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予讃線(松山~伊予長浜経由~八幡浜)キハ185系3100番台乗車記

四国鉄道旅行の3日目も早起きして6時前に松山駅へ、これから予讃線の未乗車区間の向井原~伊予大津の内子線経由でない海側伊予長浜経由の路線の乗り潰しをします。当初の予定ではもっと遅い出発だったのでしたが、早めた理由はこの車両。

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松山6:04発の伊予長浜経由宇和島行きは、特急キハ185系の普通列車格下げバージョンのキハ185系3100番台で運転されるのです。現在この車両は、松山より西で運転され、本数は2往復4本のみ。うち1本が伊予長浜経由でして、それがこの列車に当たります。1ヶ月前の鉄道旅行で羽越本線の普通列車はすべてキハ40系だと思っていたのに違ったという反省で、30年ぶりにジェー・アール・アールの本(今回は普通列車編成両数表)を購入して確認したのですが、四国のページは僅か数ページながら、実に美味しい情報が他にも詰まっています。

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キハ185系、7000系、8000系と四国でしか見られない車両の中、ここでもまたEF65PFがいて番号は2081。東京にいる時より遭遇している気がします。

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それでは乗車、この日は前がキハ185-3103、後がキハ185-3105。ちょっと前まではキハ185-3000番台というトイレ付車両もあったようなのですが、今はすべてトイレなしの3100番台。特急時代と見た目はほとんど変わりませんが、この辺が完全に普通列車用車両です。座席はボックス状にセットされた状態で、今も回転はできるのですが、リクライニングは出来ないようになっています。出発間際になって中学校の鉄道研究会?風の団体が20名ほど乗車し、ほとんどの席が塞がります。青春18きっぷと思われる鉄道ファンの旅行者も多い。それでは出発。

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観光列車の伊予灘ものがたりだ。今日は運休日、昨日は運転されてましたが満席でした。

郊外を走って伊予市駅、郡中港駅に止まっているのは元井の頭線の3両編成、考えてみれば2~4両編成が15分間隔で走る伊予鉄道は、JRの何倍もの輸送力があるのかもしれません。

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高架に上がってそろそろ分岐の向井原駅。朝日が長い影を作り、とても清清しい光景です。今日もいい天気になりそうです。

実際にそうで、今回の4日間の旅行は毎日晴天で、毎日きれいな夕陽を見ることが出来ました。しかしこの時現在、日本列島は大変な事になってまして、ニュースでは台風9号が午前中に関東に上陸予定、11号が温帯低気圧になるも北海道釧路に上陸、10号は今も四国の南海上に停滞中と台風だらけ。本日の羽田空港発飛行機は175便が欠航とのこと。そして台風9号は、この日の午後に原宿駅の大木を倒して山手線を運休させ、西武多摩湖線を土砂崩れで脱線させます。更に数日後にようやく動き始めた10号は十勝地方に大雨を降らし、根室本線に壊滅的な被害を及ぼし、今も一部区間は運休のまま、このままバス転換となりそうな状況にまで追い込んでしまうのです。

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山回りの新線、海回りの旧線の分岐します向井原は1面1線の駅。ここからは少しかぶりつき。ホームを出るとすぐに分岐し、

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あっという間に高架を降りてローカルな路線になります。

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時折草木にバチバチ当たりながら長いこと山間部を走り、下り坂になると海が見えてきます。

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分岐して2つ目の伊予上灘では交換のため8分の停車。トイレもありますよとの案内も放送されます。多くの鉄道ファンが降りてキハ185系3100番台の撮影会。

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やって来た上り列車は、キハ54+キハ32+キハ54のオールロングシートの3両編成。まだ車内はガラガラですが、松山に着く頃には満員になるのでしょうか。この時間は、ちょうど私が朝の通勤電車に乗る時間でもあります(私の方は全然座れませんが)。再び出発、この辺りはずっと海がきれい。

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青春18きっぷのポスターで有名な下灘駅に到着です。山側にあるホームをよく見なかったので、駅でない海の見えるポイントで停車したみたい。周りに何もない駅のようですが、数名の乗客が下車しました。ここは乗り鉄、撮り鉄、要は鉄道ファンにとって有名な駅という認識でしたが、後日、NHKの番組「ドキュメント72時間」でこの駅を取り上げた回を見て、これ程まで一般観光客が押し寄せる駅になっていたと知ってビックリします。海外から一人旅の女性も訪れるんです。

