普通列車妙高号 お名残乗車記

直江津駅で413系とお別れした後は、信越本線、篠ノ井線、中央本線経由、すべて各駅停車で東京へと帰るのですが、最後にこの電車にお名残乗車して行きます。

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直江津14:50発、長野行普通列車の妙高6号。
この駅には妙高3号として到着し、車内清掃が始まります。しばし車両を外から見学。

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普通列車なのでサボの書体はみんな黒字。国鉄のルールがここに残っています。

特急あさまで使用された189系には、窓が大きくハイデッカー構造となった指定席用のグレードアップ車両がありましたが、この編成には連結されていませんでした。両端の2両は、中間4両より窓の位置が高く、ドアにステップがあるので481系からの編入車のようです。座席については、グレードアップ車両に付いていたフリーストップリクライニングシートに交換されています。しかし最後部の1両だけ、懐かしの簡易リクライニングシートを見つける事が出来ました。ドアが開いてこの車両に乗り込んだものの、なんとここは指定席、写真だけ撮らせて頂きます。

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この白いプラスチックのレバー、懐かしいなぁ。

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背面がネットだけなのもシンプルで、今では美しさを感じます。指定席券を購入してくれたお客さんが、一番しょぼい座席というのは納得出来ませんが、この座席も最近見ず、珍しくなってしまったのでお金を払ってでも座る価値のある物かもしれません。

この簡易リクライニングシート、昭和の特急列車の代表的な座席なのですが、レバーを引いて背ずりに体重をかけると背ずりがほんの少し倒れ(一応これでリクライニング)、立ち上がるとガチャンと音を立てて元に戻る、今となっては時代遅れで情けない仕様のもの。しかし約30年前の少年期や青春時代に貧乏鉄道旅行をした私にとっては、豪華な座席のイメージが今でもあります。周遊券の利用が多かったので移動は急行列車がほとんど、たまに特急列車や、特急車両を使用した急行(能登、八甲田、シュプール号などなど)に乗車して、ボックスシートと比べてなんて快適なんだろうと、夜行列車でも快適に眠れたような気がするのです。

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洗面所も見てみます。昔とほとんど変わらないではないではありませんか。カーテンもあって、石鹸まで置かれている。

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洗面所の後ろ側、ここには冷水器があったんだ。左の四角い屑籠は、冷水器の使用済み紙コップ用だ。(冷水器についてはこちら参照)

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レバーをひねってみると、なんと熱い湯が出た。

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そしてデッキに残る、蓋式のくずもの入れ、テープで塞がれる事なく今でもちゃんと現役なのだ。おじさん、ここで嬉しくなって感激してしまった。JR東日本長野支社、長野総合車両センターの妙高号の扱いに。

妙高号は1997年の北陸新幹線長野開業時に、長野~直江津間で運行開始された列車。1998年5月の時刻表を見ると、快速信州リレー妙高号の名で8往復も運転されています。8往復16本すべてがいくつかの駅を通過する快速列車で、編成表を見ると長野側①②号車が指定席、③号車も指定席になる場合もあるとの事。

しかし3年後、一気に本数を減らしてしまいます。私の手元にあった2003年11月の時刻表を見ると、4往復、早朝直江津発の2号以外は各駅停車、指定席車も最後尾1両となり、10年以上前のこの時期に、現状の形になったといえましょう。

時刻表上は指定席が付いていて特急車両で運行されるぐらいしか感じ取れませんが、洗面所に石鹸は置かれているは、お湯もちゃんと出るは、終着駅では特急車両のようにきちんと清掃され、座席の向きも変えて客を迎えるという。今でも優等列車らしい扱いがしっかり残っているのに、本当に感激してしまった。長野まで新幹線が開業してから、長野地区にとっては在来線で唯一残った優等列車(特急しなのはJR東海車両なので除外)なので関係者の思い入れも強いのかもしれません。とにかく長い期間、腐る事なく存続し続けた妙高号には、敬意を表したい。立派に役目を務め上げたわけだ。

ちなみに妙高号は私にとっても思い入れの深い列車でして、長野に母親の生家があったことから、169系急行時代によく乗ったのです。そして私の寝台車初体験も、上野長野間の妙高5号のオハネフ13だったのです。

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自由席のグレードアップ車両に付いていた座席に座って出発します。車内は出発間際になって1両に15人ぐらい、半分がたぶん地元の人です。シートを回転させてボックス状にして一人で広々と使うような人は誰もいません、私もそれに従います。豪華な車両を普通列車に使うもんだと思いますが、この区間にはアコモ改造されたもっと豪華な快速列車くびき野号も走っている。乗客のマナーの良さが、特急車両を惜しげなく普通列車に提供できる一つの理由かもしれません。高田や新井ではビジネスでの利用に見える客も多く乗車し、かつてのリレー号らしくもなってきます。

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各駅停車ですので鉄道ファン一番のお楽しみは二本木駅のスイッチバック、そして妙高6号はスイッチバック駅での交換まで体験できます。流れは最初に妙高6号がスイッチバックして駅ホームに到着、次に長野方から115系6両編成の普通列車が到着、後から到着した長野発115系の方が先に出発しスイッチバックの後に坂を下って行く、しばらくして妙高6号が長野に向けて出発、となります。

