山陰本線(長門市~幡生)乗車記

仙崎から乗車しました単行キハ40が長門市に到着します。高校生が沢山乗り込んできて、回送列車が営業列車になった感じ。さぁここから幡生まで、山陰本線最終章ともいうべき西端の、私にとっても最後の乗り潰し区間になります。

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出発してしばらく走ると海で深川湾、その先には青海島、海岸沿いには海水浴場も見えます。昨日の荒れ狂った海から一転、今は実に穏やか。そういえば萩周辺や美祢線沿線と違い雪は全くない、黄波戸からは内陸に入って行きます。

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長門古市で大勢下車、なんだかここは飯田線の伊那谷にある駅みたい。人丸でも多くの乗客が下車し、ここで車内は私を含めてたった4人になってしまいます。

再び海沿いに出て長門栗野駅、ここは鉄骨で造られた貨物の積込施設跡の間から樹木が生えているというなかなか味わい深い光景が見られます。ここからは下関市で家の建て方がちょっと変わったようで、屋根の上に小さな鯱が目につくようになります(この辺はうろ覚え)。晴れ間から暖かい日差し、ちょっと眠くなってくる。

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読み方が難しい駅の西横綱の特牛は、なんでこんな所に造ったんだろうというぐらい山間の駅。しかしこんな駅にも貨物を取り扱っていた跡が残っている。ここは約10年前、ある邦画のロケが行われた駅で、その映画を見て、この近くにあります角島という、なんとも日本離れした実に風光明媚な島の存在を知りました。日本の地理については、沖縄以外は一通り周りましたので、大体知ったつもりでいたのですが、所詮は鉄道旅行、まだまだ私の知らない日本があったんだと気付き、ちょっとショックでした。ちなみに角島は山陰本線からは全く見えず、その存在を確認できるのは滝部駅の観光案内の看板ぐらい。

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長門二見駅の貨物の積込施設。どんな荷を扱っていたんだろう。Wikiでは1961年に貨物の取扱が廃止された事しかわからない。

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ここを出ると三度海岸線へ、なかなかの絶景です。太陽が顔を出し日差しが強くなりロールカーテンを半分閉めます。私のボックス席に他にも人がいたら全部閉めなくてはいけないぐらいの強さです。宇賀本郷駅は1面1線の交換できない駅ですが2分の停車。景色が良い所を徐行して走るみすゞ号のスジに合わせるための調整のようです。

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湯玉小串間は有名な撮影地ではなかったっけ。

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時刻表から読み取るに長門市幡生間で一番重要な駅っぽい小串に到着、ここでは14分停車します。跨線橋を上がってみますと、すぐ近くに海が見えます。せっかくなのでちょっと行ってみます。

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昨年の糸魚川駅では海まで辿り着けませんでしたが、今回は大丈夫。一応波打ち際まで降りて海水に触れてきました。

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戻ってみますと可愛らしい駅舎です。今では普通列車しか走らない路線ですが、かつては特急・急行・夜行列車も存在した路線、それぞれの列車が来た時、この駅舎はどんな賑わいだったんだろう。しかし残念ながら帰って昔の時刻表を適当に引っぱり出してみると、特急いそかぜは通過(1991時点、長門市下関間では滝部と川棚温泉に停車)、食堂車付きの孤高の長距離ランナー特急まつかぜ1,4号も通過してたのでした(1984年時点、川棚温泉には停車)。1979年まで遡ると寝台車連結の夜行列車さんべ5,6号が登場し、これは川棚温泉は通過しますが滝部と小串に停車しています。特急は止まらないけど急行は止まる、確かにそういう感じの駅舎です。その辺を予習して、滝部と川棚温泉駅をもっとしっかり見ておくべきでした。

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しばし本日長いこと乗ったキハ40 2091の一人撮影会。

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交換する2連のうち1両は広島色のキハ47。

車内に戻りますと乗客が増えていて座席は7割ぐらい埋まってます。さぁ出発、また内陸部に入って行きます、地味な風景が続きましたが黒井村手前では、まだ1月末ですが、田んぼに黄色い花一面に咲いており、春を感じます。吉見駅からはレンガで造られた古い煙突が見えたのですが何だろう。

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吉見を出ますと長門市から4回目で最後の海が見える区間、写真の小島は加茂島というらしい。写真は撮り損ねてしまいましたが、ここにはもっと感動的な光景が展開されてまして、沖に行き交う関門海峡を通るんだろうコンテナ船、そしてうっすらと対岸九州の八幡製鉄所の煙突群が見えました。ゴールが見えて来たといったところです。海岸線から離れるともうすっかり市街地、大手ショッピングセンター、大手中古車販売店に携帯ショップ、そしてパチンコ屋、下関市の商業中心地はここかと思うぐらいに栄えています。そんな中で現れる2008年に新設された梶栗郷台地駅、これも山陰本線では異質な存在でしょう。

綾羅木駅を出発して最後の1区間は、席を立って運転席後ろに移動します。なかなか感傷的であります山陰本線の最期を、しっかり見届けたいと思います。

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山陽本線上り線をアンダークロスして、山陽本線上下線間の掘割を走ります。ここは、下りの九州ブルトレに乗車した時はいつも必ず見下ろしていた光景で、あまり輝かない細目の線路にまっ茶色の道床、山陰本線という長大ローカル線の草臥れきった最期の姿に、いつも哀愁を感じずにはいられなかったところです。山陽本線と同じ高さになり、仙崎から乗車すること2時間20分、いくつかのポイントを渡って幡生駅2面4線中央側の山陰本線ホームに停車します。私はここで下車。

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数分の停車の後、下関に向けて出発、ホームから見送ります。

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これが偉大なるローカル本線、山陰本線の最期の最期。
今、単行キハ40が渡り終わったシーサースクロッシングポイントで山陽本線にスッと吸収されるのです。ピリオドのような車止めは無し、まるで線香花火が消えるかのように静かに、ほとんど誰にも気付かれずに終わるのです。

(乗車は2016年1月)

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おじさま鉄道ファンの日本の鉄道乗車記録。ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになりました。未乗区間は4,000km以上もあり、今の生活パターンではおそらく不可能な領域なのですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事順にご覧になりたい方は下の「月別アーカイブ」からどうぞ。
(2013年2月より海外編も始めました。)

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