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下灘を出ますと古い家並みの続く港町、散策したらいいところなんだろうなぁ。それが途切れた場所に駅が現れた感じです。乗車から月日が経って、あんまり覚えてないのですが、海岸線に沿ってユラユラと細かいカーブの続く、素晴らしい景色の路線、突如現れる大きな工場みたいのは柑橘選別工場とメモに残っています。

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伊予長浜駅に到着です。予讃線の旧線と表現してよいこの路線を代表する駅で、この駅の利用客のために旧線が存続しているみたいな認識でしたが、こんなにローカルな駅だったとはビックリ。無人駅だったというのも後から知ります。しかしキャリーバックや大きなリュックの明らかに旅行者と思われます数人が下車。みんな若くて女性も多い。どんな観光地があるのでしょう。交換しますキハ54は単行。

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伊予長浜を出ますと直角にカーブし、海を背に川を遡ります。山々の手が届きそうな場所に雲が低く浮かび不思議な光景、ハワイの朝の山側の光景みたいだなぁ。土砂崩れで徐行区間があり、各駅で高校生がどんどん乗車してきます。こんな素晴らしい車両で通学なんて羨ましい。みなさん静かに勉強中で、学力も高いのではないでしょうか。八多喜駅前にはコイン精米機なるものがあって、誰がどんな時に使うのか想像できなかったのですが、調べてみればなるほど、地方の人は玄米の状態で保存し、食べる前に精米する事で美味しいご飯を食べているようです。知らなかった、お米は精米したのを買うだけだと思ってました。

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五郎駅の花で飾られた「愛ある伊予灘線」の看板、ほのぼのしていていいなぁ。タヌキが出てくるみたいです。この「愛ある...」がJR四国の付けたこの路線の正式?の愛称だったと私が知るのは帰ってから。正式となると話は別で、切符売場で「宇和島まで大人1枚、愛ある伊予灘線経由で」なんてやり取りするのはちょっと恥ずかしくないか。「私の好きな路線は愛ある伊予灘線です」と発言出来ちゃうライターも多くはないはず。どうしてこんな事になってしまったのでしょう。こんな重たい言葉...なんて気にする私の方がおかしいのか。五郎から分岐してました内子線跡に、予讃線の新線と繋がるところも見落としてしまい伊予大洲に到着します。8分の停車とのことで跨線橋に上ります。

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左は私の乗車する宇和島行き、右は交換する内子線経由の松山行きですが、これもキハ185系3100番台で来ました。

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2編成並ぶ美味しい写真が撮れてニンマリ。松山行きも高校生の通学列車ですが、伊予長浜方面からの乗り換えも多く混んでいます。

伊予大洲を出発しますと川を渡り山の中へ入って行きます。雰囲気は中国地方のローカル線みたい、勾配はきついようでスピードは出ません。

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長いトンネルを出ますと、天気は曇り空から快晴になり景色も変わります。周りは柑橘類?を栽培する段々畑が続く明るい光景ですが、よく見れば人の住んでない団地があったり、荒れた畑があったり、地方の現実が見えてきます。そして建設中の巨大なコンクリートの柱。ここにもどでかい道路が出来るようです。

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8:10、八幡浜に到着です。ここでまた22分停車します。JR四国のコーポレートカラーを纏った4種類の車両が並び、鉄道模型のコレクションを並べているみたい。このカラーはJR各社の中で一番映える色だよな。

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交換する特急宇和海6号の松山側先頭車は2000系試作車の「TSE」だ。量産型の貫通型は顔が崩れタヌキみたいだし、側面ドアも東急青ガエルみたいで安っぽくなってしまうので、この先頭2101は2000系の中で断トツ一番格好いいと思う人は私だけでなくたくさんいるはず。

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宇和島側の2両は量産型の2000系。私は松山からここ八幡浜まで2時間6分かけて来たのですが、新線経由のこの特急だと50分で松山に着いてしまいます。

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この日のスケジュールには余裕があり、このままキハ185普通列車に乗って行ってもいいのですが、特急宇和海にも乗ってみたいのでここで下車。

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改札を出て、10数分後に出発するキハ185を、どこか撮影出来るところはないか歩いてみます。この踏切は無理そう。

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小さな川のコンクリート橋で、この車両も充分満喫できました。

(乗車は2016年8月)