二本木を出ると次は関山、ここは1997年2月にシュプール号を撮影しに来たっけ。
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この路線もそれ以来だから17年ぶりなんだな。

次は妙高高原駅、ここも懐かしい、学生の時、赤倉スキー場近くのペンションでアルバイトしてたのです。その後も何度か客としても行ったし、シュプール号撮影にも降り立った。夜行列車で夜も明けきらない早朝に到着すると、駅前の食堂が開いていて、熱いうどんを食べた記憶があるのですが、カーテンの閉められた建物がそうだろうか。笹寿司なんかもよく食べたっけ、その頃は食欲旺盛だったので、余りの量の少なさになんだこんなものと思ってましたが、これも廃業してしまったんだそうだ。それにしてもスキー・スノーボードをしてきたと思われる客は一人も見ない、みんな上越自動車道に取られてしまったのか。昔のあの賑わいはどこへ行ってしまったのだ。なんだか悲しくなって来てしまった。第3セクター移管後はここでしなの鉄道とえちごトキめき鉄道に分割され、どうも直通列車は走らないらしい、備後落合駅みたいになってしまうのかもしれません。

黒姫までどんどん坂を登ってゆきます。ジョイント音やモーター音は高く積もった雪にかき消されてか、とても静かな走りです。日本酒でも買って乗れば良かったな。黒姫を出ると、目に見えて雪の量が減ってきます。長野駅手前の長野工場には南武線の205系が数編成、横浜線の205系は全車(?)インドネシア行きとなりましたが、こちらは解体されてしまうのか。南武線のはよく乗っただけに残念。
(追記:2015年4月20日に120両のインドネシア譲渡がJR東日本より発表されました。9月より2本繋げた12両編成で走り始めたそうです。)

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長野に到着。これでこの色の189系ともお別れだろう。

ホームで特製天ぷらそば(普通のより40円高い)を食べ、お酒でもチビチビ飲みながらと考えていた次に乗る甲府行きの普通列車は、ロングシートの211系3両編成。お酒は断念。小淵沢でセミクロスシート211系に乗り換えて高尾まで。長野から立川まで5時間半、意外と早いかもしれない、座れてしまえばそんなに苦でもない。やはり青春18きっぷは偉大だ。

(乗車は2015年1月)

この2週間後、夕方に立川から新宿まで移動するのに、たまたまホリデー快速富士山号に当たり、簡易リクライニングシートに久々に座ることが出来ました。さすがに製造されてから35~39年経っているだけありまして、ガタガタでボロボロの状態、こんな古い座席がよく残っていたなぁ~というのが一番の感想です。

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Re: No title

やきとり様、最終列車の乗車が出来て良かったですね。
189系も遂に終焉を迎えますね。ゴールデンウィークの臨時あずさ・かいじが(今年こそ)最後の花道でしょうか。この列車も、遅くて内装もボロなのに257系と同じ特急券を徴収するという凄い列車ですよね。

No title

3/13妙高最終列車乗ってきました~。
思い出になりました。
指定券は宝物にします。

さて、この改正で普通乗車券だけで189系に乗車出来るのは土休日等運転のホリデー快速富士山号だけなんですねぇ・・・

時代を感じざる得ません。。。

Re: No title

やきとり様、妙高号最終日の指定券ゲット良かったですね。大切に保管を、そして楽しんで来てください。私は3月13日はどこにも出かけません。

No title

どうもです。報告です。
本日、妙高号の最終運転日1ヶ月前となりましたが、
やはり予想通り10時の発売開始後最終日の指定券ということで即完売のようでしたが、
運良く妙高3号の指定席を取ることができました!
平成27年3月13日(27.3.13)表示のある、指定券は宝物にします(笑)
車掌がどのような放送をするのかにも注目しております。
行ってきます。
QJ7000様は、3月13日信州方面は行かれるのですか?

Re: No title

やきとり様、コメントありがとうございます。
妙高号の189系、格下げられて普通列車に使用されているのではなく、特急型車両で運転されるリレー号としてのプライドを決して失っておらず、本当に感激してしまいました。最終日の指定券、うまく取れるといいですね。JR東日本長野地区の最後の定期優等列車ともいえますので、最終列車はいろいろと感動的な演出がされるのではないかと思います。

No title

長旅、おつかれさまです。
感動です。
189系は力強い走りが21世紀になった今でもかっこいいです。
普通乗車券・18きっぷだけで特急形車両に乗車できるすばらしい列車ですね。
争奪戦になるとは思いますが、最終日3月13日の妙高号最終の指定席を狙います(笑)
では!
プロフィール

QJ7000

Author:QJ7000
おじさま鉄道ファンの日本の鉄道乗車記録。ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになりました。未乗区間は4,000km以上もあり、今の生活パターンではおそらく不可能な領域なのですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事順にご覧になりたい方は下の「月別アーカイブ」からどうぞ。
(2013年2月より海外編も始めました。)

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