして、この座席を18時まで使っていいですよとの事が書かれてます。なんだか許可書を発行してもらったみたいな気分。

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米どころ庄内平野を突っ走ります。いいなぁこの感じ。

ラウンジスペースというより食堂車で一杯やっているみたい。窓は大きく景色はいいし、4人ボックスを一人で悠々だし、MT55モーターは気持ちよく唸るし、ふなぐち菊水一番しぼりは美味しいし、今日も一日楽しかったなぁ。なんて贅沢な一時なんだ。

指定券520円とお酒セット500円で、こんな贅沢が味わえるとは全くの予想外、最初はさっと飲んで早めに席を立とうと思っていたのですが、混雑するまで時間一杯ここに居ようと思います。菊水がだんだん効いてきて、誰かと話したくもなってきました。少しずつラウンジの客も増え、すべてのボックスが埋まりますが、私のボックス席には誰も来ず相席にはなりません。18時までの占用許可書の青い紙がテーブルにあるので誰も来ないのか、販売スタッフの方が18時まで新たな占用許可書を発行しないのか、いや、私のようなおっさんと同じテーブルに座りたくないのが一番の理由かもしれません。ボックス席区画と販売カウンター区画の間のガラスに、少し日に焼けたのと菊水で真っ赤になった私の顔が映ってます。

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2時間前に立ち寄ったあつみ温泉駅。大きなバックパックを背負った外国人観光客が降ります。そろそろ18時、自席に戻ります。

海を見て走り、鼠ヶ関に到着します。この駅は昔からの時刻表好きには誌面上とても印象に残る駅です。陸羽西線を走る急行月山は、秋田側へ行かず新潟側に戻る形でこの駅を終着駅としていました。列の長い羽越本線ページの途中から現れて、ちょっと走っては優等列車のほとんどが停車しないこの駅に、蟻地獄にでも吸い込まれるように消えていました。また、夏にはこの駅を終着とします「鼠ヶ関かっぱ号」という妖怪の名前みたいな海水浴客輸送の臨時列車が、妖怪の如く出現してもいました。そして何といっても「鼠」という怪しい漢字の入る地名、とにかく独特な存在感を放っていたのです。そんな鼠ヶ関駅の実際は、海沿いにある幹線の標準的な作りの中間駅。

数分の停車の後で出発しますと、私の乗る上り線はトンネルの中へ。上り下りで海が見える見えないなんて、酔いも回ってこの際どうでもよくなってきました。トンネル内でもモーターがいい音で響きます。この電車は今や本当に貴重な存在になってしまった485系の残党なのです。この辺りから新潟県で、今回の旅行で初めて踏み入れるのですが、すでに体の中は菊水の新潟エキスがぐるぐる廻ってます。今思えば庄内のお酒を選択するべきだったか。

トンネルを出てしまえばひたすら海岸線の景色が続きます。この列車、走れば早くて快適ですが、よく止まります、それも数分。運転停車までします。

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日も傾いてきました。走る列車から海に沈む夕日を見るなんて、やろうと思ってもなかなか出来ない事。きれいだ。

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でも残念ながら雲に隠れてしまいます。

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この辺が笹川流れでしょうか。海水浴場にはテントがたくさん。そろそろ桑川駅に到着します。

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桑川駅、ここでは18:40から18:57まで17分間停車します。私が上りきらきらうえつに乗車した日は、マリンダイヤという時刻で運転されてまして、通常運転より酒田を約1時間遅く出発し、桑川駅の前で日本海に夕日が沈むのをみんなで見ましょうという設定なのです。今まで小まめに駅で数分停車していたのはそのため。

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夕日は雲に隠れてしまっていますが、もちろんせっかくのイベントですので外に出てみます。跨線橋から見下ろすきらきらうえつ、車体をそっくり載せ替えていますので、485系の面影は全く残っていませんが、ブルートレインのような深い屋根、高い位置の大きな窓は、この車両だけのスタイル。スイスの軽量客車をイメージして、濃緑あるいは真紅の単色にでもしたら格好良さそう。

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魅惑の車両、ラウンジカーのモハ484-702。
こうしてみるとパンタグラフの位置に販売カウンターを置く設計。もう一つあったパンタグラフは取り払ってしまったんだ。紺色に窓下に黄色い帯でも巻いたら英国の古い客車みたいでいいかもしれません。とにかく私は、せっかくの格好いいサイドビューに、このキラキラパッチワーク塗装がいただけない。

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駅舎を出ればこの景色。この駅は道の駅、その名も夕日会館が併設されていまして、ここにいる人たちはキラキラうえつの乗客とドライブの客が混ざった状態。

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なかなかいい場所ではないですか。

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さぁ戻ろう。かさ上げされてない長いホームは旧型客車が現れそうな感じです。

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交換で来たのはキハ47の2連、この編成(キハ47 513-キハ47 1516)は本日2回目のすれ違い。

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村上到着前のお楽しみはデッドセクションの通過。車内放送で電気が消えますよとしっかり案内されます。電気は消えるものの、まだ外は明るめのですので、最近では七尾線415系で体験した、真っ暗になって外の風景が違って見えるみたいなことは起こりません。

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19:12 村上到着。私はここで下車、今日は村上に宿泊します。なかなかいい駅だなぁ。羽越本線、改めて乗車して楽しかったぞ。

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きらきらうえつ号の10分後に来るいなほ号。
きらきらうえつ号マリンダイヤは、村上から先新潟までどこかの駅でバカ停(長時間停車)を何度か行ない、通常運転より1時間以上もかけて走るダメダメダイヤ。パンフには、ここで後続いなほに乗り換える案内がされており、10人以上が乗り換えていました。
風に乗って肥料の匂いが時々するのが気になりますが、夜になる寸前の空を久々に見ます。

(乗車は2016年7月)

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おじさま鉄道ファンの日本の鉄道乗車記録。ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになりました。未乗区間は4,000km以上もあり、今の生活パターンではおそらく不可能な領域なのですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事順にご覧になりたい方は下の「月別アーカイブ」からどうぞ。
(2013年2月より海外編も始めました。)

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