前の記事:伊予鉄道 市内線乗車記
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関連タグ:JR四国

琴平から横河原へ・予讃線7000系乗車記

琴電を満喫した後は松山へ向かいます。乗り潰し旅行ではフリー切符の利用が多いのですが、今回JRはあまり乗車しないので元が取れず、自動券売機のピラピラの1810円の普通乗車券で構内に入ります。

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行止まりホームの1番線で待っていた12:13発の高松行き普通列車は、デビュー時のピンク色帯になった121系のトップナンバー編成。四国の電化区間は特急での移動が多かったので、この121系に乗るのはたぶん初めて。

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前のクモハに乗車し、このモーター音も7200系に改造されて聞けなくなるんだなぁと感じながら、12:26に多度津に到着。次の電車までの接続時間は18分、駅構内に立食いうどんでもあれば、いい昼食に出来るのですが、ここには無し。昨日に続きコンビニおにぎり2個とお茶が今日の昼食となります。

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予讃線・土讃線の分岐駅の多度津は様々な車両が停まってます。その中でホームから撮影できた8600系とスカイブルー帯の121系。8600系のデザインは、どうも半ムケ状態のなんとかを思い浮かべてしまうのですが、新車ですので乗車したらさぞかし快適なんでしょう。

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高松側からはこんなのも来ました。アンパンマントロッコ列車。これほど瀬戸大橋を満喫できる列車は他にないでしょう。正直乗ってみたいです。しかし今の私に一人でこれに乗る勇気はありません。逆に子供はこんな吹きっさらしの車両で瀬戸大橋を渡ったら怖いんじゃないかと心配にもなりますが、乗客の方々は子供含めみんな楽しそう。

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私のお目当ての電車が来ました。高松12:13発で松山17:18着という長距離普通列車です。この7000系という電車も、デビュー当時から興味津々だった車両でして、今回初めて乗車します。

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12:44、多度津を出発します、車内は半数強の座席が埋まる乗車率。

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予讃線の有名撮影ポイントの瀬戸内海ギリギリ区間を快走。後ろのクモハに乗車しましたが、以外にも静かな走行音です。

私の乗車したこの列車、いろいろ特徴がありまして、高松から松山までで3つの列車番号で分けられて運転されます。高松から観音寺までは119M「快速サンポート・南風リレー」、観音寺から伊予西条までは4119M普通列車、伊予西条から松山までは549M普通列車となります。

13:15、1回目の変身駅の観音寺に到着します。ここでは26分も停車します。

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左が先頭のクハの7100形、右が後ろの両運クモハの7000形、119M快速サンポートの姿。

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跨線橋を渡っているうちに4119M普通列車ワンマン運転車に変身完了。同じく左が先頭クハ、右が後ろの両運クモハなのですが、どちらもワンマン運転の表示がされ、クハは快速サンポートのヘッドマークが外されます。
そしてそれ以上に大きな変化として、四国におけるワンマン運転のルール?に従い、客扱いするのは前の1両のみ、後ろは回送となります。

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改めてクハの7100形7108番。お客さんはこちら。

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後ろのクモハの7000形7020番。お客は乗せませんので機関車のような扱いです。両運転台クモハと片運転台クハの組み合わせは、昔は各地の中小私鉄で見られた光景だったと思いますが、今はここだけなのでしょうか。それと、20年前のスイスの幹線で、客室付きの機関車みたいなのが運転台付きの客車を推したり牽いたりしているのを見ましたが、そういうヨーロッパ風?電車の運転形態に一番近いのも、このJR四国の7000系だと思います。

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こちらは後ろのクモハのドアに吊るされた「回送です、前の車両にご乗車ください」の表示。

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こちらは車内の様子、左が先頭クハ、右が後ろのクモハの回送です表示。この列車においては1両を回送扱いにしても全く問題ない乗車率ですが、時によっては満員になって、「後ろにも乗せろコラ!」と怒る乗客もいるんだろうな。

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この駅には6000系がいましたので、しっかり記録。6000番台を割り当てられながら、2編成6両しか存在しないというレアな車両です。7000系7100形(クハ)を1両増結して1M3Tで走ることもあるそうで、これも見てみたい。

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下りしおかぜに道を譲ってそろそろ出発します。

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箕浦で普通列車と交換します。こちらも7000系の2両編成ワンマン運転で後ろは回送、そして3つの列車番号で松山から高松まで走り抜ける列車になります。川之江では特急と交換で数分停車。

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貨物ヤードのある工場を抜けると伊予三島、ここには新鶴見のEF65のPF(番号は2090)がいます。四国まで来て四国でしか見られない車両に囲まれる中、私の地元青梅線でも見られる機関車に遭遇するのは不思議な気持ち。おおっ!お前も来ていたのか。

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伊予寒川では、また後ろは回送2両編成普通列車と交換。ワンマン運転になる県境区間とはいえ本数は多い。JR四国も頑張っているんだなぁ。この駅では一駅前の伊予三島で乗った海岸でバーベキューを楽しもうという外国人グループが下車。この辺りから眠くなって新居浜手前まで寝てしまいます。

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14:32に新居浜着、ここでまた9分の停車。うろ覚えなのですが、列車番号が変わるのはこの先の伊予西条ですが、ここ新居浜でワンマン運転から車掌常務に変わったような記憶です。写真で見ても正面のワンマン表示がありません。

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ここにも貨物列車の姿がありまして、牽引機は今度はEF210の300番台。今の瀬野八機はこんな所まで出張するんだな。307号機ですので増えたなぁ。EF67はもう引退してしまったのでしょうか。調べてみたらEF60改造の0番台は全機引退、EF65改造の100番台が数機細々と僅かな運用に就いているよう。そしてEF210の300番台は9機も落成しています。

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単線ですので上りしおかぜと交換。続行する上り普通列車は、これも7000系だったのですが両運クモハの単行でした。14:41、新居浜を出発します。

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最後の2駅は立ってかぶりつき。普通列車と言えどけっこう飛ばしますので楽しい。

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14:52、伊予西条に到着。ここでまた35分も停車し、また列車番号を変えて松山へと向かうのですが、充分この電車を楽しんだという事で見切りをつけてこの駅で下車。急いで改札を抜けて...

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14:58発の伊予鉄特急バスのJR松山駅行きに乗り換えます。実にアクロバチックな乗り換えで、このバスは新居浜を14:30発に出発してますので、さっきの7000系普通列車で追い抜いて来たのです。しかしここからは、JR線はラクダのコブのような半島を丁寧に海岸線に沿って走るのに対し、バスは半島の根本を一直線にショートカットし、次に目指す伊予鉄横河原駅は、そのショートカットの途中にありますので、とても効率のよい流れるような乗り継ぎになります。

乗客は10人ぐらいで、伊予西条から乗車したのは私一人。バスは豪華なハイデッカータイプで、運転席の後ろが空いていたので座ると、スーパービュー踊り子の展望席みたい。しばらくは市街地を他の車の流れに合わせ50km/hぐらいで走ります。道路標識がちょっと面白く、東温市○○kmの文字の下のローマ字表記は「Toon City」。"トーオンシティー"→"Toon City"→"トゥーンシティー"、どっかで聞いた地名だなぁ。検索してみたら東京ディズニーランドにToontownというのがあったんだ。

市街地を抜け渋滞は無くなりますが、特急バスとはいえずっと一般道ですので60kmで走ります。どんどん山間部に入って行き渓谷の深さは大歩危小歩危並、沿道にはドライブイン、果物販売店がたくさんありますが、店を畳んでしまったのも多い。峠を越え、トゥーンシティーに入ると少しずつ乗客が増えてゆきます。

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15:53、横河原に到着。細い路地に入ってちょっと歩くと、伊予鉄の横河原駅の裏手に出ます。

(乗客は2016年8月)

前の記事:琴電琴平線レトロ電車乗車記
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関連タグ:JR四国バスの旅

南風6号(琴平~岡山)乗車記

 琴電琴平駅から歩いてすぐのJR四国の琴平駅へ。お腹すきました、温かいうどんでも食べて行きたい。しかし両駅周辺にはうどん屋さんも喫茶店も飲食店類が一切見当たりません。洋風建築で見るからに歴史がありそうなJR琴平駅内もコンビニがあるだけ。玉子かけご飯おにぎりなるものを一つ買ってかじっておきます。美味しくないし、朝から冷えた食事だけというのは、すごく空しい。

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 早めに岡山までの乗車券と自由席特急券を買い構内へ。隣のホームでは121系電車がトコトコと懐かしいコンプレッサーの音を発ています。阿波池田に向けて出発する1000型という単行気動車はJR化後に誕生したもので、まだ私は未体験なのですが、面白い顔ながら、なんだか風格を感じます。これが秘境駅坪尻への1番列車になります。JR四国は普通列車で旅行するのも面白そうだ。

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 私の乗車します9:34発岡山行き南風6号が来ました。中村発という長距離ランナーの割には4両編成という短い編成で、混んでいて座れないのではないかと心配していたのですがガラガラ。前から4列目の席に座ると、デッキ越しに前方の風景も見られました。列車は気持ちよく加速してビュンビュン飛ばします。この2000系、20年ぐらい前に初めて乗車した時、旧型客車列車時代にDE10が黒煙を盛大に吐き出しながらウンウン登っていた琴平から阿波池田方面への勾配区間を、勾配途中でもグイグイと加速していくような力強い走りっぷりに、別次元の鉄道車両が現れたんだというぐらいに感動した車両になります。

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 多度津に到着します。この歩道橋は非電化時代に来まして写真をたくさん撮った思い出の場所。

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 宇多津で前にうずしお6号を連結。前の車両に移ろうかとも思いましたが止めておきます。隣のホームではしおかぜ5号といしづち5号が連結作業中。

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 宇多津側から瀬戸大橋へのルートは、私にとって乗り潰し上とても重要な所でして、瀬戸大橋・宇多津・坂出で構成されるデルタ線で、この区間だけ乗ったことが無かったのです。写真を撮っておきます(左が瀬戸大橋~坂出ルート、右が予讃線)、讃岐富士もちょうど見えます。

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 さぁ本州へ戻ります。今回の四国滞在時間は3時間ぐらいでしたでしょうか、讃岐うどんが食べられなかったのがとにかく悔しい。
 実は今回の旅行、当初の予定に四国は入っておらず、サンライズ瀬戸を岡山で降り、スーパーいなば1号で智頭へ行き、そこから普通列車でまた岡山に戻る形で因美線と津山線の乗り潰しをする予定でした。しかし3日か4日前に降った大雪で中国地方のローカル線はそのほとんどが運休、当分復旧する見込みも代替輸送も無し(因美線も昨日の時点で、美作加茂と智頭の県境越え区間が不通のまま)。そんなわけで仕方なく四国を回ることに予定を変更したのでした。結果、琴電の懐かしい電車に乗れ、このブログの唯一欠けていた「四国地方」のカテゴリーも作る事が出来て良かったかもしれません。

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 岡山到着手前ではアンパンマンが車内放送を担当、そういえばこの列車はアンパンマン号だった。天井にはキャラクターたちがずらりと描かれています。山陽本線をオーバークロスするところでは、この地区特有の車両が鉄道模型のショーケースに並ぶかのように整列、数年後にはこのいくつかが見られなくなっている事でしょう。

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 2000系と高徳線用N2400系の連結というのは面白い。そんな事よりうどんだ。確か岡山駅四国方面乗り場ホームには立食いうどん屋さんがあって、四国の人が利用するだけあってか、それなりに美味しかったような記憶があります。しかし行ってみると昨年10月末で閉店したとの貼り紙、なんて今日は食に関してツキが無いんだ。冷たい駅弁で我慢しようと階段を登ると、新幹線乗換口の前に吉備うどんがありました。讃岐うどんではなく、冷凍っぽい麺でしたが、本日初めて口にする温かい食事、熱いキツネうどんが体にしみわたり本当に美味しかったのでした。

(乗車は2016年1月)

前の記事:琴電琴平線乗車記2(一宮~琴電琴平)
次の記事:やくも9号 パノラマ型グリーン車乗車記

サンライズ瀬戸号乗車記

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 夜の東京駅、久しぶりに夜行列車に乗車して旅行に出ます。はまなす廃止後は日本最後の定期夜行列車になりますサンライズ瀬戸と出雲、ここ近年の私にとっては、何度も旅行のスケジュールに組み込みつつも、毎回満席で乗れなかった列車になります。

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 今回は空いていまして、瀬戸号のシングル2階喫煙室が取れました。この時間帯の東京駅の9,10番線ホームは、昔はブルートレインや湘南ライナーがメインで静かな雰囲気だった記憶ですが、今は上野東京ラインの開業で、遅い帰宅客でごった返すただの中間駅になってしまいました。しかし車内に一歩足を踏み入れますと状況は一変、静寂な個室寝台車の通路、そして喫煙車両特有のなんか懐かしい香り、旅行に出掛けるんだという気分がここで盛り上がります。

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 今夜の私の部屋です。それにしても登場から17年も経っている、しかも喫煙室であるというのに内部のパネルはとてもきれい。新しい建材というのは凄いなぁ・・・と、思っていたのですが、2014年にリニューアル工事でパネルの張り替えがされたらしい。出発まであと数分、外から見られてるみたいで恥ずかしいのでカーテンは閉めておきます。

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 22:00、定刻で出発。こうして並走する通勤電車を見るのも夜行列車の醍醐味。日常と非日常、大きな声では言えませんが、ちょっとした優越感に浸れる時です。

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 室内の照明を消して見る品川手前の車両基地の景色も格別、東京タワーだって一段と美しい。横浜を出て東京駅で買った高い割にはそれほど美味しくない蟹の枡寿司で一人乾杯。

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 荷物が少ないので寝台料金の安いソロでも良いのですが、シングルにする理由は喫煙室である事。サンライズのシングル個室の灰皿はこんな感じ、引き出しタイプでテーブルの下、ドアすぐ横にあります。しかしおそらく皆さん、右写真のように引っ張り出して窓枠上に置いて、ベットの上で胡座をかいて景色を楽しみながら喫煙されているのではないかと思います。そういえば寝台車には必ず国鉄フォントの「寝台使用中は禁煙」というプラスチックのプレートが貼ってありましたが、この車両は・・・

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 探したらコントロールパネルの上にありました。ステッカーでして表記は「寝たばこ禁止」になります。

 進行方向右側(山側)個室でしたので、小田原を出てしばらくデッキで海を見ます。ほぼ満月の月が出ていまして、海側個室にしておけば、照明を消した室内からは、それは幻想的な光景が見られたことでしょう。自室に戻って横になれば、時折天井まで回り込んだ窓から真上に月が見えます。そして丹那トンネルを出てからは、富士山が下半分月明かりに照らされた状態で見えました。遅いのでそろそろ寝ます。

*** 

 目を覚ましたのは岡山到着前のおはよう放送。深夜、浜松停車で起き、豊橋での運転停車でも起き、岐阜手前でも起き、雪はどのぐらい積もっているだろうかと、期待したほどありませんでしたが関ヶ原通過まで外を見てたりしてたので、よく寝ておらず、そのまま横になったまま過ごします。数分の遅れが出ているとの事。

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 児島出発直後にセットしておいたアラームで起床。遅れていますのでまだ宇野線単線区間を走っています。海側個室の人を楽しませてくれただろう月が西の空に沈みます。

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 児島を出てさぁ瀬戸大橋だ。四国に渡るのは久しぶりでして、その時は土佐くろしお鉄道が中村まででしたので約20年ぶりになります。空室でドアが開いたままの進行方向左側個室に入ってみますと、晴れていたらちょうどサンライズが見られたところでした。前日に買っておいたコンビニサンドイッチの朝食を食べます。温かい飲み物が欲しい。橋を渡り切り、洗顔と歯磨きにデッキ洗面所に行きますと坂出に到着、ホームは高校生が一杯、もうそんな時間なのだ。

 右手に盆栽屋さんが見えてきました。そろそろ高松です。私はこれを見ると四国に来たなと感じます。おそらく何十年も変わっていない風景ではないでしょうか。

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 高松には7分遅れの7:35に到着。駅も新しくなってずいぶん雰囲気が変わりました。来た時は必ず寄っていた、高徳線ホーム付け根にあった立ち食いうどん屋さんもどこかに移動してしまったようです。帰ってから知るのですが2001年に駅自体を300m宇和島側に移設したらしい、どうりで昔と違うわけだ。温かいうどんを食べたい、しかし時間が無いので外に出て先を急ぎます。

(乗車は2016年1月)

次の記事:琴電琴平線乗車記1(高松築港~一宮)
プロフィール

QJ7000

Author:QJ7000
おじさん鉄道ファンの日本の鉄道の乗車記録です。2012年、ふと日本の鉄道全線に乗ってみたいと思うようになり、乗りつぶしをスタート。その時の未乗区間は7,818.4kmでしたが、12年目にしてあと1,078.2kmになりました。すべて乗りつぶすには、今の生活パターンだと、まだ7,8年ぐらいはかかりそうですが、路線や車両に愛情を込めながら、少しずつ記録に残しておこうと思います。古い記事をご覧になりたい方は下のカテゴリーの「年別目次」からどうぞ。

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